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こんにちは!人事担当の村田です。
アドウェイズはインターネット広告企業として設立19年目を迎え、現在はグループ全体で1,000人規模の従業員が働く会社となりました。
私が入社した2011年当時は27歳だった従業員の平均年齢が、現在では31歳前後になりました。
そんな中、アドウェイズで働く社員をサポートしている人事グループの美馬梨沙にインタビューをしてきました。
【Profile】
美馬梨沙
人事グループ
人事推進室 人事支援ユニット
チーフキャリアカウンセラー
2010年4月に広告企画営業職として新卒入社。その後、法務へ部署異動。その後、人事戦略室へ異動し、新卒研修を担当。2017年5月に出産、産休を経て職場へ復帰。現在は人事部でチーフキャリアカウンセラー兼、産休育休制度や障害者雇用、休職者支援を担う。趣味はまだ2回しか行っていないホットヨガ。これから本格的に通う予定。
新卒採用チームから法務へ。「自分で決めたこと」への使命感
─美馬さんは、新卒採用チームから法務へ異動というご経歴があるようですが……。
そうなんです。アドウェイズには広告企画営業職として新卒入社したのですが、当時管理部が人材を募っていたこともあり、まずは新卒採用チームのお手伝いを3ヵ月間させてもらいました。そして管理部で配属希望を出していたのですが……その結果、全く予想していなかった法務へ配属されることとなりました(笑)。
しかも法務はチームとして立ち上がったばかりで、上司と私の2名体制。法律のことも一切分からなかったため、不安だらけのスタートとなりました。
─初めての法務経験、まずはどんなことから始めたのでしょう。
本当に右も左も分からない状態だったので、ひとまず六法全書をもらって、ひたすら熟読することから始めました。それと並行して、上司が対応している大量の契約書を整理する作業を3ヵ月間行いました。
「とにかく法律用語を覚えるしかない、分からない言葉は全部辞書をひくしかない」と強く心に決めて手を動かし続け、苦戦しながらも、気付いたら結果的に2年間在籍していました。
そんな中でも法務で2年間踏ん張れたのは、自分で「ここにいる」と決断した事を投げ出すのが嫌だったからです。配属先が法務だったことは想定外でしたが、管理部に行くと決めたのは自分ですから。「ここで何か形を残したい!」という使命感があったんです。
また、人間関係に恵まれたのも大きな理由です。当時の上司がとても優しい方で、忙しい中でも質問すれば何でも教えてくれました。法務がチームとして立ち上がったばかりで、「絶対に成功させなければいけない」というタイミングでしたので、上司としても早く私に成長して欲しかったんだろうな、とは思いました。
資格を取得し「プロのメンター」として会社に貢献する
─その後さらに、法務から人事へ異動されたそうですね。
法務へ配属になってから2年経った時に、上司との面談が行なわれました。そこで私は「まだ半人前で、法務の仕事をやりきれていません。まだ法務にいたいです。」と打ち明けたんです。
しかし、上司から返ってきた言葉はその反対で。「美馬は得意な事を頑張った方が成長出来るから、人事に行ってみなさい」と助言をいただきました。これは上司の言葉であり、会社からの言葉でもあります。これを受けて、「私が人事に行くことには、何か意味があるのだな」と感じ、人事への異動を決めました。人事部では、人事戦略室に配属となりました。当時の人事戦略室は、これまた上司と私の2名体制で、こちらも2年間経験。部活動制度の構築、新卒配属前研修サポート、社内wikiの整備など、多岐にわたる業務を経験することができました。
─人事に配属されてから、成長を実感できた経験などはありますか?
