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三角形もあれば円もあるプロジェクトで、常に自然体でメンバーや顧客に向き合う

アバナードでは、プロジェクトマネジャー(PM)やデリバリーリード(DL)が、営業と共に顧客への提案からメンバーやスケジュールの管理、キックオフから納品まで、プロジェクトベースで進められます。

「アバナードならではのソリューションを組み立て、展開できる面白さがある」

豊富なプロジェクト経験とマネジメントスキルを活かし、常に自然体でメンバーや顧客に向き合う丸田浩子さんに、アバナードの面白さ、PMとしての心構えを語ってもらいました。

丸田 浩子(まるた ひろこ)AIプラクティス プラクティスリード ディレクター  大学は工学部出身。卒業後は通信系に強いSIerに就職し、エンジニアからキャリアをスタート。26歳でプロジェクトリーダーを任され、開発も続けながらプロジェクトマネジメントを担当。以降、IT業界での経験の8~9割は管理職を務める。現在は、複数プロジェクトのプロジェクトマネージャーやデリバリーリードを兼務。Microsoft Azure クラウド環境を使って、顧客のIoT推進に関わる。

プロジェクトを通じて、様々な業界の顧客と接することができる会社を探していた

──丸田さんは、これまでのプロジェクトの大半でプロジェクトマネージャー(以下、PM)を経験されたそうですが、アバナードに転職したきっかけは何ですか?

PMといっても、会社やプロジェクトによってその役割は様々です。前職ではどちらかというと、PMは完全な管理職。メンバーとお金の管理をしていればよいという方針で、プロジェクトも多数抱えていました。

一方で、顧客と対話するのは、契約時やトラブルの時だけ。それぞれのプロジェクトの本当の課題は何か、クライアントはその技術で満足しているのかをじっくり考える時間も機会も少なくなっていったのです。それは私が目指すPMではないと悩み、他社のPMはどうなのだろうと関心を持つようになりました。

エンジニアの中には他の人が目に入らないくらい開発にのめり込む人もいますが、私はまったく逆のタイプ。チームメンバーの進捗状況や顧客対応などを担当することも多く、自分は開発業務よりもプロジェクト管理のほうが向いていると思っていたからです。

いくら優秀な開発者が揃っても、プロジェクトは成り立たない。誰かが進捗管理や顧客との調整、チームマネジメントをしなければ、プロジェクトは前に進みません。だったら私がプロジェクトのマネジメントをやろうと考え、徐々に切り替えていきました。

私は特定の技術のスペシャリストではありませんでしたが、技術から完全に離れてしまうのは嫌でした。プロジェクトを管理しながら、様々な業界の顧客と接することができる会社はないかと探していた矢先に、アバナードに転職した知り合いから声をかけられました。

アバナードは当時社員300名程で、採用に注力していた拡大期。「これからはPMの需要も増えてくるし、丸田さんに合ったプロジェクトスタイルだと思う」ということで誘っていただきました。自分のことをよく理解している人から後押ししてもらったことが、大きなきっかけとなりました。

アバナードのPMとして、最も成長を実感できたプロジェクトの経験

──実際、アバナードに入社してみていかがでしたか

アバナードでは、PMやデリバリーリード(DL)が、営業と一緒になって顧客への提案からメンバーやスケジュールの管理、キックオフから納品、お金の交渉まで、プロジェクトベースで進められます。

PMはその全体に責任を持つ位置付けなので、プロジェクトメンバーとも密にコミュニケーションを取り、顧客が今困っていることをきちんとヒアリングする。技術スキルの高いメンバーが多いので、顧客課題を解決するために必要な技術についても議論できる。アバナードならではのソリューションを組み立て、展開できる面白さがあります。

──アバナードのPMとして、最も成長を実感できたプロジェクトの経験を聞かせてください

4年前に、Microsoft Azureを使ってクラウド基盤を構築する案件を担当した時ですね。プロジェクト当初は私を含めて4名のチーム。他のエンジニア3名はクラウドに関する高い技術スキルを持つメンバーでしたが、管理者がいなかったので私が加わることになったのです。

最初は小規模な案件だったのですが、エンジニアメンバーが質の高い構築をしたことに加えて、私が務めた進捗管理やその都度作成した報告書、契約から納品までの全過程の管理に対して、顧客からも高い信頼を得ることができました。

それがきっかけとなり、他の案件でも引き合いが来るようになりました。徐々にプロジェクト全体の規模も膨らんでいき、プロジェクトメンバーの数も増え、若手メンバーを投入するようになりました。

経験値が少ない若手をどうしたらカバーできるのか、誰がサポートできるのかといった人的リソースの管理も行いました。一方で、プロジェクトの成果と実力を営業にアピールすることで、現在は20名以上となり、複数のクライアントに対応できるチームに成長しました。それができたのは、最初のチーム作りで役割分担がうまくできたからだと思っています。

「丸田流プロジェクトマネジメント術」の極意とは

──「丸田流プロジェクトマネジメント術」の極意は何ですか?

