IT未経験者が挑んだクラウド新卒研修、3か月の記録<前編> | アジアクエスト株式会社
こんにちは!アジアクエスト 24新卒の中川と崔(チェ)です。私たちはクラウドを専門とする部署へ配属となり、3ヵ月間の部署内の新卒研修を受けました。本記事では、その様子を前編・後編の2回に分けて皆...
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こんにちは!
アジアクエスト 24新卒の中川と崔(チェ)です。
私たちはクラウドを専門とする部署へ配属となり、3ヵ月間の部署内の新卒研修を受けました。
本記事では、執筆者2名を含む、IT未経験の新卒6名が新卒研修に取り組む様子をお届けしています!
(今回は後編です)
前編はこちら
今回は本研修の集大成である仮想プロジェクト研修の様子です。
・3ヵ月間でインフラ・クラウド(AWS)の体系的な知識を取得する
・AWS Certified Solutions Architect - Associate 資格を取得する
・仮想プロジェクトを通して実務で活かせる実践力を養う
①技術書籍を使ったインプット:約2週間
②AWS認定資格(SAA)の取得:1ヵ月間
③アドバンスドハンズオン:約2週間←ここまでは前編でお届けしました
④仮想プロジェクト研修←本編の内容
<新卒研修の概要>
◇研修期間:2024/5/7~2024/7/31 (3ヵ月間)
◇新卒研修のポイント:
◇新卒研修項目と期間:
プロフェッショナルへの第一歩、新卒研修の集大成
④仮想プロジェクト研修に取組む、約3週間
この仮想プロジェクト研修は、全ての研修の中で最も過酷でした…!
<研修の流れ>
・要件確認/定義
・基本設計/詳細設計
・構築/単体試験/結合試験
・成果発表
新卒全員が緊張する中、発表が始まりました。
一通りの説明を終えたところで、デモのパートに入っていきました。
成果発表会の後には、参加して下さった事業部長や部長から、お褒めと労いのお言葉を頂きました。
発表後は打ち上げ兼懇親会
ここからが本当のクラウドエンジニアとしてのスタートです。
3ヶ月間の新卒研修の感想
アジアクエストでは、IT未経験者でもプロのAWSエンジニアの入口に立つための新卒研修を通して、短期間で成長することができます!
最後は仮想プロジェクト研修です。新卒研修生6人が一丸となって、実際の案件さながらに、先輩方をお客様に見立てて一つのシステムを作り上げていきます。
これまで個別で勉強してきたAWSの知識やハンズオンの経験を存分に活かしてアウトプットする研修の集大成です。
お客様からのご要望は
「新しいWebシステムを導入したいので、各要件を満たすシステムをAWSを利用して構築して欲しい」
というものでした。
システム構築にあたり、お客様からの要望は以下の通りです。
●期間:3週間
●要望:新規Webシステムの導入構築
●システム要件:
①LEMP(Linux/Nginx/MySQL/PHP)環境で構築すること
②リージョン単位での障害に対応できる冗長構成とすること
ただし、リージョン内での冗長化は不要
障害発生時には自動で切り替わること(復旧は手動でも構わない)
③使用するコードは必要に応じてgitで管理すること
④20アクセス/1minあたりのピーク時負荷に耐えられること
⑤費用は可能な範囲で削減すること
⑥利用していないとき(業後や土日)はAWSリソースを停止させること
●成果物:
①AWS上に構築したWebシステム環境
②基本設計書
③システム構成図
④パラメータシート
⑤テスト仕様書兼報告書
⑥成果発表会用資料
●その他:
①各フェーズでお客様と打合せを設定し、進捗状況とドキュメントのレビュー会を設定
②システム要件に必要となる確認事項はヒアリングシートをベースに質問事項を作成
③打合せの設定やヒアリング事項の確認はメールを主体としてお客様とやり取りを実施
仮想プロジェクト研修の流れとスケジュールは以下の通りです。
要件確認/定義〜基本設計/詳細設計〜構築/単体試験/結合試験〜成果発表
<研修スケジュール>
実際のシステム開発の案件で行われる過程を一通り実践します。
しかし、まだAWSを学び始めて間もない私たちがこれらを3週間でこなすというのは非常に難しく、常に頭を悩ませる日々でした。
お客様へシステム要件に関するヒアリングを実施し、システムの詳細を詰めていく要件定義の作業を行いましたが、作業開始時点でさっそく問題が発生しました。
仮想プロジェクト研修開始の最初の2日間は中川が体調不良で参加できず、1名欠けた状態からスタートしてしまいました。それに加え、要件定義でお客様にどのようなことを聞けばいいかが定まらず、有効な質問ができずにいました。
今考えると、全体をまとめて指揮するPMがいなかったため役割分担ができず、新卒メンバー間の連携が取れていなかったように思います。
