今回は、少しだけ勇気のいるテーマを書きます。
世の中のIT企業の採用ページを見ていると、この記事とは逆の内容が見受けられることが多いからです。
正直、IT企業会社として発信する内容には、あまり適さないのかもしれません。
それでも、一度ちゃんと言葉にしてみたいと思いました。
特定の会社や考え方を批判する意図はありません。
あくまで、aciassのテーマを考える中で感じた違和感について書いていきます。
「エンジニアファースト」という言葉
aciassのテーマを決めるときに、「エンジニアファースト」という言葉が候補に挙がりました。
IT業界ではよく見る言葉です。
エンジニアファースト。
エンジニアを守る会社。
エンジニアが主役。
採用ページでも、よく見かけます。
ただ、その言葉を見たときに、少しだけ違和感がありました。
社内でもいろいろ議論はあったのですが、その違和感をなくすことができなかったので、結局aciassでは「エンジニアファースト」という言葉は使わないことにしました。
エンジニアが求めているもの
実際にエンジニアと話していると、「守ってほしいです」と言う人はあまりいません。
むしろよく聞くのは、
技術が伸びる仕事がしたい。
変なマネジメントは嫌。
意味のない炎上は避けたい。
そして、経験上みんなに共通しているのが、**「普通にまともな環境で働きたい」**という至極当たり前の思いです。
つまり求めているのは保護ではなく、
まともな環境なのだと思います。
エンジニアって、そんなに弱い職業だったっけ
エンジニアは専門職です。
技術で価値を作る仕事です。
スキルで市場価値も決まります。
転職もしやすいですし、働き方の選択肢も比較的多い。
労働市場で見れば、むしろ強い職種だと思います。
それなのに「守ってあげる存在」として語られると、少し違和感があります。
エンジニアを守ります、という言葉を見るたびに思うんです。
エンジニアって、そんなに弱い職業だったっけ。
それでも「エンジニアファースト」が生まれた理由
ただ、この言葉が広がった背景も理解できます。
採用面接を通じて色々なお話を聞く中で、
経歴詐称を強要する会社などで嫌な思いをしたエンジニアがいるということも分かっています。
他にも
理不尽な案件。
要件の丸投げ。
給与の基準が不明瞭。
そういう環境で働いた経験をしてしまえば、「エンジニアファースト」と掲げる会社に安心感を持つのも無理はないと思います。
むしろ、この言葉は、そうした業界の歪みの中で生まれたものなのかもしれません。
「エンジニアを守ります」と言う会社が増えたのは、それだけエンジニアが嫌な思いをしてきた歴史がある、ということでもあるのだと思います。
だから、この考え方が生まれたこと自体は、ある意味では自然なのかもしれません。
採用媒体ではよく見るけれど
ただ、少し不思議に思っていることがあります。
採用媒体を見ていると、「エンジニアファースト」という言葉は本当によく見かけます。
エンジニアを守る会社。
エンジニアが主役の会社。
採用ページでは、かなり強い言葉として使われています。
ただ、
採用媒体ではよく見る言葉なのに、 会社同士の取引の場面では、ほとんど聞かない。
取引の中で「うちはエンジニアファーストなので」という会話になることは、ほとんどありません。
もちろん、会社としてエンジニアを大事にしている会社がほとんどだと思います。
ただ、その言葉自体は、採用の場面で使われることの方が多い気がしています。
もしかすると、エンジニアのための言葉というより、採用のための言葉なのかもしれない。
そうじゃないといいな、と思っていますが、そう解釈すると、少し納得できてしまうような気もします。
守るべきものは職種ではない
ただ、もし守るべきものがあるとすれば、それはエンジニアという職種ではない気がします。
なくすべきなのは、
理不尽な働き方
技術を軽視する文化
責任の押し付け
不透明な評価
です。
そしてこれは、エンジニアだけの問題ではありません。
営業でも
デザイナーでも
バックオフィスでも
同じです。
だから、
「エンジニアを守ります」ではなく 「まともな環境を作ります」
これくらいが、一番本質に近い気がします。
aciassが大事にしていること
もちろん、エンジニアを雑に扱っていいとは思っていません。
ただ、それは「エンジニアだから守る」という話ではありません。
職種を特別扱いするのではなく、働く人がまともに仕事できる環境を作る。
それだけの話だと思います。
エンジニアも、営業も、デザイナーも、バックオフィスも。
それぞれの専門性を持って仕事をしています。
そして何より、同じ会社で働いています。
誰かを守る側と守られる側に分けるのではなく、それぞれがプロとして仕事をする。
人として、仲間として、普通に尊重して働く。
その前提の方が、組織としては自然だと思っています。
最後に
もちろん、「エンジニアファースト」という言葉を掲げている会社を否定したいわけではありません。
実際に、エンジニアの働き方や環境を本気で良くしようとしている会社もたくさんあると思います。
だから、この言葉自体が間違っていると言いたいわけでもありません。
ただ、aciassとして考えたときに、少しだけ違う形で言葉にしたいと思っただけです。
もしaciassがエンジニアの数を増やすことだけを考えていたら、「エンジニアファースト」をテーマに掲げていたかもしれませんが、そうではありませんでした。
aciassが大事にすると決めたテーマは
ワクワクすること。
誠実であること。
特定の職種だけを優遇するでもなく、守るでもなく。
エンジニアも、営業も、デザイナーも、バックオフィスも、職種に関係なく同じチームとして働く。
その中で、ワクワクする仕事をして、誠実に向き合う。
私たちは、そういう組織でありたいと思っています。