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ベンチャースピリットを忘れない。半導体製造装置部品のリーディングカンパニー、アドバンテックの志に迫る

自動運転、AI、IoTなどの最先端技術の発展に欠かせない「半導体」。そんな半導体の製造装置において、日本が世界でトップクラスのシェアを誇る国であることをご存知でしょうか。簡単に真似ができない技術力で他を圧倒しており、今や日本が世界に誇れる産業分野として半導体製造装置は日に日に存在感を増しています。

株式会社アドバンテックは、半導体をはじめとした製造装置の部品メーカー兼商社として、国内10拠点・海外9拠点で事業を展開する会社。多数の大手製造装置メーカーと取引しており、国内シェア率はトップクラスとなっています。

アドバンテックでは具体的にどんな部品が作られているのか。大手メーカーから選ばれる理由はどこにあるのか。採用において重視している点は何かなど、アドバンテックの全貌を取締役の赤松に語ってもらいました。

<プロフィール>
赤松 洋介
株式会社アドバンテック 
取締役/半導体事業 営業部門責任者

大学院を卒業後、当時ベンチャー企業として急成長を遂げていたアドバンテックに新卒入社。以来、現在まで20年ほど営業職として活躍している。これまでに愛媛本社・横浜支社での顧客支援や、アメリカの子会社への出向、東北営業所の初代所長、ものづくり部門(営業企画部門)の部長、執行役員などを経験。2023年、取締役に就任した。

国内外の大手企業や研究機関から頼られる、屈指の部品メーカー

──アドバンテックが手がける事業について、詳しく教えてください。

当社では主に4つの事業を行っています。まず1つ目は、創業当時から手がけている「真空機器事業」です。半導体装置には、真空チャンバーという装置内部を真空にするための部屋があるのですが、その周辺部品などを作っています。ちなみに、事業部名には“真空”とありますが、現在は溶接など当社のコア技術が必要な部品であれば、真空機器に関わらず手がけています。

2つ目は、こちらも半導体の製造装置に関わる「電子事業」です。メイン商材はテストウェーハと呼ばれるもので、製造装置メーカーや材料メーカーが自社製品の開発や評価の際に使う材料です。テストウェーハは、極限までパーティクル/欠陥が少ないものや様々な膜がついているものなど、顧客によって求められる仕様が異なるのですが、顧客の要望を叶えるものをワンストップで供給しています。

3つ目は、上記の2事業よりも後に作られた部門である「マテリアル事業」です。主にレアメタルやターゲット材料(金属を溶解・焼結し、長方形や円盤型の板、円柱型などにした原材料)などを取り扱っています。また、これまで培ってきたリソースを活用し、サステナブルな製品の開発にも取り組んでいます。

4つ目は、「環境」をキーワードとしたサステナブル事業です。太陽光発電施設の開発から脱炭素の推進まで様々な事業を行います。エネルギーを作る、省く、蓄えることで、エネルギー活用の最適化を実現し、脱炭素推進に取り組んでいます。

どの事業も当社の注力事業ですが、規模が特に大きいのは真空機器事業と電子事業です。世界中で700社を超える企業や研究機関と取引させていただいています。

──半導体市場は、これまでどのような変化を遂げてきたのでしょうか?

2000年代の半導体市場は景気の波が激しかったのですが、それでも当時から先端・成長産業ではありました。市場が急拡大し始めたのは、クラウドやAIの普及によってデータ量が大きく増えた2017年頃からです。半導体の裾野がかなり広がり、“スーパーサイクル” と呼ばれる需要が伸び続ける期間に突入しました。今もそのサイクルは続いていて、少なくとも2030年頃までは市場は拡大していく一方だと言われています。

脱炭素や新しい街づくりなど、サステナブル事業も成長中

──アドバンテックの「事業上の強み」を教えてください。

強みの1つは、メーカーとしてものづくりができることに加えて、商社として世界中の製品を取り扱えること。言い換えれば、顧客の課題に対する提案オプションが豊富なことですね。当社が作っている部品は、ハイレベルな加工精度やクリーンネスが求められるものばかりです。そのレベルを満たす技術力があることが当社の大きな特徴です。また、先ほどテストウェーハの話題のときに少し触れたのですが、顧客は自社の条件にマッチするさまざまな仕様の部品を求めていて、その数は数百種類にも上ります。その仕様や納期などの希望に柔軟に対応できるのが、当社が選ばれる理由です。

さらに言うと、最近はロボットによる自動化や生産管理のシステム化といったDX、コロナ禍以降で急速に注目され始めたBCP(テロ、災害、システム障害といった危機的状況下でも事業を継続できる計画のこと)体制の構築、QCD(クオリティ・コスト・デリバリー)の向上、ESG(環境・社会・ガバナンスを考慮した事業活動)への取り組みなども強化しています。このような対策を含めた提案が行えるのも、当社の強みの1つです。

──半導体の需要が非常に伸びている今、供給量も拡大フェーズでしょうか?

