次田:インタビューさせていただく次田です。本日はよろしくお願いします。広瀬さんは今、ご家族でフランス滞在中なんですよね?
広瀬:はい!3人の子供たちに海外で暮らす生活を体験させてあげたいという思いもありますし、旅先でも仕事ができるかという実験もかねて、3週間の予定でフランスを旅行中です。
「暮らすように旅をする」をテーマにした実験的なこころみなんですが、今のところ家族との時間に仕事にと非常にメリハリのある時間を過ごせています。
次田:なるほど!今回のフランス滞在は海外からでも仕事ができるか?という実験的な側面もあるんですね。面白そう!ぜひ次はその話も聞かせてください。
さて今回は、広瀬さんに少しタイムスリップしていただいて、どのようにして今のキャリアに至ったのか。そしてビーワンカレッジのミッションについて、熱く語っていただきました。
公認会計士という仕事を知ったのは進研ゼミ中学講座
-- 広瀬さんのご出身は兵庫県でしたよね?どんな幼少期を過ごされたのですか?
そうです!世界に誇る姫路城のお膝元。兵庫県姫路市出身です。
当時の中学校は荒れていましたね。兵庫県警のパトカーが校内に常駐していましたし、授業は頻繁に中断。さらに、たびたび新聞沙汰になる。その名は灘中学校!
かの有名な私立の灘中学校ではなく、姫路市立の灘中学校です(笑)
そんなバイオレンスな中学校で多感な思春期を過ごしていた訳ですが、中学1年生のときに進研ゼミ中学講座で公認会計士という資格があることを知り目指すことにしました。
-- なんと!ずいぶん早く出会があったんですね。中学生の広瀬少年は公認会計士の仕事のどんなところに魅力を感じていたんですか?
いろんな職業の中で、公認会計士と弁護士の給料が高くて、いいなって(笑)
どちらがいいかなと考えた時、弁護士になって人に恨まれたら嫌だなと思って、、、それで公認会計士を選びました。中学一年生なのでそんな感じです(笑)
バドミントン漬けの毎日から夢の公認会計士へ
-- 高校や大学で夢中になったことはありましたか?
地元の公立高校である兵庫県立姫路西高等学校を卒業し、京都大学経済学部に入学しました。入学はしたんですが、授業にほとんど出席しませんでした。それで何をしていたかと言うと、高校から始めたバドミントンに夢中になっていました(笑)
バドミントンに明け暮れた毎日で、まさにバドミントン漬けでした。実は今もバドミントン続けているんです。いいですよ!バドミントンは!!
-- バドミントンに対する愛を感じますね。「はねバド」とかアニメ化されたバドミントン漫画もあるし、2020年の東京オリンピックでも注目されてる競技ですよね。それで公認会計士の夢はどうなったんでしょうか?資格試験は難関なんですよね?
そうですね。公認会計士試験は国家三大試験のうちの一つなので、難易度は高いと思います。そこで大学を1年休学し、4回生秋から本格的に試験勉強をスタートさせました。5回生秋には無事に一発合格することができました。
銀行監査の仕事を通じて融資ルールを実地で学ぶ
-- おぉ!一発合格はすごいですね。
進研ゼミの話の時にも感じましたが、有言実行で努力される方なんですね。
大学を卒業後は資格を活かしたキャリアを積まれたのでしょうか?
大学卒業後は、日本三大監査法人の一角であるあずさ監査法人(当時、朝日監査法人)に入社しました。そこでは主に銀行監査の担当をつとめましたので、銀行本部との仕事を通じて融資実務や中小企業評価実務を深く知る機会に恵まれました。
税理士や他の士業では、こういった経験はできません。ごく一部の公認会計士のみが得られる経験なので、この時に「銀行が中小企業・ベンチャー企業をどのように評価して融資の可否や条件を決めているのか」といった融資ルールを実地で学ぶことができたのは大きかったですね。
あずさ監査法人に約5年お世話になった後、28歳で起業することになるんですが、その時もこの経験をバックボーンとして、銀行融資による資金調達のコンサルティングを一つの強みにすることができました。
「暮らすように旅をする」をテーマにやってきたフランスですが、この週末は普通の旅行らしくモンサンミッシェルに行ってきました。はるばる来てよかったと思えるところでした。
「何を成し遂げたいのか」を強烈に意識し起業
-- 28歳で起業されたということですが、順調なスタートだったのでしょうか?
実は起業と同時に結婚しました。安定収入ゼロの状態で結婚生活がスタートしたのですが、同時に赤ちゃんも授かったので、当時は大変でした。
残念ながらこの子はこの世に生を受けることはなかったのですが、現在は3人の子宝に恵まれています。
-- それはつらかったですね。奥様のお気持ちを考えると言葉がありません・・・。
そんな大変な時期をご夫婦で乗り越えて、今の幸せがあるんですね。
-- 最初の起業はどのような事業内容だったのですか?