3日目から中川が復帰し、PMの役割を担って全体をまとめていきました。
WBSを作成し全体のスケジュールや各工程で行うことを洗い出し、チーム内で作業の全体感のイメージを合わせました。また、役割を分担することで、それぞれが何をすればいいのかという方向性が定まりました。
しかし、最も苦労したのは打合せでのお客様との質疑応答でした。
お客様に質問し要望を明らかにすることで、どのようなシステムを構築するか決めていくのですが、最初の数日はシステム内容と関係のない質問ばかりしてしまい、システムの全体像が掴めず、なかなか仕様が決まりませんでした。
そのような状況にありましたが、質問を繰り返す中で少しずつシステム内容を定める上で重要なポイントを理解していくことができるようになりました。実際にシステム構成図を描きながら、どこが足りないのか考え、その部分を埋めるようにお客様へ質問をすることで、最終的にシステムの構成を決定することができました。
先輩がお客様役だったとはいえ、お客様を想定したビジネスメールのやり取りは初めての経験で、メールでのやり取りにおけるお作法を含め色々と指摘を受けました。ヒアリング事項を確認する際のメールのやり取りでは、資料に複数人が同じ質問を何度も記載してしまうことがあり、メンバー内で事前に資料を確認する重要性やお客様が質問に対応していただく時の負荷などを考慮出来ていませんでした。実際、お客様役の先輩は通常業務をこなしながら仮想プロジェクト研修の打合せやヒアリング事項の確認、回答について対応していただいている状況でした。また、文章で相手に確認したいことをわかりやすく伝えることはとても難しく、良い経験になりました。
最終的には、ほぼ予定通りに要件定義を終え、安堵したのを覚えています。
基本設計/詳細設計をして構築するシステムを決定します。
要件定義でどのようなシステムをつくるか決まったところで、システムの基本設計書の作成と、そのシステムに問題がないか実際に構築して確認する技術検証を行いました。
基本設計書作成グループと技術検証グループの2つに分かれ、連携を取りながら作業を進めていきました。基本設計書グループが非常に見やすいシステム構成図を作成してくれたおかげで、ドキュメントの質を高めることができました。
技術検証では、あるメンバーを中心として技術面をカバーしてくれたので、予定より早く詳細設計書の方に移ることができました。
しかし、詳細設計書を作成している途中に、書き方が間違っていることが判明しました。
最初は基本設計書と同様に文章形式でシステムの詳細を書いていましたが、本来つくるべきものは表形式で実際に設定するパラメータを記入していくというものでした。
これは、事前にどのような形式で詳細設計書を書けばよいか確認できていなかったことによるミスであり、時間がない中で一から作り直さなければならなくなってしまいました。そこから、メンバー全員で執筆するパートを分担し、急ぎながらも間違いが無いようシステムの詳細な設定を記述しました。
決められた期間の中で完了できるかギリギリのところでしたが、各自の担当パートに集中して取り組み、先に終わった人は他メンバーのパートを手伝ったりと、協力し合いながら全員で一丸となって進めていきました。その結果、予定期間内に詳細設計書の執筆を完了させ構築フェーズの作業へ進むことができました。
新卒全員の力を合わせて何とかやりきれたことにとても喜びと安心を感じました!
今回のミスから、初めて実践することやわからないことについて、細かく確認し認識をすり合わせることの重要性を学びました。それでもミスが発生した際には、互いに連携を取り合い、協力してカバーしていくことが大切だと感じました。
実際にシステムを構築し、単体試験/結合試験を実施しました。
技術検証グループメンバーが中心となって構築を行い、構築が完了したところから他のメンバーが単体試験/結合試験を実施していきます。
構築の中で、実際にシステムを作ってみるとうまく動かない部分が多くあり、その解決方法に奔走しながら試験を実施し、慌ただしく作業していたように思います。
そんな中であるメンバーから、システムに対する理解度がメンバーによって大きく異なることへの指摘がありました。
技術の面は一人に任せきっていたところがあり、それゆえに属人化が起きていたのです。
指摘を受け、新卒同士で情報共有会を開いて理解を深めたり、システムの内容を説明しながら試験を実施したりと対策を取りました。
結果、メンバーの理解度の差を埋めつつ、予定通りの日程で結合試験まで終了することができました。全体を通して、各メンバーは自分の役割に対して責任を持って最後まで取り組んでいました。上記のおかげで各作業が予定内に終了できました!
最後にアジアクエストオフィスで成果発表を行いました。
3週間に渡り、全員で努力してきた成果を発表する新卒研修の集大成です!!
