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Arentが開発した『Lightning BIM 自動配筋』がもたらす建設業の次世代化

テクノロジーの躍進によって私達はVUCAの時代へと足をすすめる中、様々な業界の概念を覆すような新サービスが多くリリースされるようになりました。タクシー業界ではUber、ホテル業界ではAirbnbなど、業界そのものの変革が流動的になってきました。そして、その足音は、建設業界にも聞こえ始めてきています。

今回は、建設における配筋関連作業を最大90%削減できる画期的なアドインを開発した株式会社ArentのLightning BIMについて詳しく解説します。

Lightning BIMとは

Lightning BIMとは、Autodeskが販売しているBIMソフトウェア、Revitのアドインになります。BIMとは、Building Information Modelingの略称で、デジタル上に作成した属性情報を持った3D建築物モデルから、設計・施工・維持管理に至るまでの情報共有を行うための革新的な活用ツールです。

これまでの構造設計ワークフローは、2DCADでは解析3Dモデルから構造計算書まで、Revitを用いた場合は、解析3Dモデルから構造計算書、2Dの伏図、軸組図、リストがデータ連携でき自動入力されていました。裏を返せば、その先にある配筋図、施工図といった手間がかかる配筋関係作業が自動化されておらず、これまで手作業で行われていたのです。

Lightning BIMを使用すれば、一貫構造計算ソフトからの情報を用いて、自動で配筋・接続・パネルゾーンの納まり検討など行え、作業量を最大90%削減できます。また、設計段階から施工レベルの詳細なモデルを作成できるため、施工時に発生する配筋関連の問題点をフロントローディングできます。
これにより、施工途中での修正を削減でき、ひいては生産効率を向上させることにも繋がります。


さらに、設計と施工業者間の配筋調整・納まり検討のフィードバックも円滑に行えるため、お互いのコミュニケーションストレスも軽減できます。

Lightning BIMの革新的技術

前章でザックリとLightning BIMの概要に触れたところで、本章ではその革新的な自動化技術の内容について触れます。Lightning BIMの革新は以下の3つになります。

● 躯体の配筋情報から自動3Dモデル化を実現

● 接合部や端部のペア設定により簡略化

● 干渉を回避した自動配筋

それぞれ詳しく解説します。

躯体の配筋情報から自動3Dモデル化を実現

躯体モデルにRevit標準機能で構造図を見ながら鉄筋を入力していたため、特に端部と中央部の本数の違いによって初期情報の入力に時間がかかっていました。

しかし、「Lightning BIM 自動配筋」を用いれば、鉄筋情報から鉄筋モデルを自動構築し、配筋の納まり検討工数を90%削減することができます。


接部や端部のペア設定により簡略化

このアドインでは、これまで1本ずつ行っていた鉄筋の接続や端部に関する作業を、部材ごとにペア設定、端部設定することができます。これによって、自動で接続や曲げ定着を行うことができ、パネルゾーンの躯体ペア情報に基づいた接続、端部のフック定着などが自動化されます。


干渉を回避した自動配筋

Lightning BIMは単なる自動配筋を行うのではなく、一定の設定に基づき干渉を回避した自動配筋を可能としました。これは、業界初の技術(スマート配筋)であり、干渉チェックのみ可能であった技術から、お客様のご要望をうけ、進化させた技術になります。


「建設品質。」を理念とする佐藤工業にも導入

Arentが開発したLightning BIMは、2022年6月23日、総合建設業の佐藤工業株式会社に導入された。佐藤工業は、もともと鉄筋専用のCADでゼロから配筋検討を行っていたこともあり、導入による自動化によって、それら作業時間の短縮の実現に向けたものです。

業界スタンダートを変えるLightning BIMが導く未来の建設業界

Lightning BIMは、単なる鉄筋自動挿入アドインでなく、業界の働き方・業務フロー・常識を大きく変える先進ソフトとなります。

従来の鉄筋業務フローは、まず、構造設計者がゼロから配筋を考えます。

次に、現場担当者が構造図をもとにゼロから図面を起こし納まりを検討します。

最後に、請け負った鉄筋業者がまたゼロから鉄筋を図面化し、施工図、加工図などに落とし込むといった断絶的なフローを経ていました。

Lightning BIMは、この断絶された各工程をデータで一元管理し、同じデータを用いて鉄筋組み立てまで繋げることを目指しています。

職人不足、ゼネコン社員不足が問題となっている建設業界。

若手社員が書いた鉄筋納まり図を誰にもチェックしてもらえず、いざ組もうとしてかぶりが足りない、干渉している、ということもしばしばあります。しかし、かつては職人が現場ごとに鉄筋の検討を行うことや、若手社員がいる現場では先輩社員から現場管理や図面の読み取りなど丁寧に教えてもらうことができていたのです。

それも人手不足によって余裕がなくなり始めています。

そんな中、このソフトでは、ワンクリックで鉄筋の干渉、かぶりやあき不足をチェックし、納まり検討で鉄筋を動かす際には、最小かぶりが確保できなくなると警告で知らせてくれます。

いわばLightning BIMがOJTしてくれるのです。

このように、これまでの在り方を刷新し、建設業界の未来を明るくするツールこそ、Lightning BIMシリーズの第一弾、自動配筋だったのです。

Lightning BIM 公式サイト:https://lightningbim.com/

執筆協力:渡部剣太


■最後に

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