「for a Challenger as a challenger——挑戦者のために、挑戦者であり続ける」をミッションに、挑戦する求職者のキャリア支援や、企業へHRソリューションを提供するBOX。それらを担うメンバーにとっても、BOXは“挑戦の舞台”そのものです。
そんな挑戦を支援すべく、BOXでは2025年9月からオンボーディングに特化したチーム「G.A.T.E.」を設置。人材紹介の経験の有無にかかわらず、新入社員はまず「G.A.T.E.」に配属され、講義や実践などをしながら挑戦者への一歩を踏み出してもらいます。
今回は「G.A.T.E.」の責任者である海老沢に、オンボーディングの設計思想やその内容、期待する効果などを聞きました。
オンボーディングチーム責任者 海老沢 恒太
株式会社マイナビの紹介事業本部に新卒入社し、80社、250名の転職支援を経験。その後株式会社Speeeの中途採用部にジョインし、採用人事に従事。2023年株式会社BOXへ移り、人材紹介事業部におけるマネジメント、成長企業に強固なHRチームを創出するHR Enablement事業部の責任者などを担当し、現職に至る。
目次
求職者や企業のために動ける完全自走型プレイヤーを輩出
自立自走の一歩目は、「自分のオンボーディングを自分でつくる」ところから
当たり前の基準を上げるため、海老沢が見ているポイント
成果と姿勢を早期に手にしてもらう
経験年数は関係ない。序列を変えるチャンス
求職者や企業のために動ける完全自走型プレイヤーを輩出
——BOXのオンボーディングチーム「G.A.T.E.」について教えてください。
一定期間で、自立自走するエージェントを輩出するために機能しているチームです。
BOXの主力事業である人材紹介事業は、メンバー個人の生産活動に依存しやすい、労働集約型のビジネスです。現在BOXでは、より求職者と企業の力になれる人材を増やすべく、新たに「G.A.T.E.」が組成されました。
——自立自走するエージェントというと、どんなイメージですか?
当たり前のことを誰よりも当たり前にできる人のことだと考えています。たとえば、最新の情報を正確かつ速やかに求職者や企業へ届けるのは、エージェントとして当たり前のことです。連絡の遅延や、古い情報・誤った情報の提供などをしては、私たちが間にいる意味はありません。
実は私たちの仕事は、人や企業を紹介することのようで、実際に動かしているのは情報です。求職者の強みや、転職先で実現したいこと、選考途中の意向度の変容。企業側が思い描いている事業計画や採用計画、それに付随して必要としている人材像。最新の情報をキャッチアップし、正しく伝達するのは、誰かに言われる前にできて当然のことです。
そうやって当たり前のことを当たり前にやっていると自分の中の基準が上がり、「求職者や企業のために今日の自分は何ができるのか」と思考と行動が変わっていくと思います。
たとえば、担当する求職者が最終面接を迎える日。緊張しているであろうAさんに対して、面接前に自分は何ができるのか。単に「頑張ってください!」と連絡するのではなく、「私がAさんなら、最後にこの資料を読んで、企業に気持ちを伝えると思います!」と、最善を尽くしてもらうよう声を掛ける。
あるいは、最終面接を実施する企業のオフィスまで会いに行ってみる。言語化面談や面接対策を何度も一緒にしてきたエージェントが、最終面接を終えて現れたら、少しでも安心してくれると思うんです。
BOXではこれらを当たり前にやっているメンバーが数多くいます。求職者や企業に喜ばれることを、入社してすぐ当たり前にできるプロフェッショナルを増やしたいと思い、オンボーディングを設計しています。
自立自走の一歩目は、「自分のオンボーディングを自分でつくる」ところから
——BOXならではのオンボーディングはありますか?
