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博士出身の私がソフトウェアで世界を変えたい理由

本日は千代田化工建設株式会社と株式会社Arentのジョイントベンチャーである、株式会社PlantStremでCo-CEOを務める織田岳志に話を聞きました。

博士出身の織田にぜひ注目ください。

——— 学生時代に学んだことは?

宇宙の研究です。理学部、ノーベル賞研究者といえば、東大よりも京大だろうと当時は思い込んでいました。そこでは宇宙物理学を学んでおり、観測的宇宙論と呼ばれる分野の理論的な研究をしていました。

——— 博士号取得後、研究職に残らず、一般企業のCADの世界へ飛び出したのはなぜですか?

研究者としての能力に限界を感じたためです。

ポスドク問題と言われる、優秀な博士号取得者でも、長期間に渡って非正規雇用の形で研究を続けることになる問題があります。まわりにいる優秀な先輩が、ポスドクとして何年も不安定な立場で研究を続けている姿をみて、

「自分の能力であの人達と競争して勝ち残っていけるのか?」

「その厳しい環境の中で、自分が熱意をもってあと20年30年と研究をつづける覚悟はあるのか?」と考えたときに、ポジティブな結論に至らなかったのが大学に残らなかった一番の理由です。

また、学問の外の世界に触れる機会があったのも一つの理由だったとも思います。当時仲がよかった同期に、アウトリーチ活動を積極的に行っている人たちや、起業して会社経営をしていた人がいました。その友人たちと話をしたり、また一緒にアウトリーチ活動を行う中で、研究以外のところでも自分の強みを活かせるのではないかという気持ちになっていたのもあるような気がします。

CADの世界に入ったのは本当にたまたまです。

それまで一切就職活動というものをしていなかったので、ダメ元で手当たりしだいに、分野は本当に限らず本当にいろいろな企業の採用を受けました。その中で、縁があり内定をいただけて、カルチャーがあうような気がすると思った企業が、CADのソフトウェア開発をしていた企業だった、というのがこの世界に入ったきっかけです。

——— 現在開発に携わっているPlantStream®︎が、市場にある他の 3D CAD と比較して優れている点についてお聞かせください。なぜ、このソフトウェアが石油・ガス会社にとって最適なのでしょうか?

市場にある 3D CAD は、最後の施工につながる設計をカバーしなければなりません。そのため非常に細かな機能が豊富にあり、「なんでもできる」ものになっています。なんでもできるのですが、設定や豊富で複雑な機能になってしまい、プロ仕様のソフトウェアになってしまいます。実際、現場の多くのプラントエンジニアとよばれる方たちは、データを見て良し悪しは判断できますが、自分でデータを作成できる人はごく少数です。ここがDX、IT化の大きな障壁であり、ニーズがあります。だれでも適切な精度のデータを簡単につくることができる、この点がPlantStream®︎の強みであり、現在市場にある 3D CAD との一番の違いです。

石油、ガス会社に限らず、プラント建設には大きなリスクが伴います。そのリスクを早期に軽減できるところが、このソフトウェアの魅力となっています。

また、早期に誰でもが簡単に3D データを作成できるようになることにより、これまでの設計フローを変革し、より効率化できるようにもなります。

——— 上流工程のaspentechやP&IDのソフトウェアとの関係を教えて下さい

これまでは上流工程のソフトウェアと、3D CAD の連携には大きな課題がいくつもあり、うまく行っている例はあまり多くありませんでした。PlantStream®︎は、この架け橋になるソフトウェアです。

——— 競合ソフトウェアとの違いを教えてください

同じ自動ルーティングとよばれる機能を有するソフトがありますが、その機能の使い方や、ソフトウエアの根底にある思想が大きな違いであると感じています。

千代田化工建設の現場にあって競合ソフトウェアでは解決できなかった問題であったり、千代田化工建設の業務改善、DXに対する考え方を取り込んだソフトウエアですので、より設計の現場に寄り添ったソフトウエアになっていると感じています。

——— 他のプラント 3D CADとの関係を教えてください

従来の 3D CADは、実際のプラント製造ではなくてはならないソフトウエアであり、ある意味では、プラント製造の基幹システムの一つです。

ただ昨今のSaaSの隆盛をみていてもそうですが、1つの巨大なシステム、ソフトウエアが全てを網羅できるというわけではなく、専門性の高いソフトウエアがお互いに連携することが重要になってきます。PlantStream®︎は、同じ3D CADと分類されてしまうソフトウエアですが、従来のCADでは、解決しにくかった問題に特化して使用するソフトウェアですので、お互い補完する関係になると思っています。

——— 将来的にPlantStream®︎がどのようなことを実現することを望んでいますか?特に、深刻な変化の時期にある石油・ガス会社にとって、どのようなことを期待していますか?