「産業カウンセラー」の資格を取ることができた事です。アドウェイズでは新卒入社後に配属前研修を行なっているのですが、そこでメンタルフォローの担当になったことがありまして。当時はメンターとしてのスキルを全く持ち合わせておらず、「これでは、話を聞いているだけなのではないか?」と考え込んでしまって。このままではいけない、と思い、傾聴が学べる産業カウンセラーの資格を取ろうと決意しました。現在はキャリアカウンセラーとして活動しているのですが、産業カウンセラーはその前身となる資格です。
傾聴を学びながら気づいたのは、「話者の悩みは、話者自身がアクションを決意しない限り解決出来ない」という事です。話を聞く側が「これをやったらどう?」「こうしたら良いんじゃないのかな?」と言っても、最終的には話者の判断なくして行動に繋がることはありません。話者は自身のエピソードやストーリーを話しながら気持ちを整理して、その上で「こう動こう」という解決策を自分で作り出すんです。ですから、相手の話に耳を傾けることに重点を置き、本当はどうしたいのか?を一緒に考えることが大切だと感じています。
─現在は本格的にチーフキャリアカウンセラーとしてご活躍されていますが、その一歩はどのように踏み出したのでしょうか。
社内で別の方が担当していたメンター活動を引き継ぐ事になったことがきっかけです。そこから少しずつ浸透してきて、様々な部署でメンター活動を行えるようになりました。
また、そのタイミングで今所属している部署が立ち上がりました。そこで私は会社に対し、メンターとして、より貢献するために人事推進室へ異動したんです。
─そこで、さらに資格を取得されたようですね。
異動をきっかけに、「高度なスキルを身につけたい」という気持ちが自然と湧いてきました(笑)。社員を本格的にバックアップするため、キャリアカウンセラーの資格を取得しました。既に私が取得していた産業カウンセラーは、主に傾聴を学べる資格だったのですが、キャリアカウンセラーはその上位資格のようなもの。傾聴した上で、コーチングが出来るようになります。
従業員が1,000名規模になったアドウェイズでは、様々な価値観を持ちながら人それぞれ適切な働き方が出来る環境になってきたので、より多くの人達にとって意味のある面談となるように心がけています。
アドウェイズの産休・育休。現場の理解を推進力に、個人に合わせたサポートを
─アドウェイズの産休・育休制度について教えて下さい。
妊娠から産休、復帰までの一連の流れの中で、それぞれの時期に応じてサポートできる体制を取り入れています。妊娠は、人によって体調が異なるため一律のサポートが難しいのですが、妊娠報告をもらった時点から適時連絡を取り合い面談をすることで、一人一人の支えになれるようにしています。
─制度を構築するまでに苦労した事はありますか?
全社理解に向けて、ハンドブックを公開したことですね。妊娠における様々な症状は自分の経験だけでは対応できないことも多く、産休、育休に入る方が現場の仕事をスムーズに引き継げる流れを作るために、一律の仕組みを作る必要がありました。とはいえ、もちろん簡単に実現できることではなく、苦労の連続です。今も、現場の理解と協力を得ながらプロジェクトを進めています。
─アドウェイズのママさんたちから、どのように思っていただきたいと考えていますか?
この制度があってよかったな、心の支えになった、と思っていただけるようにしたいです。心のクッションというか。
人それぞれ価値観が異なるのは重々心得ていますが、私個人としては、「仕事=育児の合間」ではなく「仕事=自分の価値を高めるもの、自分を大切にするための手段」と思っていただけたら凄く嬉しいなと思い制度を運営しています。
─実際に産休・育休制度を利用した社員から、嬉しい声が上がっているようですね。
はい!創業19年目を迎えるアドウェイズの平均年齢は30歳前後になり、妊娠の不安、悪阻の事、産休復帰の不安や悩みを抱える社員が増えてきました。そんな中で「相談できる場所があって安心できる」と話してくれた社員がいます。
そして実は、妊娠した女性だけでなく、その上司から相談をもらうこともあります。復帰後の働き方、悪阻時の対応など、周囲のスタッフが支え合える環境づくりが大切ですね。
─制度をより良くするために、改善したい点や課題などはありますか?