まずは入社してすぐ、座学でこれらのことを学んでもらい、これからBOXで働くイメージを膨らませてもらいます。
主な講義内容
オンボーディングの概要、会社説明、人材紹介の基本や責任、ツールのセットアップ、求職者支援の全体像、採用側が見ているポイントの理解、セールス職の要素分解など
それから得た情報をもとに、G.A.T.E.期間中の数ヵ月間、自分のオンボーディング内容を自分で決めて計画してもらいます。
——入社直後に自分で決められるものですか。
最初に到達してほしい目標や、それに向けてどんなことを考えてほしいかはある程度用意しています。ただ、目標に向けてどうやって日々の行動に落とし込むかは、自身で考えてほしいと思っています。
G.A.T.E.卒業基準のひとつは初めての求職者支援成功(2026年1月時点)です。それに向けて考えてほしい大きなテーマは2つ。どうやったら求職者と会えるのか、その求職者と企業のご縁はどうやって生まれるのか。
理想の状態をイメージしてもらい、今の自分に何が足りないのか、まずはそのギャップを自覚してもらう。そしてそのギャップを埋めるために、どんな行動が日々必要なのかを自分の言葉で計画してもらいます。
従来は、既存メンバーがやってきた面談のロールプレイングや、先輩メンバーの面談同席などをオンボーディング期間中に必ず実践してもらっていましたが、必ずしもそれらを実施する必要はありません。
自分のオンボーディングを自分でつくる体制にしてからは、「求職者と出会う経路を増やすために、自分でSNSの運用を始めてみよう」と、入社初月から自走しているメンバーが出てきています。面談の約束はどうやってできるだろう、どんなエージェントだったら求職者は会いたいだろうと自分で考え、行動に落とし込めているようなので、今の体制について手応えを感じています。
——入社直後に実施される講義については、どんな内容を取り扱っていますか。
たとえば、BOXでは成長企業のセールス職へ転職する方を支援する機会が多いため、セールス職についての理解を深める講義を行っています。
求人票の必須・歓迎条件を見ていると、個人営業や法人営業、販売サービス職、顧客折衝経験などと記載されていますよね。その違いを判別するのは意外に難しいんです。
たとえば車のディーラーは何に該当するのか。店舗に立って業務にあたっているから個人向けの販売サービス職ではないか。だから「法人営業経験1年以上」を必須条件としているB社には募集できないだろう、とエージェントが勝手に解釈してはいけないんです。
そもそもB社が必要としている法人営業経験者とはどんな人なのか。個人を中心とした営業であっても、法人営業の要素は本当にないのか。さまざまな可能性を考えて、「現職でディーラーをしている求職者の方に何を聞こうか」「B社の人事担当の方に何を確認しようか」と考えるようになると、エージェントの仕事が面白くなると思うんです。
——確かに、個人営業と法人営業、新規営業とルート営業、対面と非対面など、一口に営業職と言ってもさまざまな要素分解ができますね。
そうですね。ほかにも、営業職によって扱う商材も千差万別です。有形と無形。高単価と低単価。ひとつあたりの販売価格によっても、その方についている筋肉は違うと思っています。
Cさん
社会人2年目、24歳。不動産会社勤務。新築・中古の戸建てやマンションのセールス担当。
Dさん
社会人2年目、24歳。広告代理店勤務。広告主に対するWeb広告やSNS広告の販売、メディアとのリレーション構築担当。
たとえば2名の求職者がいるとします。分かりやすく分類するなら、Cさんが扱う商材は高単価、Dさんの商材は低単価です。大前提として扱う商材単価に良し悪しはありません。
一見するとCさんの方が難易度が高い仕事に挑んでいるように思えますが、「経験が浅いCさんひとりに重要な商談を任せるだろうか?」と疑問が浮かびます。もしかしたら、上長と一緒に成果を出していて、自分の力で受注・成約に至る技量があるかは分からない。商談数はきっと多くないだろうから、それ以外の時間はどんな仕事をしているのだろう。
一方Dさんは、商材の単価が高くないから数を売る必要がありそう。つまり、入社2年目とはいえ場数を踏んでいそうだ。「A社でうまくいったことをB社で再現してみよう」とPDCAサイクルを何度も何度も回している可能性が高い。しかし成約の難易度はどれほどなんだろう、と。
その人に会う前に、プロフィールから聞きたいことが溢れてくると思います。そうやって仮説を立てられるようになり、面談の時間をより有意義にしてもらうことが、この講義の狙いのひとつです。
当たり前の基準を上げるため、海老沢が見ているポイント
——仮に面談のロールプレイングが必要だと考えるメンバーがいる場合、どのように進めますか。
まず、初回面談のときに意識してほしいポイントをチェックリストとして渡しています。BOXの特徴を伝えられているか。求職者の職務経歴上の入社理由・業務内容・目標・成果・転職理由などを聞けているか。キャリアビジョンを理解しているか。基本的な型を通じて、初回面談の時間の使い方を覚えてもらいます。
——海老沢さんが求職者役を演じる場合は、どんな観点を見ていますか。
基本的な型を扱えているか、以外にも、メンバーが求職者に対してどんな問いかけをしているかにも注目しています。
