TVCMなどで見かける機会が増えてきたタクシーアプリ『GO』の法人向けサービス『GO BUSINESS』。
『GO BUSINESS』では、日々届く顧客の声を起点に、事業企画・PdM・エンジニアが同じ場で議論し、仕様に落とし、最短で機能として届ける——そんなワンチーム運用でプロダクトを前に進めています。
今回は、法人事業を推進する事業企画とセールス、PdM、エンジニアが参加。「なぜその機能が必要なのか」から掘り下げ、多くの企業にとって使いやすい形に整え、実装までつなげていくプロセスを、対談形式で紐解きます。
顧客課題からプロダクトを育てたい方、職種を超えて事業を動かしたい方は、ぜひご覧ください。
法人事業本部 法人事業部 法人事業企画グループ GM
白鞘 隆之介
新卒で株式会社IDOMに入社し、店舗営業・店長としてマネジメント・育成に尽力。その後、本社部門にて法人営業や店舗開発、CtoCアプリの立ち上げなどを経験。2019年に旧JapanTaxiへジョインし、法人向けタクシー配車事業の立ち上げを担当する。GOへの統合後も一貫して法人領域を担当し、『GO BUSINESS』の事業企画・推進に携わっている。
法人事業本部 法人事業部 テックセールスグループ
中丸 美月
新卒でNTTデータに入社し、生命保険会社向けネットワークソリューションの営業として運用対応や効率化提案に従事。その後、Webメディア運営ベンチャー・ドットライフで広告営業や記事・イベントのディレクション、新規事業・SNS運用など幅広い業務を経験。2022年2月にGOへ入社し、現在は『GO BUSINESS』のテックセールスを担う。
プロダクトマネジメント本部 プロダクトマネジメント部 プロダクトマネジメント1グループ
伊藤 沙也加
新卒でヘルスケアアプリを運営する事業会社に入社し、学校・実業団向けサービスの新規営業およびカスタマーサクセスを担当。その後、月経管理サービス「ルナルナ」などで事業企画・PdMとして、グロース施策や新サービス立ち上げ、UI/UX改善に携わる。2024年4月にGOへ入社し、『GO BUSINESS』のPdMを担当。
プロダクトマネジメント本部 プロダクトマネジメント部 プロダクトマネジメント1グループ
小羽田 諭孝
レバレジーズにエンジニアとして新卒入社。看護師転職サービスの開発・運用や新規事業、既存サービスのフルリニューアルなどを担当。その後、医療系スタートアップでPdM/事業責任者として治療アプリやそのプラットフォームの企画・開発に携わる。2024年1月にGOへ入社し、現在は『GO BUSINESS』のPdMを担当。
開発本部 ソフトウェア開発統括部 Webプロダクト開発部
工藤 陽
株式会社NTTデータで金融システムのプロジェクトマネージャーを経験後、複数のスタートアップ企業や事業会社にてCTO/技術責任者としてサービス立ち上げに携わる。2023年8月にGOへ入社し、現在はWeb開発エンジニアとして『GO BUSINESS』関連プロダクトの開発を中心に担っている。
左から工藤、伊藤、白鞘、中丸、小羽田
目次
- 顧客の声を最短で形にする「一体感」
- チームワークで乗り越えた、ある機能の開発ストーリー
- 横断で鍛えられた力:それぞれの成長
- 移動に新たな選択肢を。『GO BUSINESS』のこれから
顧客の声を最短で形にする「一体感」
── まず、『GO BUSINESS』におけるみなさんの役割を教えてください。
白鞘:前提として、『GO BUSINESS』は、タクシー注文から領収書・乗車データの管理までを一元化する法人向けのサービスです。
私は事業企画として『GO BUSINESS』に関わっているので、セールスサイドがお客さまからヒアリングした課題などをもとに会社として事業化の方向性を探っていきます。生煮えなものから具体的なものまで課題の粒度はバラバラですが、開発サイド含めて週に1度定例ミーティングなどでインプットし、プロダクト化やサービス化を検討していくイメージです。
中丸:私たちセールスは、毎日お客さまにお電話したり、打ち合わせしたりしているので、普段のちょっとした会話のなかから課題が見つかることもあります。社内にはSlackなどでタイムリーに共有していて、定例ミーティングに限らずコミュニケーションの機会は多いです。
── 『GO BUSINESS』におけるPdMの役割の特徴とは?
