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知りたいことがすぐにわかるから仕事が進む。社員のパフォーマンスを上げるオーリーズの社内ポータルサイトとは?

社内のさまざまな情報とアプリケーションを集約する社内ポータルサイト。組織の情報共有やパフォーマンス向上に欠かせない存在です。一方で、共有する情報が多くなるほど「どこに書いてあるのかわからない」「最新の情報かどうかわかりづらい」といった課題を感じる方も多いのではないでしょうか?

今回は、オーリーズ内でも「見たい情報がすぐに見つかる」と好評の社内ポータルを生み出した中村さんにインタビュー。社内ポータルサイトが誕生した経緯や制作のこだわり、気になるメンテナンス事情をお聞きしました。

2018年2月に一人目アシスタントとしてオーリーズに入社し、アシスタントチームの立ち上げを経験。社内のあらゆる困りごとをアシストしながら、社内ポータルサイトの制作・運用管理を担う。入社7年目の現在、ストラテジスト職に転向し、新たな挑戦を続けている。

最短距離で情報にアクセスしたい。社内ポータルサイト誕生の経緯

ー とくに新入社員からは「見たい情報がすぐに見つかる」という声がよく聞こえてくるオーリーズの社内ポータルサイトですが、どのような経緯で誕生することになったのでしょうか?

副社長の足立さんが、社内に蓄積された広告まわりのナレッジを社外にアウトプットするためのツールとしてNotionを採用したことがきっかけでした。社内で管理していたナレッジ記事をNotionへリプレイスする作業をアシスタントチームでお手伝いすることになったので、それをきっかけにNotionについて少し調べてみたんです。

すると「すごく便利なツールだな」とだんだんと興味が湧いてきて……。Notionを使ったら他にどんなことができるのか、個人的にもNotionの便利機能や活用事例の情報収集を始めました。そんな中、たまたま見つけたのが「Notionで社内ポータルサイトを作った」という企業の事例。それを見て「オーリーズでも社内ルールをNotionにまとめたら便利なんじゃないか」と思いついたんです。それで、足立さんに「これやりたいです」と直談判。快く許可をもらって社内ポータルサイトづくりが始まりました。

ー 当時の社内情報のまとめ方に課題感を持っていたのでしょうか?

そうですね。もともとオーリーズには情報共有の文化があったので、探せば情報を得られる環境ではありました。しかし、同時に「探さないとなかなか見つからない」「情報が散らばっている」という側面もあり、そこにストレスを感じていたんです。

担当プロジェクトの作業データといった毎日使うものへのアクセスには困っていませんでしたが、中にはアクセスがスムーズではないデータも多くて……。誰もがその時に求めているデータに「最短距離でアクセスできるようにしたい」という想いを持っていました。

テーマは「シンプル」。誰でも気軽に触れるポータルサイトを目指した

ー 感じていた課題を自ら解決するために動き始めたんですね。社内ポータルサイトは中村さん一人で制作したんですか?

スタート時は、私の他に有志のメンバー2人が手伝ってくれました。3人で集まって「こういう機能がある」「こんな使い方がある」と情報共有し合ったり、リリースする前に最低限のルールを検討したり。そうして簡単な要件を固めた後の作業は基本的に1人で行っていました。

ー 今でこそNotionの知見はあちこちに転がっていますが、当初はあまり情報もなかったですよね。大変なことも多かったのではないでしょうか?

そうなんです。今ではNotionも日本法人(Notion Labs Japan 合同会社)ができていますが、私が社内ポータルサイトを作り始めた当時は、公式ヘルプも当たり前に英文。日本語に翻訳しても直訳的な表現が多くて、どこまで信じていいか不安でした。

とくに不安だったのはセキュリティ面です。個人利用ではなく、組織単位でNotionを使う場合にどんなところに気を付けるべきなのかの情報はあまりなく、不明点も多かったんです。Notionは外部にもページを公開できる仕様ゆえに「社外秘が勝手に公開されてしまう」ケースもなくはありません。わざとでなくても手違いでクライアント情報が記載されたページを公開してしまうリスクもあるので、その辺りをどうするべきかは悩みました。