発表までに練習を何度か行ったとはいえ、部署の先輩方の前で発表するとなるとどうしても緊張で手が震えてしまいました…。
誰か一人が発表をする形式ではなく、システム説明 /デモ実施/ 質疑応答と担当が3つに分かれていて、それぞれが役割を担っていたために全員緊張していました。
発表前は会話をしながら、何とか緊張をほぐしていたのを覚えています。
最初に3ヵ月間の新卒研修の概要、そして今回の仮想プロジェクト研修の内容、スケジュールや役割分担について説明しました。
次に、実際に構築したシステムの内容を説明し、要件を満たしていることを示しました。
実際にAWSのコンソールを映しながら詳細な設計内容を説明しつつ、サーバにアクセスしてWebコンテンツを表示したり、障害発生時にもシステムが問題なく動作することを示しました。
また、成果発表会には多くの方にご参加いただいたので、その場に居た参加者にもWebシステムへアクセスしてもらい、Webコンテンツが正常に動作するかの確認を取っていただきました。
このデモのパートではシステムが動作するまでの待ち時間が発生した部分もありましたが、崔くんの巧みなトークで会場を盛り上げ、場を繋ぐことで乗り切りました!
こうして、デモのパートではシステムが正常に動作し、大きな問題もなく発表を終えることができました。
仮想プロジェクト研修の3週間を含め、3ヵ月間の新卒研修の集大成を良いかたちで締めくくることができ、達成感と安堵感を覚えました。
仮想プロジェクト研修開始時点でAWS SAA資格を取得できていなかったメンバーは、この期間中に資格勉強と仮想プロジェクト研修を両立して進めていく必要がありました。そのため、メンバーによってタスクの振り分けを上手く分担できるように考慮する必要があり、とても大変な日々でした。
そのような中でもメンバー同士で励まし合いながら作業を進め、最終的には新卒全員がAWS SAA資格を取得し、仮想プロジェクト研修の成果発表も無事成功させることができました。
AWS SAA資格の取得について、3ヶ月の研修期間中に新卒全員が取得できたことは、部として我々24新卒が初めてのことだったと聞き、とても誇らしく思いました!
IT未経験で配属された新卒メンバーが、3ヵ月という短い期間の中でAWS認定資格の取得や実際にお客様の要望を満たすAWSシステムを構築できるレベルまで成長を遂げたことはとても誇らしいというお言葉を頂き、大変嬉しかったです!
発表が終わった後は、待ちに待った打ち上げ兼懇親会です!!
緊張が解け、晴れやかな気分で席につき、先輩方と話すことができました。
新卒メンバーはもちろんのこと、この3ヵ月間、研修を準備しサポートをして下さった先輩方には本当に感謝しています。
3ヵ月間で学んだことや経験したことを糧にして頑張っていきます!!
3か月間、ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。
中川:
クラウドの新卒研修を行ったのはつい最近のはずなのに、遠い昔のような感じがします。
初めてのことばかりで大変でしたが、知識や技術、心構えや案件の流れなど、学んだことが非常に多くありました。
特にグループ研修は一時期夕ご飯が喉を通らないほど疲れ果てましたが、同期のメンバーと協力して作業するのが楽しく、発表が終わった後には安心感とともに一抹の寂しさを感じました。
PMという役割に関しては、荷が重いと感じながら何とかこなしましたが、振り返ると自分にしかできないことだったのではないか思います。モチベーションとしては、人を統率することにやりがいを感じていたのではなく、場をきれいに整えたいという思考が大きかったのではないかと考えます。
プロジェクトがつつがなく進行するように、予め障害となり得るものを予測し手を打っておく。そうしておかないと気が済まない、という自分の性格的な部分が現れていたように思います。そんな自己分析のようなことも、PMを経験したからこそ気が付けたことであり、本当に良い経験ができたなと思っています。
崔:
この3ヶ月間は非常に大変なものでした。新しいことばかりで、研修スケジュールをこなしていくことに精一杯で、心が折れそうになることも多々ありました。
しかし、同期のメンバーや先輩方の支えと助言があったおかげで、何とか乗り越えることができたと実感しています。IT未経験からスタートした私にとって、知識と技術の獲得は大きな成果でしたが、それだけではありません。
技術力の向上に加えて、進捗の報告や日報の作成といったコミュニケーション能力の向上も、今回の研修で得られた重要な成果の一つだと思います。これらの経験を通じて、社会人としての基礎をしっかりと築くことができたと感じています。
「現状、IT知識はないけどエンジニアに挑戦したい! アジアクエスト受けても大丈夫かな?」と迷っている就活生の皆様、ぜひ一度話を聞きに来ませんか?
お待ちしています!