小羽田:先ほどの話にもあったように企画が生煮えの状態だったり、VoC会議で上がってくる課題もN1、つまりひとりのユーザーの声だったりするので、「どうすればすべての企業、もしくは特定のセグメントの企業にとって価値となるのか」を事業企画と話し合いながら、汎用性の高い最適解へと落とし込んでいくことです。
ある特定のお客さまからだけのニーズに個別で応えていくとプロダクトとしての方向性を見失いかねません。プロダクトの複雑性を抑えることもPdMの役割なので、ニーズには応えつつ、シンプルなプロダクトを目指しています。
伊藤:お客さまから具体的に「○○という機能がほしいです」という声をいただくことが多いのですが、詳しく話を聞くと「こういうことがやりたいから、○○という機能がほしいです」ということが少なくありません。
だから、深い部分でのニーズ、本当に必要なことを探りに行くイメージですね。事業企画やセールスチームとも「こういう感じでいこうと思っているんですけど、いけそうですかね?」などとこまめにやり取りしながら決めていきます。
汎用性についても「○○という機能だけだとA社の課題しか解決できないけれど、▲▲を用意するとB社のニーズにも応えられるんじゃないか」といった議論は、事業企画やセールスとすることが多いですね。
── 事業企画、セールス、そしてPdMで仕様を決めて、開発サイドにバトンが渡るイメージでしょうか。
工藤:実は、もう少し手前の段階から参加しています。事業企画がいろいろと議論を重ねている段階から私もミーティングに参加して「開発にこういう話が来そうだな」「そういう機能が必要なら、こうやって開発するのがいいかな」とイメージしていくことが狙いです。
しばらくすると、事業企画やPdMから具体的なスケジュールや仕様がチームに届くので、本格的に開発がスタートします。
GOではお客さまの声も聞くことができるので、エンジニアは「こういう声が最近増えてきているから、今後このあたりをやりそうだ」と事前に心構えができる。先に準備もしておけるので、私自身は非常に動きやすいです。
── 一体感が強いですね。
伊藤:『GO BUSINESS』に関わるメンバーは、GO社内のなかでも各部門の距離が近い気がします。誰かが「これってどうなんですかね?」と話すと、セールスが「クライアントに聞いておきますね」と深くヒアリングしてくれたり、逆に開発サイドに「こういう声が出ているんだけど、できそうですか?」とおおよその工数やスケジュール感を聞いたり……かなり近い距離感でコミュニケーションをとりながら進めています。
だから、PdMとしては非常にありがたい。私たちPdMや事業企画がお客さまに対して課題をキャッチアップにいくこともあるし、それぞれの立場から解決方法を持ち寄ったりすることもある。それぞれの一次情報から仮説を構築し、開発サイドとディスカッションしていくのでワンチーム感は日々感じられます。
チームワークで乗り越えた、ある機能の開発ストーリー
── チームワークを発揮して乗り越えたエピソードはありますか?
工藤:最近大変だったのは、利用金額上限を設定する機能を開発したことです。
『GO BUSINESS』を導入いただいている企業の皆さまにタクシー利用金額の上限を設定できる機能をリリースしたのが、2025年11月です。経費のガバナンスや社内ルールの観点で「安心して全社に展開したい」というニーズが強く、利用拡大に欠かせない機能でした。
白鞘:実は、構想自体は2024年からありましたが、「どういう形で届けるか」がなかなか定まらず時間を要してしまった。
前提として、定例のVoCミーティングでは一次情報に対して全員で「何が根本的な課題なのか」を問うて、より本質的な課題を導き出します。課題の本質がわかれば「これってほかのお客さまにとっても共通では?」と発展し、一気に汎用化が見えて、開発サイドにバトンを渡せるようになります。
ところが、利用金額上限に関しては根本的な課題、本質的な課題をピン留めすることに時間がかかってしまった。GOという立場だけで言えば、どんどん利用していただきたいわけです。一方で、お客さま側には経費管理・運用負荷・社内説明の壁がある。だから特にセールスサイドとは何度も議論しました。
中丸:そうですね。もともとは、お客さまからの「従業員が際限なく使うのは怖いから、一人ひとりに制限をかけたい」という声を社内に持ち帰ったところがきっかけでした。
白鞘:ポイントは、「なぜ制限をかけたいか」なんですよね。
そもそも、法人の中でもタクシーを利用しなきゃいけない人と、条件付きで利用していい人などが入り混じっているわけです。制限をかけるにしても、ギリギリを設定したいのか、少し余裕を持って設定したいのか、上限を超えた場合はどうするのか……具体と抽象を行ったり来たりしながら「ここまで」というラインを詰めていきました。
小羽田:一度「これでいこう」とピン留めしたところがひっくり返ったこともありました。どの機能も大なり小なり同様の議論はしているのですが、利用金額上限に関しては特に時間がかかりましたね。
── 開発サイドはいかがでしたか?
