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「ないなら、つくろう」が叶う。ハードウェア×ソフトウェアで目指す“タクシー体験”の向上

※掲載内容は2023年10月時点の情報です。

多くのWebスタートアップと異なり、GOにはハードウェアの開発を担当するメンバーがいます。彼らが手がけているものの一つが、タクシー車載用のタブレット端末。

今回は、タクシーアプリ『GO』の機能性向上に欠かせない車載用タブレット端末を開発するIoT本部 IoT開発部のメンバーが登場。ハードウェアエンジニア、ソフトウェアエンジニアそれぞれの視点で、現在の仕事内容、GOで働く魅力を語ります。

佐々木 孝介(ささき こうすけ) IoT本部 IoT開発部 車載システム第一グループ・グループマネージャー 大学卒業後、金融企業向け情報セキュリティ管理製品開発会社へ。ソフトウェア開発に携わったのち、2017年にGO(前・Mobility Technologies)の前身となるJapanTaxiに入社。車載器向けマイクロサービスの開発やドライブレコーダーの開発、SREなど幅広く担当する。事業統合後は後部座席タブレット開発担当を経て、現在は乗務員タブレットアプリを中心に開発する車載システム第一グループのマネージャーとしてチームマネジメントを担当する。
遠藤 一樹(えんどう かずき)IoT本部 IoT開発部 車載システム第一グループ 大学卒業後、基幹システム開発会社、ARゲーム開発会社で、主にサーバーサイドを担当したのち、スマートロックの開発会社でアプリ開発を経験。GOでは乗務員タブレットアプリの開発を担当する。
米澤 智(よねざわ さとし)IoT本部 IoT開発部 ハードウェア開発グループ 大学卒業後、自転車アクセサリーメーカにて、サイクルコンピュータの回路・ソフト設計を担当。液晶テレビの生産技術や自動車内装部品の設計、IoTデバイスの回路・基板設計など、さまざまな製造業にてエンジニアとして経験を積む。その後、GO(前・Mobility Technologies)へ入社。

目次

  1. やりたいことを全部詰め込んだプロダクトをつくりたい
  2. ハードとソフトのエンジニアが共存する意義
  3. 日常生活で見える、仕事の成果
  4. メーカーとスタートアップのいいとこ取り

やりたいことを全部詰め込んだプロダクトをつくりたい

      IoT本部 IoT開発部 車載システム第一グループ・グループマネージャーの佐々木

ーIoT開発部が手がけているプロダクトについて教えてください。

佐々木:タクシー車載用のハードウェアを開発しています。『GO』でタクシーを呼んだお客さまのところへ行くためのルートを表示したり、タクシーのメーターと連携して運賃の支払いができたり……『GO』に関する一連の流れがまかなえるデバイスです。

一般的なカーナビに『GO』独自の機能が実装されたものだと思ってもらえれば、イメージしやすいと思います。タクシーメーターとの連携部分も併せて開発している点は大きなポイントです。現在は新たにタクシー車載用に特化した8インチのタブレットを開発しています。

米澤:私が担当しているのは、ハードウェア周りです。社内やユーザーの声をヒアリングして、要件をドキュメント化。ドキュメントをベースに実際に製造するメーカーと議論しながら、開発を進めていきます。開発期間は約1年半ですね。

遠藤:私はソフトウェアを担当していますが、基本的な開発の流れは一般的なAndroidアプリと同じです。ただ、Google Playストアに公開される一般的なAndroidアプリと違って、私たちは事業用にカスタマイズされた端末上で動くアプリを作る必要があるため、新たにデバイスを開発する際はレイアウト検討などはハードウェア担当と密にコミュニケーションをとっています。

            IoT本部 IoT開発部 車載システム第一グループの遠藤

ー先ほど8インチタブレットの話がありましたが、なぜ開発することになったのでしょうか。

米澤:端的に言えば、既製品のタブレットに課題があったからです。例えば、端末設置場所は夏場だと80℃を超えるような状況にもなるため、通常のタブレットだと耐えることができず、バッテリーが膨張する等の問題が発生してしまいます。「タクシーでもナビがサクサク動いて、乗務員さんにとって嬉しい機能が詰め込まれたタブレットがあったらいいよね」という声がきっかけです。

佐々木:自分たちがやりたいことを全部できるハードウェアはなかなか見つからなくて。そもそも車載用に開発されたタブレットは世の中に存在しないから当然ですよね。
「だったら、自分たちでつくりましょう」と。乗務員さんにとって便利なものであれば、タクシーを利用するお客さまの体験向上にもつながるはずです。

自分たちでつくってしまえば、自分たちのやりたいことを全部詰め込むことができる。妥協せずにつくることができれば、少なくとも「やりたいけど、できない」ということはなくなりますからね。「ないなら、つくりましょう」が私たちの基本的な考え方です。

ハードとソフトのエンジニアが共存する意義

            IoT本部 IoT開発部 ハードウェア開発グループの米澤

ー今回の8インチタブレットで苦労した課題とは。

米澤:特に苦労したのは、通話機能です。タクシーの乗務員さんが配車したお客さまと出会えないときにやり取りするための通話機能があるのですが、最初はノイズがすごく多くて。既製品だったらできて当たり前の機能なのですが、新規開発だと原因の判断が難しく、「原因はハードにあるのか」「いや、ソフトじゃないか」と手探りで開発していきました。

