アマナで実施されている「新人撮影研修」が、株式会社ラーニングエージェンシー主催のラーニングイノベーションアワード2022<新入社員育成の部>を受賞しました。研修プログラムの内容とそこに込められたアマナの人材育成の想いを紹介します。
クライアントワークを一気通貫で体験
新入社員研修には様々な内容の研修がありますが、アマナではプロデュース部門配属の新入社員の集合研修の一環として【撮影研修】というユニークなブログラムを実施しています。
従来も様々な趣向を凝らした研修を実施しておりましたが昨年からは内容を変更、その背景には3つの事象があります。
1つは、コロナの影響による出社制限や撮影スタジオの人数制限などで、新入社員が現場で学べる機会が減少していること。もう1つは、社内のつながりを増やし今後の業務に役立てること。さらにもう1つは、アマナが提供するサービスの拡大とクライアントの多様化です。アマナはビジュアル制作で数多くの実績がありますが、昨今では広告撮影に加えて、SNS施策、ブランディング、インナーコミュニケーション、コンテンツ管理までサービスが多岐にわたり、様々な業界の企業との直取引が増えていることから、企画・制作・納品までを一気通貫で体験する場が必要だったのです。
2022年度の新人撮影研修では、先輩社員がメンターとなり4チームのグループワークで実施。案件のクライアントであるアマナ人事部からの依頼で、2023年に入社する内定者に向けたメッセージビジュアルカードを納品するという設定で、配属直後の6月23日から9月16日の間に週1日のペースで集まり、延べ10日間かけて研修を行いました。
撮影の企画や実施に加え、コピーライティングと印刷の工程を加え、より制作と納品が体験できる研修にしました。
内定者にアマナの仕事と思い伝えるアウトプット
研修は実務さながらに、アマナのクリエイター(クリエイティブディレクター、アートディレクター、フォトグラファー、レタッチャー)がアサインされ、クライアントからのオリエンテーション、企画会議、コピー制作、カンプ制作、撮影・レタッチ、印刷加工を進めていきます。ここで先輩プロデューサーが指導するのは、オリエンの心構え、クリエイターとのやり取り、会議の進め方、撮影での立ち回り、印刷物の見方、クライアントとクリエイターのつなぎ方など。新入社員たちはプロデュース業務の心得を学びながら、メッセージビジュアルカードを作り上げ、アマナ人事部に納品しました。
納品物の完成度の高さにも目を奪われます。プランニングの時点から、新人が絵作りのアイデアを出し、それをクリエイターが本気でブラッシュアップ。4グループ4枚のカードはセットにして後輩となる内定者の元へ届けられました。内定者の皆さんにも喜ばれ、10月の内定者オリエンテーションの際、新入社員が登場してカードに込めた思いや制作過程などの裏話をしてくれたことで、アマナの仕事や自分に近しい先輩たちの想いを知ることができたようです。
↓ 制作したメッセージカード
4チームそれぞれ、とても素敵なカードに仕上がりました。内定者にも大好評!
業務と地続きの研修で自己実現をバックアップ
アマナの教育研修では、業務と学びの場が地続きになることを大事にしています。特にプロデュース業務においては、関わる内容が多岐に及ぶため、 全体を俯瞰して判断をする力が求められることや、専門的な知識やスキルも必要とされることが挙げられます。これらを身につけるためには、業務で実践を積みながら学びの場で体系的に理解し、またそれを業務の場で実践してみる…といったサイクルを作ることで、必要な知識やスキルが定着、そして成果として顕在化することで、それぞれの競争力になっていくと考えています。これは業務を通じて自らをアップデートしていく、自己実現のプロセスにもあたります。
今回アワードを受賞した新人撮影研修を含む新人研修全体の枠組みで見ると、入社後1週間の集合研修で全職種の新入社員が顔を合わせた後、プロデュース部門の社員は、各部署をローテーションして週3日のOJTと、週2日のオンライン集合研修を並行して行います。業務知識、商流、サービスなどを講義しますが、座学で「わかる」ことと実際に「できる」ことのギャップを実感し、次のアクションへつなげるための研修が、撮影研修だと言えます。配属部署で4日は業務をしながら、週1日で撮影研修を行うことで、業務と研修が地続きになります。
実務は本番なので失敗はできませんが、だからこそ研修は失敗してもいい場所として前向きにチャレンジして、その経験を配属部署での仕事に活かせればいいと考えています。撮影研修後、新入社員に研修時の経験から「分からないことや行き詰ったときは放置せず、その日のうちに解決する」という声に、その成果が表れていると思っています。
これからも多様な人材が、学び合える研修を
研修は双方が学び合う機会である。アマナでは、この思いを持って研修を企画しています。新人撮影研修には総勢20人以上の先輩プロデューサーとクリエイターが参画してくださいました。新入社員の各グループに2人ずつ付いてくれた先輩プロデューサーは、後進育成への思いがある次期リーダー層や、社内ネットワークを広げたいという若手社員を、各部門の上長から推薦を受けてアサインしました。「撮影業務を体系的に伝える経験ができた」などの声が聞かれ、先輩プロデューサー側も目的を持って取り組めたと思います。またクリエイター側からも「新たな関わりを持つことができた」という声もあり、社員同士がつながるよい機会にもなりました。
新人撮影研修は、様々な形で実施をしてきましたが、ビジュアルの印刷まで行い内定者の手元に届けたのは今年が初めて。各部署やクリエイターを巻き込んで、華やかなアウトプットになり、アマナのクリエイティブ力が活かされた研修になりました。多様性と総合力があってこその今回のアワードの受賞です。これからもアマナならではの研修にご期待ください。