工藤:かなり神経を使いました。そもそも開発規模が大きいなかで、『GO』アプリ本体から「いつ誰がどこから乗車したのか」という情報と別サーバから金額の情報を持ってきて合算し、さらに上限に達したら制限をかけるような緻密な開発だったので。
しかも、状況によってはオプション料金、クーポン割引などで加算・減算する必要があって、掘れば掘るほど「これはどうするんだっけ」という壁に何度も直面しました。
小羽田:『GO BUSINESS』は、それまでリアルタイムでデータを扱っていなかったんですよ。基本的に請求書払いなので、毎月末にデータを確認できればよかったところに、毎回上限に達していないか計算することになったので、かなり慎重に進めていたように感じます。
工藤:もちろん、他にも開発案件がありましたからね。他のチームからの協力・理解を得ながら開発していくことは大変でした。
── 納得いく形でリリースできた要因とは?
伊藤:議論の末、「使われないと意味がない」ということを踏まえて開発したことです。
お客さま側で従業員ごと、グループごと、部署ごとというように、さまざまな属性で柔軟に設定できるようにしました。
柔軟性が上がった一方で、仕様としてのわかりにくさ、複雑性みたいなものもできる限り減らすように徹底的に議論を重ねて、詰められたことが、今多くのお客さまにご利用いただいている要因なのではないでしょうか。
横断で鍛えられた力:それぞれの成長
── 『GO BUSINESS』に関わったことによるご自身の成長についても教えてください。
小羽田:部門を越えて理解や協力を得られるようになりました。
個人的にはGOのサービスのなかでは『GO BUSINESS』が最も関わるシステムが多いと思っています。ひとつの機能を開発しようと思ったら、『GO』アプリはもちろん、企業向けの管理画面、タクシー乗務員の皆さんが使用する端末まで、多くのシステムと足並みを揃えることが不可欠です。
きちんと理解・協力してもらうために「こういうニーズがあって、事業としてやらないといけない」と本質的な議論ができるようになりました。
中丸:私は2つあります。ひとつは、お客さま視点を磨けていること。おかげさまで『GO BUSINESS』はたくさんのお客さまにご契約いただいていて、業種も幅広い。
しかも、「契約したら管理者の方にアカウント権限を付与して終わり」ではなく、タクシーを利用する従業員の方たちへの説明会などお客さまとの接点が多いので、課題のヒアリングはもちろん、「『GO BUSINESS』でこういうことがよくなりました」というポジティブなフィードバックもたくさんいただけることがありがたいです。
もうひとつは、実行力。セールスだけではなく企画的な業務にも関わるなかで「こういうキャンペーンをしたらもっと使いやすくなるんじゃないか」という提案がカタチになる経験も増えてきました。考えて、試して、結果を振り返って……という実行力が身についたのではないでしょうか。
白鞘:私も2つあり、いずれもGOのバリューに紐づいています。
ひとつが、バリューの「コトに向かう。」。先ほど「課題の本質」という話をしましたが、『GO BUSINESS』に関わっていなければ、身につけられなかった考え方かもしれません。N1も大事にしなければいけないし、多くの方に届けることも大事にしなければいけない。だからこそ、課題の本質を突き詰めていく必要があります。
当然、誰も正解を知っているわけではないので、一旦「これが答えだと思う」と言わなければならない。ピン留めするまでの過程にはとんでもない量の思考や議論があるわけです。
特に事業企画という立場では意識的に課題の本質を見極めていくことが、より多くのお客さまに届けられるプロダクトやサービスを生み出していくうえでは欠かせません。『GO BUSINESS』を拡大していくためにも、もっともっと頭を使っていきます。
もうひとつが、バリューの「全方よし。」です。
『GO BUSINESS』は『GO』アプリと比較するとそこまで規模が大きくなく、“社内ベンチャー”的な雰囲気もあります。組織のサイズ的に部門横断の動きがしやすい反面、誰かひとりに無理をさせてしまうと、チームとしての余力が削られて、価値を返し続ける力が落ちてしまう。結果として、前に進める勢いそのものが鈍ってしまう。
