1
/
5

『my values vol.1』価値観を磨ける場所

価値観のゆらぎ」に気づく瞬間は、人生にどれくらい訪れるのだろう?
そのことに気づくために不可欠な内省の時間を、どれくらいの人が持つことができているのだろう?

もちろん、意識的にそういう時間を作っている人もいるけれど、毎日が充実していて、体力と瞬発力でなんでも乗り越えられてしまいそうな20代に、じっくり自分を見つめる。

それを可能にするのは、もしかしたら「身を置く環境」が大きく影響するのかもしれない。

久しぶりに再開したWantedly。

まず話を聞かせてもらったのは、貝野 史弥(かいの ふみや)さん。

前職は「起業したい」という野望を抱く、織物メーカーのエンジニア。
大好きな「カフェ」と「勉強」を併せた「勉強するためのカフェって新しいのでは?」とひらめくが、既に「勉強カフェ」が存在することを発見。
悔しい気持ちを抱きながらも、ノウハウを身につけようと2019年2月にブックマークスにジョインした、いちばん新しい社員。

そんな彼が勉強カフェのアシスタントマネジャーとして働きはじめてもうすぐ1年。
そろそろマネジャーとして一人立ちしてもらおう、そんな話が出始めた11月。

「貝野くんが退職したいらしい」という連絡が……

「えぇー!!それは話を聞かなければ!!!」

堀川:貝野くん、退職を考えてるの?

貝野:自分がやっていきたいことのプランが立てられてきたんです。ちょうど1年前に勉強カフェで働きたいと思って約1年、ここ最近、気持ちが変わったり定まったりしてきました。

堀川:やっていきたいこと?

貝野:僕がやりたいことって課題解決なんです。学生時代からその分野で成長できるところで働きたいと思っていました。
前職は織物生産が日本一強いところで、大学の専攻が繊維化学系だったのもあり、とりあえず入ってみました。環境もよくて、成長の実感もあって順風満帆!でもそこでの成長だけでは物足りなくなってきて、書店で平積みにされた本、人からすすめられた本と片っ端から読みました。
そうすると、今まで自分がすごい!と思っていたことも、世界から見たらすごく小さなものかもしれない。目先の課題解決だけで、自分が望む成長ができるのかな?と危機感を覚えて。
より刺激のある環境に身を置きたいと思うようになりました。それが自分で「勉強できるカフェをつくる」ことでした。

堀川:その気持ちが最近変わってきた?

貝野:勉強カフェのいいところは、多様なバックグラウンドや成長意欲を持つ人の、価値観に触れられるところにあると思うんです。その中で、勉強カフェのマネジャーになりたいという気持ち、いつか起業したいという気持ちに変化が出てきました。
自分を高める環境に飛び込む」それが1年前の僕には勉強カフェだったんですが、今は「IT業界」だと感じるようになりました。成長市場だからこそ僕の理想とする解決すべき課題がたくさんあるのではないかと。

そうは言っても自分にはまだスキルもないので、最初は遊び感覚だったんですが、少しずつ勉強しています。やってみて分かってきたんですが、独学じゃぜんぜん足りなくて。
勉強を支援する側から、勉強する側に立場を変えて、スクールに行こうと思っています。

堀川:必死で勉強しなければ行くことができない世界に飛び込んでみる?

貝野:「背水の陣」って感じで、負荷を掛けてやってみたいと思っています。
3年は働くと言ったのに、1年足らずで辞めちゃうことになるんですが……

僕は開発職に就きたいんですが、たいていの企業は未経験者に開発職はやらせてくれなくて。未経験で入れるのはテスターか分析業務なんですけど、それは自分が望むものじゃないんです。
独学でできるだろうとやってみたんですけど、難しくて。入学を考えているスクールは週6で1日10時間くらい、3か月間勉強します。卒業後に求人も紹介してくれるんです。自分が経営者なら、実務経験はなくても、ある程度スキルが保証されている人を雇いたいと思うので、まずは自分がそういう人材になります。

堀川:うちには短時間正社員アルバイトに切り替える手段もあるけど?