課題は山ほどあります。悪阻の症状、産休に入るタイミング、産まれてきた赤ちゃんの個性、保育園の状況…全て人それぞれです。そんな状況ですから、パッケージとして統一出来ないのがこの制度の特徴でもあります。
しかし、なるべく多様なパターンに対応出来るよう改善していきたいと思っています。まずは、これまでに復帰された方や産休に入られた方の分析から始め、パターンを可視化することから始めようと考えています。
周囲のサポートを受けながら、会社に価値を還元していく
─美馬さん自身も産休・育休制度を利用されたそうですが、いかがでしたか?
実は……現場に迷惑をかけてしまわないかという罪悪感を強く感じ、1週間くらい泣いてしまいました。周りの社員に対して申し訳ないという気持ちから、自分自身が変に気負いしてしまっていたんです。
でも、周りの人達は温かい目で見送ってくれて応援してくれて、それが私の励みになりました。私もこんなふうに、妊娠中の心境や体調の変化を相談してもらえる存在になりたいと心がけています。そういった自分の経験も踏まえ、産休を控えた方とのコミュニケーションを大切にしています。
─出産を無事終えて、会社に戻ってくる時はどんな気持ちでしたか?
産休から戻ってきた時は、とにかく「早く成長しなくては!」という気持ちが強かったですね。子供が成長するまで働く事が出来るのか?自分だけでなく子供の事も考えなくてはいけなくなった中で、ちゃんと仕事ができるのだろうか?と不安でした。その不安は1ヵ月くらい消えず、「今は任せてもらえた仕事を一生懸命頑張る!」と言い聞かせて踏ん張っていました。
その後、子供が保育園に慣れてきたタイミングで少しずつ自分にも余裕が生まれ、時間調整が自分で出来るようになり、自ら率先して仕事が出来るようになり、不安はなくなっていきました。
また、これまでは「自分が会社に対して何が出来るんだろう?」という考え方だったのですが、今は「会社にとって価値のある仕事をしたい」と思うようにもなりましたね。
─美馬さんが働くことについて、ご家族はどんな対応をしてくださっていますか。
夫婦で働く事に理解があり、お互い協力が出来る環境です。夫婦ともに関西出身のため、お互い両親からのサポートが全く受けられない状況なのですが、私が残業になると主人が早退して子供のお迎えに行ってくれるんです。
今まで「定時で帰宅して欲しい」と言われた事は一度もありませんし、お願いすると「分かったよ!」と、主人が自分の会社に掛け合ってくれます。もちろん仕事の事情でその日は難しい、となる場合もありますが、基本的には快く受け入れてくれるため、本当に助かっています。また、理解をしてくださっている主人の会社に対しても、とても感謝しています。
キャリアカウンセラーとして、一人の人間としてコミュニケーションを大切にする
─今後、美馬さんはどんなことに挑戦していきたいですか?
アドウェイズを、さらに活発なコミュニケーションで溢れる会社にしていきたいです。キャリアカウンセラーとしてのスキルを活かし、人と人との間をつなぎ、社員みんなが気持ちよく働けるようにしたいです。みんなが気持ちよく働けば、さらにコミュニケーションが円滑になる…という循環を作り上げることが目標ですね。
そのために私の立場で出来る事は、面談の技術をより言語化し、伝える事だと思っています。私は少なくても年間300〜400回の面談をしているので、まずは面談の中でのコミュニケーションの在り方を理解してもらえるように活動しています。
─1人の母親としての将来像はどのように考えていますか?
私は、「1人の母親として」という角度から将来を描いたことがないんです。子どもに対しても、ありのままで接する事を常に心がけており、自分が自分のままで居続けたいと思っています。
もちろん出来る限りは子どもに寂しい思いをさせたくないし、不自由に感じてもらいたくないという気持ちはあります。しかし、「母親として」ではなく「私個人」を見て、子どもがどう感じたかを話し合える関係になるのが、私の思い描く「親子像」なんです。