米ギャラップ社が実施した世論調査によれば、日本の“やる気のある社員”の割合はわずか6%。世界的にも最低クラスの数値です。そんな日本で「仕事を本気で楽しむ」など4つの行動指針を掲げ、仕事との向き合い方の変化を目指す私たちアキナジスタ。そんな行動指針を掲げた背景を、代表取締役社長の小林祐介が語ります。
ー かつて、僕はうだつのあがらないダメリーマンだった
▲2014年アドテック東京に出展時
僕がアキナジスタ株式会社の代表取締役社長に就任したのは、2015年のこと。もともとは2008年に営業職として入社しており、“社長になるキャリア ”は、正直、考えたこともありませんでした。自衛隊出身、IT未経験という背景もありましたし。
そんな何者でもなかった自分が、なぜ社長になれたのか——それは仕事というフィールドで主人公になることを常に意識し、本気で取り組み続けてきたことが影響しているのではないか、そう思っています。少しだけ、自分のキャリアを振り返ってみます。
これまで僕は、“行き当たりばったり”のキャリアを歩んできました。高校卒業後は自衛隊に入隊し、約2年間、陸上自衛官として働きました。自衛隊を辞めた後に入社したのはテレビ番組の制作会社。理由? 単なるミーハー心です(笑)。
“愛知県生まれ、愛知県育ち”だったため、小さい頃から東京への憧れが強く、兄が上京したことをきっかけに、自分も東京へ行こう、と決めました。そして、「東京で働くなら、テレビ局などマスコミ系の会社がいい」ということでテレビ番組の制作会社に入社し、AD(アシスタントディレクター)として働きはじめることになります。
その後は完全にジョブホッパーとなり、不動産会社に転職。そこで約3年、仲介営業を行っていたのですが、はっきり言って仕事は好きではなかったです。毎月の目標に対して、何となく頑張る、まさにうだつが上がらないサラリーマン。ずっとマンネリの状態で仕事を続けていたんです。
最初は何とも思っていなかったのですが、時間が経つにつれて、「さすがに今のままの状態ではまずいぞ」と。そう思い、心機一転、働く環境を変えるために、転職サイトを見ていたんです。そこで偶然、アキナジスタを見つけました。
当時、インターネットのことは全く分からなかったのですが、「何となくインターネットって面白そう」、「綺麗で大きな会議室で会議してみたい」と、またしてもミーハー心をくすぐられ(笑)。思い切って飛び込んでみることにしました。
ー やらされ仕事からの脱却。「なんだ、仕事って、面白い!」
▲社内懇親会のひとコマ。どんどん仕事が好きに
採用面接も何とか通過し無事、入社が決まったわけですが、先ほども言った通り自分にはインターネットの知識が全くありません。それどころか、エクセルもパワーポイントも使えない。入社後、アフィリエイト広告の営業を任されたのですが、当然、業界用語は一切知らず。「なんでこんなに英語3文字の言葉が多いんだよ」と思っていました。
仕事自体は面白かったのですが、最初の頃はほんとに苦労しましたね。とにかく必死で勉強しました。あと、上司の存在も大きかったです。
アキナジスタはIT企業ということで、上下関係も厳しくなさそうだなと思っていたのですが、僕の直属の上司はめちゃくちゃ厳しい人で(笑)。特にタイムスケジュールにはうるさく、毎日、1時間単位のスケジュールを作成し、提出していました。
そのスケジュールにそって、仕事を進めていくのですが、ちょっとでも時間をオーバーしたら説教される。ずっと監視されているみたいで、正直かなり辛かったですね。ただ、いかにして時間内に仕事を終わらせるか。途中から仕事の優先順位をつけて取り組む習慣が身につけることができました。これはすごく良かったですね。
仕事の優先順位を意識する事に加え、もうひとつ意識した事があります。それは、仕事に追われるのではなく、追っているかどうか。やらされている感覚ではなく、積極的に仕事を追っていこうと決めていました。その結果、インターネットの知識が皆無だった自分が入社1年でマネージャーに昇格できました。
この成功体験があったから、数年前まで仕事が嫌いだった自分が、仕事の楽しさに気づくことができましたし、「もっと出来るんじゃないか」と自分自身の可能性を感じることができました。
この、“仕事の楽しさを追求する”考えは管理職になった際も、何より大事にしました。とは言え、自分が厳しい上司から受けたマネジメントは必ずしも全員にあてはまるものではない。
「あれやれ、これやれ」とガチガチに管理してしまうと、その人が持つ本来の良さがなくなってしまうと思い、ある程度、自由に働けるようにしました。そうすることが働く人のモチベーションを上げるとともに、新たなサービスを生み出すアイデアの創出にもつながると思ったんです。
ー IT未経験から社長へ。すべては会社を変えるため
▲未経験の叩き上げから、一気に会社のトップへ
自分が入社した頃は、インターネット広告市場の成長とともに、会社も右肩上がりで成長を続けていました。ただ、2013〜2014年あたりから競合サービスが多く登場し、事業が思うように成長していかない……。我慢の時期を迎えていました。
当然、経営層も焦ります。とにかく売上をつくれという空気感になり、現場では「なぜ、営業目標を達成できないのか」「明日までに売上をつくってこい」など、上司から部下への詰めが頻繁に行われるように。
当時、別部門の執行役員としてそうした状況を傍から見ていた自分は「なぜできないのか」を考えるよりも、「どうしたらできるようになるか」を考えた方が建設的ですし、何より会社のためになると考えました。
そんな中、役員より「社長をやってみないか」というすごい提案が来ました。最初は「自分に務まるのか? 自分が社長になる事が本当にこの会社にとって良いことか?」と迷っていたのですが、周囲の後押しもあり、何よりチャレンジしたい!と思うようになり、「社長になります」と返事をしました。
いざ社長になってからは、何から手を付ければいいか、行き詰っていました。ただ、社長が自分に変わったことで会社も大きく変わるということを社員に浸透させたかったので、まずは行動指針を制定し、打ち出すことに。
ー 仕事に本気で向き合うことで、未来は変えられる
▲新経営陣とともに、働くが楽しい会社を
その行動指針とは、「仕事を本気で楽しむ」「チャンスと気付ける人になる」「『仕事』というフィールドで主人公になる」「失敗を恐れず、どんどんいこう」の4つです。
仕事への取り組み方次第で、可能性は無限大に広がっていく。数年前までうだつの上がらないサラリーマンだった自分が、仕事に本気で向き合い続けてきたからこそ社長になることができたんです。だからこそ、自分はこの行動指針を打ち出しました。
行動指針を打ち出し、働きやすい環境作りを推進したことで、社員に仕事を追っていく文化と集中できる環境が提供できました。実際、社員から、事業に対してさまざまなアイデアが提案されるようになりました。もちろん最終的な意思決定は社長である自分が行いますが、ボトムアップの組織体型になったのが、すごく好ましいですね。
少しでも多くの人にアキナジスタを通して、仕事の楽しさや、成功体験をしてもらいたいです。そしてそれは結果的に会社の業績にも繋がってくる、と自分は信じています。僕自身も社長歴としてはまだ3年目ですので、社員と共に切磋琢磨しながら成長し、 より良いアキナジスタにしていきます!
Text by PRtable