人と人が進める面談であるため、良い面談とはこうだ、という正解はありません。ただ、「これを聞けば求職者の価値観に触れられるのでは」「気づきを与えられるのではないか」と狙いを持って質問し、有意義な時間にしようと努めることはできます。
あんまり聞くとメンバーに煙たがられますが、「どんな意図からその質問をしたの?」と確認することは多いですね。
——初回面談以外にも、さまざまな場面を想定したロールプレイングを行うんですね。
入社して1週目で初回面談。2〜3週目から企業をアトラクトする場面や、求職者の志向に合う企業を提案する場面を想定したロールプレイングを始めていきます。
たとえば、現職がウェディングプランナーで、「これからは法人営業経験を積みたい」と考えている。「サービスを使ったことがあるから」「年収を上げたいから」といった理由で、転職先として大手企業やメガベンチャーしか見ていない求職者がいるとします。
このときに私が見ているポイントは、求職者の真のニーズを把握できているか、事実と解釈を混同していないか、求職者に気づきを与えられたか、などです。
エージェントは「やっぱりすでに名前を聞いたことのある大手企業に転職したいですよね」と共感し、求職者の言葉を事実だと安易に認識すべきではない。
「どうしてサービスを使ったことがある企業=転職したい企業なのか?」と興味を持ち、「そもそもどんな力を身に着けたい?」と深掘るための問いを投げるのがベターだと思います。そうすれば、求職者も気づいていなかったニーズ(事実)を引き出せるかもしれません。さらには、「◯◯な理由で法人営業経験を積みたいなら、大手企業にこだわる必要ってあるんでしたっけ?」と求職者自身に再び問いかけ、気づきを促すこともできます。
BOXが行っているのは転職支援ではありませんから、気づきを得た結果、「現職に留まった方が良くないですか?」と提案するケースがあっても良いと思っています。
このようなロールプレイングを、求職者のペルソナやニーズを変えながら、繰り返し実施しています。
成果と姿勢を早期に手にしてもらう
——G.A.T.E.のメンバーは、何を目標にしてオンボーディングに臨んでいますか?
入社してしばらくしてからは、オンボーディングとあわせて実務にあたり、求職者の集客や面談から始めていきます。その中で、成果と姿勢を目標にしてもらっています。
成果については、G.A.T.E.所属期間中に初めての求職者支援成功(2026年1月時点)を目標にしてもらっています。
——入社して数ヵ月で達成できるものですか?
新入社員のメンバーにこれからのBOXを作ってほしいと思っているので、あえて難易度を高めに設定しています。オンボーディング期間で成果を出すのは既存メンバーにとっても簡単ではありませんでした。ただこれからは、その基準を当たり前にしたい。G.A.T.E.からBOXの基準を変えたいと思っています。
2つ目の目標である姿勢について、私は「会えるのが楽しみな人になろう」と必ず伝えています。
——会えるのが楽しみな人というと?
これに関しては定まった基準はありません。大前提としてメンバーそれぞれが、自身のキャラクターを考えながら、求職者との関係性を築いていってほしいと考えています。
僕自身が考える会えるのが楽しみな人を強いて挙げるなら、この人と会うと「学びや気づきが得られる」と感じられるような、相手にGiveができる人。約束を必ず守り、有限実行ができる人。また冒頭で話した通り、求職者に喜んでほしいという気持ちで、「今日の自分は何ができるだろうか」と当たり前に行動に移せる人は、また会いたくなる人だと思います。
これは求職者に限らず、社内のメンバーに対してもそうです。BOXには、自分の仕事の合間を縫ってG.A.T.E.のメンバーにフィードバックをしてくれる人がたくさんいます。そうやって時間を取ってもらえたことに対して、その人を上回る熱量で感謝できる。隣の席で困っている人、Slack上で困っている人がいたらすぐに声をかけられる。
そうやって信頼を少しずつ積み重ねていき、また会いたい、隣の席で働きたいと思ってもらえるメンバーを育てるのが私の役目です。
経験年数は関係ない。序列を変えるチャンス
——G.A.T.E.が発足して間もないですが、今後BOXに対してどんな影響があると考えられますか。
今はBOXの全メンバーに対して、G.A.T.E.のメンバーは10%ほどです。しかしこれからG.A.T.E.のメンバーが現場に出て、年数が経つといずれはG.A.T.E.の割合が過半数を突破すると思います。このときがBOXが大きく変わるときです。
後輩がどんどん成果を上げていって、先輩たちが焦り始める。G.A.T.E.は、BOXにおける序列を変える可能性を持っていると思います。G.A.T.E.のメンバーが組織に良い刺激を与え、BOXを常勝軍団に成長させる存在になると信じています。
——最後に、BOXへの転職を検討している方へメッセージをお願いします。
ここまで特別なことを話したつもりはありません。プロとして当たり前のことを当たり前にできる状態を早いうちからつくっておくのが、その人の人生の豊かさにつながると思います。良いメンバーが集まっていると思うので、一緒に基準を上げたい人がいたら待っています。