プラントの建設は、いかに建設期間を短縮し、建設コストを下げるところに課題があります。とくに一つ一つのプラントが巨大で、計画から操業までが非常に長期になる石油、ガスではその傾向が顕著です。

ただし現在の設計や建築フローでは、これまでにも細かい改善がたくさん行われてきており、劇的な改善は難しい状況でもあります。

この一種の膠着状態から抜け出すためには、これまでの延長線上にない、工程の劇的な変化が必要になると思っています。PlantStream®︎はその起爆剤になり、その中核になりえる可能性を秘めていると感じています。

——— PlantStream®︎の開発にはArentの数学力が生かされているということですが、具体的にはどういった側面で数学力が生きているのでしょうか?

非常に抽象的な回答になってしまいますが、さまざまなバックグラウンドを持った人間が新しい世界の情報に触れることにより、革新というものはうまれやすいのではないでしょうか。

数学であったり、計算機のアルゴリズム等に明るい人たちが、これまで縁がなかったプラント設計の世界のプロフェッショナルと相交えることにより、これまで見えなかったものが見えるようになる。これまで暗黙知になっていたものが、言語化や、形式知化できるようになるというということだともいます。

とくにプラント設計の世界は、複雑な物理現象と密接につながった世界ですので、設計のプロフェッショナルがもっている設計の感覚、暗黙知を言語化するのに、弊社のメンバーがもっている「数学力」が親和性が高かったのだとは思います。

——— 千代田化工建設の熟練エンジニアのノウハウをアルゴリズム化する上での苦労話などを教えて下さい。

配管エンジニアにお話をうかがっていたときに、「ねぇ君たちこのコップに入った水の飲み方を説明しろっていわれてできる?プロの配管エンジニアは、水飲むのと同じ感覚で設計してるんだよ」といわれてしまうことがありました。自分たちの知識の無さ、質問の大雑把さが問題だったのです。しかしその後、より知識を深め、詳細な質問をしていくと、実はその裏には、物理的な理由であったり、施工や運転時にこうなっているといいという経験によるノウハウだったり、設計の奥の深さを知ることができました。そしてこのエンジニアの方はPlantStream®︎の一番の理解者にもなっていただくことができました。

しっかりとノウハウを聞き出すためには、しっかりと基礎知識をみにつけ、その分野の専門用語を使えるようになる必要性を痛感したエピソードです。

——— なぜArentやPlantStreamは、技術力に優れた優秀なエンジニアを採用できているのでしょうか?

やはり一番大きいのは、優秀なエンジニアのいる会社に優秀なエンジニアは集まる。ということだと感じています。

また技術力だけでなく、素直さというような「いい人」の観点も見て、カルチャーにフィットするかという点も重視しているところも影響しているとは思います。

ある総務のメンバーには、「優秀なエンジニアが多いというので入る前はすごく怖かったんですよ。理詰めで問い詰められたりしたらどうしようみたいな。でも入ってみて逆の意味でびっくりしました。みんないい人で」というふうに言われたこともあります。

プロダクトという観点からみますと、(特定の技術をベースにしたプロダクトというわけではなく)ユーザーの課題をベースにしたプロダクト開発をしているところが、ある種の技術者に魅力的に見えるという点はあるのかもしれません。

また PlantStream®︎は、ソフトウエアの世界で日本から世界を変えるという点も魅力だと思っています。まずは国内からというスタートアップがほとんどですので、いきなり世界に打って出るというのは非常にやりがいがあります。

——— PlantStreamの目指す理想の世界を教えて下さい。

Arentの理念とも重なりますが、 PlantStream®︎をつかうことにより、プラントエンジニアが創造に注力できる世界にしたいと思っています。

PlantStream®︎の開発をすすめることにより、プラントエンジニアが頭の中に思い描いているものを、すぐに見える化でき、お互い同じものをみながら議論をし、よりよいものを作る世界そんな世界がすぐに来ると思っています。


Arentは「暗黙知を民主化する」というミッションのもと、エンジニアを中心としたメンバーで業界の課題解消に取り組んでいます。今すぐ転職をお考えでなくても構いません。
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