貝野:仕事しながらスクールに通うことも考えました。実はそうやって通った時期もあって。でも、それだと負荷の少ないカリキュラムしかなくて、あまり身につかなかったので。
ワガママ言って、週2のバイトも考えたんですが、体力的にもたないかなと。なんか話してるとできなくもない気もしてきたけど……

堀川:ブックマークスでならワガママとは捉えられないと思うけど。
「起業志望」の印象が強かったから、店舗運営よりもフリーランスのエンジニアを選んだのかと思った。だったら短時間正社員と相性がいいと思う、って伝えようと思ってたんだけど、IT業界で「就職」を考えてるなら「退職」のほうがいいのかな。

貝野:最近はスタッフの面接を任せてもらったり、たくさん経験値をもらえるフェーズにいる自覚もあったんですけど、やりたいことが変わって、成長意欲のベクトルも変わってきました。
環境には満足してて、ここにいたい気持ちもあるんですけど、今は「旅したい」この気持ちを優先してみようと思います。
1年前と言ってることが違うので来年どうなってるか分からないですが。

堀川:そうだ!最近この記事を見つけて……これ見た?

―――スマホを見せる

生徒同士の教え合い(ピアワーク)っていうのが勉強カフェの提案する「勉強」と親和性が高くて面白いと思って。

貝野:見ました!これはチームで企業の案件をとって開発するんですよね。本当の課題解決なのでスキルは身につくと思います。ピアワークも面白い試みだな、と思います。でも、これは1年かかる。僕は実際のエンジニアからたくさんのスキルをできるだけ早く吸収して、すぐに次の仕事に就きたいので、1年は長いです。

堀川:目標が見つかった社員の選択肢が退職のみなのが悔しくて、これなら社会人向きで働きながらも通えるのかとも思ったんだけど。 
複業を推奨してるけど実際に複業してる人は多くないし。どうしたらパラレルキャリアが成立しやすいだろう?

貝野:店舗で勤務しながら、空いた時間で複業する、なら……メリハリが難しそうだけど……

堀川:できそう?

貝野:いや、自分は切り分けて考えたほうが……
両国で導入したコミュニティマネージャー(業務委託)は向いてますよね。
複業ってほどではないですけど、出勤前とか空いた時間にクラウドワークスで動画編集とかをやってた時期がありました。

堀川:勤務前に作業してるなと思ってたけど、なんのためにやってたの?

貝野:自分探しです。
吉村さんが動画編集をやってると聞いて面白そうだなと。ユーチューバ―の案件もやったりして、それ自体は楽しかったんですけど、仕事としてはいいかな、って。

堀川:この1年いろいろやってたんだね。
貝野くんの気持ちがよくわかったから、今のその気持ちを応援したいな。

堀川:退職の話が先になっちゃったけど、ここからは「貝野くん」という人についてと、貝野くんが思う「ブックマークス」について聞かせてもらいたいな。

うちで働こうって思ったきっかけから聞かせてもらっていいかな?

貝野:価値観が「合った」っと思ったからです。
僕が好きだなと感じたのはHONESTY」と「APPRECIATEです。組織には自己が強い人も必要なんですけど、会社として他者への思いやりを大事にしているのが素敵だと思いました。自分が起業するならそういう会社にしたいなって。

堀川:起業への目標は変わったけど?

貝野:変わったけどその思いは変わってないですね。

堀川:今回の理由以外にブックマークスを辞めたいなと思ったことはあった?

貝野:ネガティブな理由でってことですよね?それはないんですよね。
でもスクールに行っていた時は(21時までの勤務が多いので)勉強時間が朝しか取れないのが辛かったですね。朝型なんで。

堀川?????朝型なのに夜に勉強したかったの?

貝野:仕事は最大パフォーマンスでやりたくて。勉強は疲れてても割とできるんで。

堀川:入社、退職の理由どちらにも「価値観」というワードが出てきたんだけど、実はとってもタイムリーで……
じゃーん!「価値観カード」知ってる?
実は今日はこれをやってみたいな、と思って来ました。
82枚のカードを「自分にとって大切」と「自分にとって大切じゃない」に分けてみてください。

貝野:
―――カードを分けながら

こっち(大切)にしかいかない……

―――1枚のカードをじっくり見ながら

なんですか?これ?

堀川:「中庸(ちゅうよう)」難しいね。使わないよね。

貝野:なんかこう見ると僕って自分勝手だなぁ。「自分中心」ってかんじですね。

堀川:え?そうなの?(「他者への思いやり」が大事なんじゃ……!?)