最上位プランであれば監査ログ機能があったりするのですが、自社で採用しているプランではNotion自体の機能に頼れない部分も多くて……。そういった制約がある中でリスクを最大限回避するための対策を考えました。そのうちの一つが今もある「外部共有している場合は、ページトップに<外部共有>と明記する」というルールですね。「共有設定」機能を開かなくても一眼見ればわかるようにしたり、フル権限を持つメンバーを限定して安易なゲスト追加を回避したり。そういう細かい部分はかなり気にしました。

ー 全社的に使うものだからこそ基本的な部分まで気を配る必要がありますよね。社内ポータルサイト制作にあたって、中村さんがこだわったポイントがあれば教えてください。

見出しやデータベースを使い分けて、トップページからのアクセスのしやすさ、情報の見つけやすさを意識しました。また、難しい機能を使ったり作り込みすぎたりすると、みんなが触りにくくなってしまうと思ったので「シンプルさ」にもこだわって作りましたね。

Notionには便利な機能がたくさんあって、個人的には「この機能使いたい」というものも多かったのですが、それを全体最適にするのは難しいなと。複雑性が増して、使われなくなる事態を避けるためにも「誰でも気軽に触れる」ポータルサイトを目指しました。

▲複雑さを排除したシンプルさがこだわり

ー せっかく作っても使われなければ意味がないですもんね。「形骸化」をさせないための取り組みも行っていたのでしょうか?

リリース後にはNotionの布教活動も積極的に行いました。社内の勉強会で「Notionの使い方講座」を開催したり、個別に「もっとこうすればよくなる」といったNotionコンサル的な動きをしてみたり。長くきちんと使い続けてもらうために重要なのは「やってあげる」ことではなく、みんなが「使える」ようになることです。とくに、導入初期の頃はNotionに不慣れなメンバーのお手伝いを率先して行っていました。

定期的なアップデートで「見やすさ」「わかりやすさ」を維持

ー ポータルサイトは作って終わりではなく、そのメンテナンスも大変だと思います。最近も少しアップデートしましたよね。

そうなんです。しばらく運用してページが増えてくると、今度はページごとのばらつきが気になるようになって……。やっぱり書く人によって書式や内容の濃淡が違うんですよね。そこを一度テコ入れしようと思って、誰がページを追加しても同じ内容になるようなテンプレートを作成。アシスタントメンバーにも手伝ってもらって、過去記事を新しいテンプレートに転記をし直して、すべての社内ルールが同じ仕様で記されている状態にアップデートしました。

また、今回のアップデートでは、全ページに「誰がページの管理者なのか」が一目でわかるプロパティを追加。記載内容に疑問を感じた時にページ管理者に直接問い合わせができるようにしました。

ー たしかに、誰に聞けばいいかわかりやすい方が安心できますね。

とくに入社したばかりの人は「この内容が合っているのか」と疑問が湧いても誰に聞けばいいかわからないですよね。チューターやマネージャーに聞いても誰も答えを持っていなくて「たらい回し」にされたら、メンバーの体験も良くないなと思ったので、最初から「誰が管轄しているか」を明記しておきたいなと考えました。

ー 中村さんの細かい心配りが「誰もが見やすい」社内ポータルサイトが実現しているんですね。Notionを用いた社内ポータルサイト制作・運用の経験を活かして、今後やってみたいことがあれば教えてください。

せっかくなので、オーリーズでのNotionの活用事例を記事にまとめたいなと思っています。冒頭もお話しした通り、私が「ポータルサイトを作ろう」と思ったのも他社の事例を見つけたからです。オーリーズでは「どんなルールでポータルサイトを運用しているのか」「どういう背景や意図でルールが決まったのか」を紹介することで、誰かの「やってみよう」と後押しするアウトプットができたら良いなと思っています。

ー すごくためになる記事になりそうですね。楽しみにしています!

※ 記載内容は2024年9月時点のものです
[取材構成編集・文]神谷愛美子


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