自分だけではなく、組織全体で物事を推進させていくためには「全方よし。」のマインドは欠かせません。実際、ガチガチに固めてから渡すというより、早い段階で叩き台を持ち込んで小羽田さんに「ここ、まず一緒に詰めさせてください」と相談することも多いですし、工藤さんにも生煮えのまま「この方向でいけそうですか?」と壁打ちしに行くことがあります。
開発側の視点を早めに取り込んだほうが、結果として“みんなが前に進みやすい形”に整うからです。
だからこそ、独りよがりにならず、「自分たちがやっていることにもつながっている」「自分たちのためにもなる」と感じてもらえるようなコミュニケーションは非常に重要です。「コトに向かう。」「全方よし。」の2点は、『GO BUSINESS』に携わっているからこそ体に染み付いたような感覚があります。
伊藤:私は周囲を巻き込む力と課題を深掘りする力の2点です。
一口に法人向けサービスといっても、法人の管理者向けの『GO BUSINESS』、利用者向けの『GO』アプリなど開発範囲が多岐にわたることも多いです。そのため関係者が多く、社内のいろいろなステークホルダーを巻き込みながら開発を進める必要があります。
開発を進めるにあたって、誰もが納得できるコミュニケーションをとっていくためには、当然課題の深掘りが必要になります。課題を深掘りし、視点を変えて周囲を巻き込む力は日々鍛えられているのではないでしょうか。
工藤:少し違う視点だと、エンジニアに限らず視野の広さは必要です。
私は基本的には『GO BUSINESS』を担当していますが、開発にしてもトラブル対応にしても、『GO BUSINESS』の知識だけでは通用しない。
むしろ『GO』の仕様や周辺のシステムの知識、さらには「社内の誰が何を知っているのか」まで意識してキャッチアップしていないと追いつかないケースがほとんどです。そして自ずと視野が広がっていく。
よく「意識的にアンテナの感度を高く」みたいな話がありますが、意識しなくても勝手にそうなっていくところはGOのおもしろさでしょうね。『GO BUSINESS』とは関係なさそうでも自然と疑問が浮かんだり、「これはのちのち関係がありそうだ」と気づいたり……自然と目線が上がるのは、GOの特徴ではないでしょうか。
移動に新たな選択肢を。『GO BUSINESS』のこれから
── どういう人と一緒に働きたいかを教えてください。
中丸:私はバリューの一つでもある「当事者たれ。」の意識を持った方ですね。特に『GO BUSINESS』のメンバーは、プロフェッショナルで当事者意識が高い。最近入社したばかりのメンバーも、どんどんキャッチアップして「ここはこうしたらいいんじゃない?」と提案してくれます。
GOのミッション「移動で人を幸せに。」を受けて、自分自身が「私はこうありたい」「世の中をこうしたい」という強い想いでチャレンジできる方であれば、馴染みやすいし、活躍する日も近いのではないでしょうか。
伊藤:探求心ですね。『GO BUSINESS』にはたくさんのお客さまがいて、課題も十人十色。深掘りしていくおもしろさを感じられて、「どうすればお客さまの課題を解決できるんだろう」と探求心を持って行動できる人がフィットするし、事業と一緒に成長していけると思います。
工藤:先ほど中丸さんが話した当事者意識にもうひとつ付け足すとしたら突破力ですね。自分が知らないことでも前向きに取り組めて、なんとかできる。「新しいことは怖いからやりたくないな」ではなく、「ちょっと調べてやってみよう」「失敗してもいいから、とりあえずやってみるか」という意識の方なら、活躍できるシーンは多い気がします。
それこそ、トラブル対応では知らないこともありますからね。尻込みせずに前向きになれる人なら楽しくできるし、今いるメンバーも嬉しいはずです。
── 最後に、『GO BUSINESS』のこれからを教えてください。
白鞘:繰り返しになりますが、GOのミッションは「移動で人を幸せに。」です。ミッションを実現するために私たち法人事業本部はお客さまの移動課題に向き合っているので、タクシー以外の選択肢も見出していかなくてはいけません。少しずつ、方向性は見えてきたので、私たちとしても事業を拡張していきたいと考えています。
小羽田:一般的な企業向けのSaaSプロダクトは管理画面のプロダクトが多いですが、私個人としてはプロダクトを意識せずに機能するような形にしていきたい。
「気づいたら『GO BUSINESS』が手配してくれていた」というような世界をつくっていきたいので、管理画面やアプリに閉じることなく、プロダクトを考えていきます。
※掲載内容は2026年2月時点の情報です。