当時は「何を成し遂げたいのか」を強烈に意識しつつも、それが明確になっていなかったように思います。手探りしながらいろんなことにチャレンジしていた時期でした。
事業内容は、ベンチャー企業や中小企業に対してさまざまなコンサルティングをするというものです。
具体的に言うと、上場企業顧問(玄品ふぐを運営する関門海等)、上場準備(銀のさらを運営するライドオン・エクスプレス等)、企業再生、M&A、税理士業務に携わってきました。
その中で、 IPO、エクイティ・ファイナンス、デット・ファイナンス、バリュエーション、スタートアップ、中長期の戦略設計、ビジネスモデル設計、投資判断、投資効率測定、税務など、監査法人を飛び出したおかげで幅広い経験を得ることができました。
現在はその経験をノウハウ化して戦略財務コンサルティング会社(株式会社ビーワンフード)を経営しています。
名物のオムレツは日本円にして約5000円。ストーリーとブランディングはホントに重要だと感じました。太陽の光のあたたかさ、風の気持ち良さ、自然の音の響き。都会にいるとなかなか味わえないものをたくさん感じた2日間でした。
理論だけではうまくいかないことを痛感
-- 戦略財務コンサルティング会社(株式会社ビーワンフード)では、具体的にどういったことをされているのですか?
株式会社ビーワンフードでは、事業拡大を目指す企業の戦略財務参謀として、そのビジョンを実現するための戦略的な財務戦略の構築とその進捗管理、事業計画の策定と財務的な投資判断、戦略に沿ったM&Aの実行、資金調達や税務面でのフォローをしています。
創業以来、クライアント企業の倒産件数は0社。中小企業・ベンチャー企業の社外CFOとして倒産リスクを最小化しつつ、その成長を支援しています。
クライアント企業の倒産件数は0社なんですが、過去に自社で大阪の北新地で飲食店を経営したことがあって、そちらは半年で閉店してしまいました。。。
この時、理論だけではうまくいかないことを痛感。以後、理論と実務(実践・現実)をうまくリンクさせることを強く意識しています。
素晴らしいプロダクトやサービスを世の中に広げる
-- 成功よりも失敗の方が学べることが多いですからね。
「何を成し遂げたいのか」意識されていたとのことですが、なにか理由があるんですか?
そうですね。あれはわたしが14歳の時です。その歳、母親が他界しました。
「死」というものが他人事ではなく自分事であること。「死」というものをとても身近に感じた思春期でした。
その後、25歳のときに医療事故で死にかけるという体験をしました。そこからですね。
前向きな意味で死生観が強くなった。つまり、「人生をかけて何を成し遂げたいのか」という想いがとても強くなりました。
そういったこともあり、28歳で起業した時にも「何を成し遂げたいのか」という意識が強くあったのだと思います。
監査法人時代は、大企業・上場企業と仕事をすることがほとんどでしたが、起業後はベンチャー企業・中小企業と仕事をすることが多くなり、その中でまだまだ世の中に知られてはいないものの、素晴らしいプロダクトやサービスがあることを痛感しました。
けれども大企業・上場企業とは違い、経営リソース(ヒト・モノ・カネ)が絶対的に限られていますよね。
その中で、どのようにすれば素晴らしいプロダクトやサービスを世の中に広げることができるのか?これを解決することに、これからの人生をかけて挑戦して行きたいと思うようになり、日本初となる独自の経営マネジメント理論「Scale Model」を開発しました。
Scale Modelに沿った経営マネジメント手法を広げるために、2018年11月新たに株式会社ビーワンカレッジを設立しました。
みんなが同じ視界で、同じ方向を向いて進んでいくことで、力が発揮される
-- なるほど!いよいよ人生をかけて挑戦したいことが見つかったんですね。
新しく設立された株式会社ビーワンカレッジについて教えてください。
失敗の経験から学んだことですが、ほとんどの企業で、経営者が見ている視界と社員が見ている視界ってズレていますよね。たとえば「短期か長期か」という時間軸、「一部か全体か」という空間軸、いろいろなレベルでズレていきます。
「どちらが大切か」ではなく「どちらも大切」だと思うのですが、このズレを解消しないままだと、組織の中に誤解と不信が生じてしまいます。
逆にこのズレを解消し、みんなが同じ視界で同じ方向を向いて進んでいくことができれば、とてつもない力が発揮されます。
そのためにやるべきことは
ミッション・ビジョン・ビジネスモデル・戦略・戦術に一貫性があり、みんながそれらを理解して、やるべきことが明確になり、モチベートできるようにすること。
スケールアップするため、原動力である事業資金を、最も有効な戦略・戦術に重点的に投資していくこと。
の2つです。
これらを実現するためのメソッドとして弊社が独自に開発した経営マネジメント理論が「Scale Model」です。
Scale Modelでビジネスモデルを数値化することで、PDCAサイクルを回し、事業をよりスケールアップさせることができます。
現在、このメソッドをより簡単に実際の経営に導入できるようにするためSaaS「Scale Cloud」の開発を進めています。
世の中の新しい常識となり、それが後世まで続いていく
-- 今後の目標や何か想い描いていることがあったら教えてください。
日本企業の圧倒的多くはベンチャー企業・中小企業であり、これらの企業が日本を支えているといっても過言ではありません。実際、多くのイノベーションもこういった企業から生まれています。
Scale Modelという、私たちにしかできない、私たち独自の経営マネジメントメソッドが、Scale CloudというSaaSの広がりとともに、世の中の新しい常識となり、それが後世まで続いていく。
そして、ベンチャー企業・中小企業のスケールアップを実現し、そういった会社が持つ素晴らしいプロダクト・サービス、そしてイノベーションが日本のみならず全世界に広がり、日本、そして世界の発展に寄与すること。
これが私たちのミッションであると考えています。
【あとがき】
フランス滞在中にもかかわらず、長時間のインタビューにお付き合いいただきありがとうございました。
現在、ビーワンカレッジではシステムの内製化にともない、開発チームを盛り上げてくれる仲間を募集しています。
少しでも興味を持っていただけた方、一緒に働きましょう!
お気軽にご連絡ください。
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