メンバーであれ、顧客であれ、外注先であれ、相手が今どのような想いで仕事をしているのかを知ることが基本だと思います。プロジェクトというと、PMが上にいてメンバーが下にいるピラミッド構造の三角形をイメージしがちですが、それだけではうまく回らないことがほとんどです。

もちろん経験の浅い若手メンバーばかりであれば、PMが三角形の頂点に立ち、上からリードしていくことも必要です。ところが、スペシャルな技術や経験を持つエンジニアが集まると、そうした上意下達の階層構造自体が形成しにくくなります。

それぞれが尖った人たちなのに無理に三角形を作ろうとすると、あちこちに頂点ができて五角形や星型みたいになってしまう。一体誰の言うことを聞いたらいいのだろうと、若手メンバーも不安になりますよね。

その場合はエンジニアの得意領域を分類し「この領域はこの人に聞くといい」「この人の意見を聞く時は、みんなで一緒に聞こう」というように、バランスを取りながらプロジェクトを進める必要があります。それが結果的に、技術力の高い人のモチベーションや能力を引き出すことにもなるのです。

とりわけアバナードは、尖った技術力を持つエンジニアが多いため、それを潰すようなやり方は、管理者としては避けなくてはなりません。その場合は三角形ではなく、円をイメージし、自分が円の中心に入って全体をコントロールする。チームをバランスの取れた円にするために、PMが全方位的に気を配ります。

このように、それぞれのプロジェクトを成功させるためには、PMはどこの位置に立つのが最適なのか、常に考えるようにしています。

──メンバーそれぞれのスキルセットやそのレベルを把握し、それを実現するためにはどうしたらいいのでしょうか?

そこは「私一人ではできない」という前提に立っています。メンバーの技術力を測るためには、より技術力の高いメンバーに「コードレビューや設計レビューをしてほしい」と、助けを求めます。

「この人はこの領域は強いけれど、こちらの分野はまだ経験不足」というように、技術力の高いメンバーの観点でチェックをしてもらった上で、「弱い部分」については本人とも会話します。本人から「そこは自覚しています。伸ばしていきたいです」という答えが返ってきたら、それが経験できるプロジェクトや役割にアサインするようにします。

その人の弱い部分をチームとしてはどうサポートするか、そのためにはリードエンジニアはどう動いたらいいか、そういうことも考えます。一人ひとりを生かしつつ、プロジェクト全体としてのパフォーマンスが出るようにする。その調整はこまめにやるようにしています。

PMとして、メンバーと助け合うようにヘルプシーキングを心がける

──PMとしてのリーダーシップを発揮されている一方で、チーム内の雑用も率先して引き受ける方だとも伺っています

PMの管理とは、メンバーが開発に集中できる環境を作ることが一番大切だと思っています。例えば、 進捗報告の資料まですぐに手がまわらないという人がいたら、資料の大枠を作って「ここの内容を埋めてね」とお願いします。

そもそも自分では、雑用だとは思っていません。長い目で見たらギブ&テイクですし、お互いにサポートし合える関係性であることが重要なのです。 顧客とのミーティングも、私が会議をファシリテートします。もちろん、いずれPMになりたいというメンバーには、場数を踏んでもらう意味で任せることもあります。個々のメンバーと顧客に信頼関係が築かれるようになったら「ここからは彼が説明します」というように話を振るようにしています。メンバーの成長や顧客との関係を考えながらですね。

──PMは営業と一緒に顧客と接して、要件定義だけでなく、工数やコストについても考えなければなりません。顧客との会話ではどんなことに気をつけていますか

私がいつも気をつけているのは、担当している顧客から常に「意見が拾える立場にいたい」ということ。どのようなコスト感でサポート体制を求められているのか、このプロジェクトがどのくらい続きそうなのかなど、会話の中からちゃんとピックアップできるようにしています。

それもあらたまった会議の場だけはなく、立ち話のようなラフなミーティングの中でも顧客の意見に耳を傾け、関係性を維持することは、とても大切なことだと思います。

──丸田さん自身は、最新技術のトレンドや現在のクライアントに最適な技術は何かなど、技術への目配りはどうされているのですか

顧客との会話内容は理解できるが、自分でコードをさらっと書くほどの最先端の技術者というわけではない、という認識は持っています。そして顧客との対話から、その課題を解決するためには、次のミーティングに誰を召集するのが適切かといったジャッジをするようにしています。

ここでも社内のメンバーにヘルプを出すことが多く「この人がこの技術に強そうだから、次のミーティングは一緒に出てもらえない?」とお願いしちゃいますね(笑)。

人を思いやることができる人間でありたい

──自分らしさを大切にするためには、仕事とプライベートのバランスをうまく取ることも重要になりますね

やはり人を相手にしている仕事なので、どんな状況になっても、人を思いやることができる人間でありたい。これはおそらく自分に余裕がないと、相手を思いやることもできないので、仕事だけではなく、自分の人生という意味でもなるべく力まずに、自然体で自分らしくしていることが大前提だと思っています。

そもそも働くこと自体を、自分らしさに気づくための活動だと思っています。仕事の中でいろいろな人の話を聞きながら、自分だけでは踏み込めない領域を知ることで、自分の興味範囲や志向、苦手なことなどに気づけるようになりました。今の仕事をしていなかったら、本来の自分を理解できていなかったかもしれません。

納期直前はやはり忙しいのですが、残業ばかりしているのかといえばそうではなく、通常は定時で帰っています。自分の作業量はもちろん、PMとしてもチーム全体のバランスを取るようにしています。

勤務時間もフレックス制なので、時間は自分である程度コントロールができるという点でも、アバナードは働きやすいと感じています。

プライベートを充実させることも、今年の私のテーマです。コロナ禍で行けなかった旅行を楽しみたいですね。大好きな京都や、まだ行ったことがない北海道など、国内旅行をたくさんしたいと思っています。


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