ー通話機能がそんなに大変とは意外でした。

米澤:一般的なスマホはOS側でノイズキャンセリングやエコーキャンセリングをしてくれるので、通話アプリを使えばクリアに聞こえるんです。でも、『GO』で使っている通話サービスを経由すると、聞こえなくなってしまって。

遠藤:音声データを操作するなど、いろいろやりましたよね。最終的に、結局ハードウェア開発グループのメンバーに調整してもらって、ことなきを得ました。米澤さんと一緒に新橋駅前でフィールドテストしましたよね。

米澤:そうそう。メーカーとしても既製品であれば「ここをいじれば直せる」といった知見がある程度ありましたが、新規開発だとなかなか糸口を見つけられなくて。いろいろな実験をして、ログをとって、なんとか解消することができました。

ーハードとソフトで連携を取る機会も多いんですね。

遠藤:僕個人としては、これまでハードウェアのエンジニアと話す機会はなかったので、すごく楽しいですよ。新規開発だからこそ、OSからいじることができますし。貴重な経験を積めています。

日常生活で見える、仕事の成果

ーGOへの入社前後で変化したことはありますか。

米澤:基本リモートワークで家族との時間を持ちやすくなった点は、非常にありがたいです。一般的に、製造業で、ハードウェアのエンジニアで……となると、環境や計測機器などの関係でリモートは難しいことが多いですが、GOでは、自宅に最低限の設備を整えつつ、メーカーへのマネジメントをメインに働けているので。

家族との時間を確保できているからこそ、家族の仕事への理解も深い。非常に前向きに働けています。

遠藤:タクシー乗車費用を会社が負担してくれる「トライアルタクシー」という福利厚生を活用して、自分の手がけたプロダクトが動いている様子を目の当たりにできるのは嬉しいですね。社会人とはいえ、タクシーに乗る機会はなかなかないので(笑)。家族にも自分の仕事の成果を見せるいい機会にしています。

米澤:わかります。ハードウェアのエンジニアを志したときから、「人の目に触れるものをつくりたい」という想いは持ち合わせていたので。正直、転職先として検討するまでGOについてはあまり考えたことがなかったのですが、入社してみると目に触れる機会の多さに驚きました。「今まで気づかなかったけど、GOが手掛けているものはたくさんあったんだ!」と。

佐々木:業務アプリとはいえ、ユーザーとして仕事の成果を感じやすい点は大きな特徴ですね。僕はタクシーに乗ったときに乗務員さんに身分を明かして「この端末どうですか?」「困っていることはありませんか?」とヒアリングすることもあります。

ユーザーの声を直接聞ける点はエンジニアとしてモチベーションにつながりますし、以前は自宅の最寄から2〜3駅前で降りて、あえてタクシーに乗って、「こうやって使うといいですよ」と乗務員さんにPR活動をしていたこともありました(笑)。

ー乗務員さんの声から実際の機能に反映したことはありますか。

佐々木:ナビのシステムだとたくさんありますよ。地図の表示をパーソナライズできるようにしたり、目的地を施設名で検索できるようにしたり。

メーカーとスタートアップのいいとこ取り

ー逆に戸惑ったことはありませんでしたか。

米澤:意思決定のスピードなどで「え、もういいんですか?」と感じたことはあります。一般的なメーカーだと「予算はいくらで、リソースはこれだけで、納期は……」みたいなやり取りを2〜3週間してようやく承認がおりるところ、GOだと上司に「やりたいです」といったら「じゃあ、やりましょう」と即断。スピードの速さに最初は戸惑いました。

遠藤:僕は『GO』の全体像を把握するのに時間がかかりました。たとえばナビ機能はどんどん機能が追加されていくし、メーターとの連携も種類によってさまざまだし……それらを把握するためには全体像を把握する必要があるのですが、いかんせん巨大なので。

佐々木さんから「全体像を知るためには8インチタブレットの開発がいいと思うよ」と言われてやることになったのですが、正直「本当にできるのかな?」と思っていました(笑)。

佐々木:特定の機能を深掘りするよりも、全体を広く浅く見てもらう方が全体像の把握につながりやすいですからね。

遠藤:結果的に本当に全体像を知る機会になったのでよかったです。まだ知らない仕様があったり、自分で説明するには整理できない部分もあったり、新しいプロダクトが生まれたりするので、まだまだ大変な日々は続きそうですが(笑)。

ただ、これまでのキャリアが割と孤軍奮闘なイメージだったので、異なる専門性のメンバーと協力しながら開発していくプロセスを共有できる環境は楽しいですね。

米澤:確かに、自信を持って周りに勧められる環境ですよね。いわゆる社内政治的なことも一切ないし、スピード感を持ってプロダクト開発に打ち込めるので、ストレスは感じません。純粋にエンジニアリングに打ち込める環境です。ただ、開発スピードが早いためスピードと品質とのバランスが難しいのですが。

佐々木:いわゆる“メーカー”とスタートアップのいいとこ取りのようなスタイルですよね。キッチリする部分は持ちつつも、スピード感や柔軟性を大事にしている。絶妙なバランス感覚が大きな特徴です。

しかも、ハードとソフトの両方の目線でアプローチできる力のある組織ですので、専門性も追求できるし、何より楽しい。ハードとソフトが、言い合いながら開発し続けられる環境を守っていきたいと思います。


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