そうですね。ただ、メーカーとしてものづくりを行っている以上、何より重要視すべきなのは、やはり品質です。ニーズが増えているからといって正しいステップを踏まずに事業拡張してしまうと、顧客やユーザーに迷惑をかけてしまうことになりかねません。そのリスクはきちんと勘案しながら進めていくことを念頭に置いています。

──改めて、アドバンテックがどのように社会へ貢献しているかを教えてください。

真空機器や電子部品は私たちの生活に直接的に役立つものではないので、貢献度合いがなかなか見えにくいですよね。ただ、日本が半導体製造装置・半導体材料において世界トップクラスのシェアを占めている中で、当社が国内大手装置メーカーや大手材料メーカーのほぼ全ての会社と取引をしているというのは、大きな社会貢献と言えるのではないかと思います。世の中の情報インフラや、自動運転やAIといった世界で巻き起こっている技術の進歩を、間接的にではありますが支えている会社です。

また近年は、サステナブルな社会づくりにも貢献しています。たとえば、当社の創業地である愛媛県西条市では、地方創生や二酸化炭素排出ゼロを実現する新たな街づくり「糸プロジェクト」に挑戦しています。最初は “当社を育ててくれた西条市に恩返しを” という創業者の想いからはじまったプロジェクトでしたが、今ではこの “いとまち” をモデルシティとして、脱炭素やマイクログリッド防災など地域の社会課題を解決しようとしているんです。設立して約30年が経った今、顧客だけでなく社会課題も解決していきたい、当社でソリューションを提示していきたいという思いがとても強まっています。

──最近では、産学連携で製品開発する取り組みも行っているんですよね。

はい。はじめは既存商品のブラッシュアップを目的とした事例が多かったのですが、最近は社会貢献のための取り組みも増えてきています。研究機関の方々はたくさんの技術シーズを持っていますが、それをビジネスにつなげるためのノウハウやネットワークは持っていないことが多いんです。その点、当社は「よりグリーンな素材(従来の製品よりCO2の排出量などが実質的に削減されたもの)で作られた部品を使いたい」といったニーズを持つ顧客と多数取引をしています。そこで私たちが間に入り、双方をマッチングする製品を開発するという取り組みを行っています。

2年目で海外拠点を立ち上げた社員も。モチベーションが高まる仕事環境

──営業職のミッションや業務内容について教えてください。

簡潔に言うと「提案営業」になります。顧客の課題を解決するソリューションを企画提案することがミッションです。そのため、提案内容は「自社で製品を作って売ること」だけとは限りません。たとえばコストを下げたい顧客がいた場合、当社で製造するのではなくパートナーから部品を調達するのがいいのでは?海外で製造するのはどうだろうか?と最適な解決方法を考えるのも大切な仕事です。

また、他社に製造や調達を依頼するとなった場合でも丸投げすることはなく、私たちがクオリティやデリバリーのコントロールを担うケースも多いですね。そのため営業の業務範囲は広いですが、もちろんすべてを1人で行う必要はありません。社内には製造、技術、品質管理など各部署にプロフェッショナルがいるため、皆でチームになってプロジェクトを推進していきます。なお、当社の営業職は事業や仕事のコントロールタワーとして重要な役割を担っているので、やりがいも大きく自己成長できる機会が多くあると感じています。

課題解決を目的としているため、事業部を横断して顧客支援にあたることも多いです。テストウェーハを商材として扱うようになったのも、もともと他の部品を卸していた顧客から「テストウェーハが欲しいけど、売っている企業がほとんどない」というお困りごとを聞いたことがきっかけでした。当社は、お客様が抱えている課題や要望を実現することで成長してきた会社なんです。

──製品知識など覚えるべきことも多いと思いますが、どのような教育・研修を行っているのでしょうか?