貝野:できました。

堀川:次は「自分にとって大切」に分類したカードを「自分にとって、とても大切」と「自分にとって大切」に分けてください。

―――何度か仕分けを繰り返し、10枚程度に絞られたカードを見て

それを自分にとって大切な順番に並べてください。
上位5枚の話を聞かせてほしいな。

1『成長』無意識でも選択してきた、必ずしもプラスと捉えられない行動や経験も含めたすべて。
2『寛大』「決めつけ」ず、相手を受け入れて、その人に本音の行動をさせること。
3『情熱』冷めてたら何もできない、行動の源。
4『創造性』日常の軸から離れて俯瞰でみて考察すること。
5『希望』やりたいことを見つけた時、周りに何と言われようとやりとげるのに不可欠なもの。

貝野:今回の決断も「成長」「情熱」「希望」が軸になってるかも。
勉強も大事ですけど、自分の価値観を決めるタイミングってすごく大事と思います。勉強カフェで働いている間にそれができました。

堀川:「勉強カフェ」で働いている時間に自分の軸ができた?「ブックマークス」という組織はどうかな?たとえば『情熱』は持ててた?

貝野:情熱』は直感で選んだんですけど、勉強カフェでは毎日同じことが起こらなくて、冷める暇がなかったですね。一番「情熱」を注いだのは「言われたこと+α」したいということです。

堀川:それは『創造性』にもつながってくる?

貝野:例えばイベントの主催とか、今までしたことがなかったことをする時に、未知の分野でアイデアを出して、POP作成、企画、集客も試しながらやってみる。これはトータルで『創造性』があったと思います。

堀川:最近たくさんアイデアを出してくれていて、退職を決意しながらもクリエイティブに楽しんで働けてるように見えてた。

貝野:楽しいです。前の職場では思いついた意見を気軽には言えなくて。というか、言っても切り捨てられてたんで。
退職を意識したとたんにパフォーマンスを落とすのも楽しくないと思っているので、アイデアも出し続けています。

堀川:上位の『成長』や『寛大』は満たされてた?

貝野:寛大』さが一番『成長』しました。ここに入るまではあまり寛大さを持ててなかったんじゃないかな。相手の話を聞ききる大切さを学びました。たとえば、「でも」とか「いえいえ」とかは言わないようにしたり。話の流れを止めてしまってお互いにとってマイナスなので。指導される場面では反発心が芽生えるほうなんですけど、それもまずは受け止められるようになりました。

堀川:それはすごく感じた。ある時とつぜん、貝野くんの吸収力とコミュニケーション能力が急激に上がった。「とりあえずつっかかってみる感」が強かったのに。

貝野:マインドが弱かったんですよね。先輩に叱咤されても辛くなっちゃったり。でも、それって自分に期待しすぎているからだと気づいて。
できないことが認識できていなかったんです。

堀川:それすごい!『無知の知』だ。
入社するときに大事だと思った価値観(HONESTYとAPPRECIATE)につながってくるところだね。

貝野:「周りにいる人たちが自分を作っている」と聞いたことがあるんです。自分が周りを受け入れられないと、周りの人たちがどんどんギスギスしてくる。それが自分を映す鏡だとしたら、自分って醜いなって。
ほめ言葉のつもりの「かわいいね」「真面目だね」とかいう言葉が、相手にレッテルを貼って、結果的にそれがプレッシャーを与えることになってしまう。そうすると相手はその期待に応えようと、演じちゃうことがあると思うんです。それが本音での行動をできなくさせる。それは本当の意味で相手を受け入れられていないってことかなと。本音を受け入れてはじめて組織が強くなる。そう思っています。

堀川:成長』は想像通りだったけど、『寛大』は意外だと感じていたんだけど、今の話を併せて聞いて腑に落ちた。

堀川:最後に、誰かにブックマークスの魅力を伝えるとしたら?

貝野:価値観を磨けて自分を知れる会社

堀川:ここで自分を知れたんだ。入社前の自分と違う?

貝野:違います。

堀川:いい意味で?

貝野:もちろんです。少なくとも、僕の視点では。

自己概念価値観に対する内省。彼は、それを仕事を通して行い、自分が大切にする『成長』『寛大』という価値観を磨き、にしていました。

1年前、ここで「勉強したい」と入社してきた彼に、今回「新しい職場に勉強させてもらうの?」と聞くと、「勉強して使える人材になって入社したい」と返ってきた彼の成長が印象的でした。

メンバーの退職はとても残念こと。それでも、自ら学び、チャレンジする仲間の、新たな目標を応援できる。ブックマークスはそんなチームであり続けたいと確信しました。

株式会社ブックマークス's job postings
7 Likes
7 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Miki Horikawa's Story
Let Miki Horikawa's company know you're interested in their content