明治13年から約150年の間、七宝業界を牽引してきた安藤七宝店。時代の流れとともに「七宝焼」に馴染みのない方が増えていることに危機感を覚え、老舗企業の責務として高度な技術を守り、高い品質と安定した生産を実現するとともに、長く培われてきた七宝技術を後世に伝えていく環境づくりに努めています。「愛される七宝を、この時代にも」。多くの方にこの想いを伝えるため、七宝焼だからこそ生み出せる価値をさまざまな角度から知るサイトを目指しました。
企業らしさを包括的に定義する「ブランド・アーキタイプ」を用いて安藤七宝店を紐解き、どのようなコミュニケーションをとるべきかを定めました。 分析は「ブランドの魂の探索」と「ブランドの実体の探索」の2ステップで実施しました。「ブランドの魂の探求」については、100年史を元に過去を紐解き、創業者の精神や過去のコミュニケーション、顧客との関係性などを洗い出しました。「ブランドの実体の探求」については経営者である社長、お客様と直接コミュニケーションをとっている店舗販売員、七宝焼の技術を継承して製作を行なっている職人の3つの視点からヒアリングを行い、創業当時ではなく、現代においても真実味があるかを検証しました。 これらの分析で導かれたブランド・アーキタイプをコミュニケーション方針の軸にしたことで、サイト構成や情報の取捨選択、表現のあり方に至るまですべてに一貫して「安藤七宝店らしさ」を表すことができました。
「安藤七宝店らしさ」の発信のターゲットは個人のお客様だけでなく、コラボレーターになりうる法人様も含んでいます。これは、七宝焼の可能性を感じ、表現素材として七宝焼を用いてもらうことで、この時代に受け入れられる七宝焼を後世に伝える環境づくりのためです。 世の中に対して安藤七宝店の姿勢や存在価値などを想いとともに表現するため、新たにステートメントコピーを掲げました。
七宝焼だからこそ「生み出せる価値」をさまざまな角度からプレゼンテーションすることで、制作プロセスの中で特定したブランド・アーキタイプを活性化させるような構成のWebサイトにしています。 七宝焼の表現手法としての可能性を感じてもらうため「様々な表現技法」「釉薬の色彩表現」で七宝焼そのものの持つ美しさや貴重な技術を伝え、さらに「製作事例」で具体事例をみせることでインスピレーションを刺激します。これらによって七宝焼がどんな特長を持った伝統工芸なのかを訴求しています。
また、技術継承の風景を描く「伝統技術と作り手」では、未来に技術を継承していくために安藤七宝店が行なっている取り組みを深く理解していただくことを狙っています。七宝焼の作業工程を動画で見せることで長年培われてきた職人技術の精巧さを感じていただくだけでなく、熟練の職人と若手の職人が語るインタビュー記事によって七宝焼の貴重な技術が未来に受け継がれていることを感じられる構成にしています。
七宝焼は海外の方にも日本の伝統工芸品として人気があるため、国内外からの高速アクセスをかなえるWebホスティングサービス「Vercel」を用いた実装を行いました。これまではサーバの物理的な距離によって海外からのアクセスはページ表示に時間がかかっていましたが、「Vercel」へ移行したことによりどのエリアからも素早いページ読み込みが実現できるようになりました。
戦略・企画から表現まで、クリエイティブの領域を拡大したい仲間を募集しています
当社は、さまざまな業種の上流工程からプロジェクトに参加しており、新規から運用まで、UXリサーチに基づいたUIデザインの提案や、企業ブランディングのご相談、ビジネスをグロースためのコンサルティングも含めたWebサイト運用など、幅広い案件があります。
当社プロジェクト事例
年々クライアントから求められる品質も高くなり難易度が上がっていきます。その期待を超えるために、こうした機会が私たちの成長に繋がっていきます。クライアントと一体となってアウトプットを送り出すチャンスを手にできる制作会社はそんなに多くありません。だからこそ日々業務の中でも「いいモノをつくる」というマインドを大切にし、今あるものに満足するのではなく、視座を高く「理想へ背伸びをする」という姿を目指しています。
「公式note」では、「空気感」や「人」を中心に紹介しています。
いっしょにプロジェクトをすすめる仲間のこと、みんなが考えていること。
多様な価値観やスキルに触れながら、組織の雰囲気が伝わると嬉しいです。