新卒社員に関しては、まずビジネスマナーや会社のルール、会社概要について学ぶ集合研修を行った後、半導体部門では業界知識や製造技術、製品知識などを学ぶ座学研修を1日2〜3時間、1ヶ月半ほど実施します。また営業部署では、現場の知識を習得してもらうための工場研修も2〜3ヶ月ほど行います。生産管理、調達、品質管理など各部門を回って、実際に現場業務も体験してもらうんです。その後、営業所に戻ってOJT研修を行います。個人で顧客先をもって動いていくのは2年目からですね。

キャリア採用の社員に関しては、その方の経験・スキルに合わせた研修を行っています。第二新卒の方であれば新卒に近い研修が必要だと思いますので、半年ほどの期間を設けることが多いです。

──アドバンテックには、若手でも新しいことに挑戦できる風土があると聞きました。

ベンチャーマインドが根付いているので、社歴や年齢に関係なく活躍できますね。たとえば以前には、入社2年目の社員を韓国事業所の立ち上げメンバーに抜擢したこともあります。

私も入社5年目の時に「意欲溢れる社員に経験を積んでほしい」という上司の思いもあって、アメリカに出向させてもらいました。当時リーマンショックが起こったため、1年弱で帰国することになったのですが、自身のキャリアの中ではとても貴重な経験となりました。

他にも、意欲ある若手から応募を募り、プレゼン大会を開催するのも当社の恒例です。「こんなプロジェクトを始めたい」「日本で取り組んでいる事業、サービス、またはアイテムを海外にも広めたいので、出向させてほしい」といったさまざまな企画や提案を、経営陣に対してプレゼンしてもらうんです。経営陣が納得する良い企画や提案が出れば、予算を投下して新しい事業・サービスの実現に挑戦してもらっています。

私が普段から大切にしているのが、モチベーションが高まる仕事環境をつくること。仕事はやる気がある状態で取り組まないと、パフォーマンスが最大化しないと思うんです。そしてやる気を引き出すには、自分がやりたいと思う仕事に挑戦できる環境が不可欠だと考えています。

たとえ若手であっても、十分な意欲があるのであれば、“新しい仕事”をできる限り任せるようにしています。先ほどご紹介したような産学連携のビッグプロジェクトでも、手さえ挙げてもらえば、誰でもアサインされる可能性は十分にありますよ。当社には、本人次第で成長できる環境が十分にあるのです。

売上高が500億円規模になっても、未だ絶やさぬ挑戦心

──アドバンテックの今後のビジョンについて聞かせてください。

創業からもうすぐで30年を迎えようとしていて、先程も少し話したのですが、これまでは顧客の課題解決に向き合ってきた30年だったと思うんですよね。目の前にある顧客の課題ひとつひとつの解決に挑んできた結果が積み重なって、ここまで成長してこれました。

しかし、私が入社した20年前と比較すると、解決すべき課題も少しづつ変わってきているように感じます。現在は社会課題といった影響力の大きい問題に対しても、当社としても直接的に向き合えるようになりました。半導体分野やエネルギー・環境分野など、今後さらに成長していく産業に積極的に貢献していくことで、当社としてもより事業発展していけると考えています。会社として事業成長を続けることで、一緒に働く従業員への還元も大きくなりますし、働く全員が幸せになれる会社へとさらに近づけるのではないでしょうか。

当社は設立して30年経ち、売上高も500億円規模になりましたが、未だに「大きい会社だ」という自覚はありません。今目指すのは、売上1000億円。これからも現状に甘んじることなく、いろいろなことに挑戦していきたいですね。

──これからどんな人と一緒に働いていきたいですか?

創業して以来、常にベンチャーマインドを持って、新しいことに挑戦しつづけてきたのが当社の歴史や企業文化です。事業内容に興味を持っていただくことはもちろん、会社の思いに共感してもらって、当社に “自身の成長機会” がある、“新しいことに挑戦し、夢を実現したい” と考えてもらえるような方と一緒に働きたいですね。

新しい分野に果敢に挑戦していく文化があるので、ぜひいろんなことに挑戦してもらえたらと思います。成長意欲が高い方には、私たちがこれまでに培ってきたノウハウを惜しみなく提供していきます。少しでも興味を持っていただけましたら、ぜひお気軽にエントリーしてもらえますと嬉しいです。

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