※掲載内容は2025年11月時点の情報です。
タクシーアプリを軸に、多様なモビリティサービスを展開するGO。その中で事業推進を担うのが、GOアプリ事業本部 プロジェクトマネジメント室 室長 山岸です。入社直後から、経営陣直下の重要プロジェクトを牽引し、現在は室長として組織を率いています。
リンクアンドモチベーション、グロービス経営大学院という異色のバックグラウンドを持つ山岸が、なぜGOを選んだのか?いかにして入社直後から大きな成果を生み出せたのか。「社歴より、情熱とオーナーシップ」というGOの文化を体現する山岸の仕事論とキャリア哲学を聞きました。
山岸 園子 GOアプリ事業本部 プロジェクトマネジメント室 室長
2024年2月GO入社。株式会社リンクアンドモチベーションにて、人材育成や組織風土変革に従事した後、若年層向け教育サービスの新会社立ち上げを担う。その後、グロービスに入社し、ディレクターとしてグロービス経営大学院の経営全般に携わるとともに、志領域の研究・コンテンツ開発を行う。GOでは会長社長室を経て、現在はプロジェクトマネジメント室 室長として活躍。
目次
- 「いばら感」がある方が面白い。タクシー業界の変革に飛び込んだ理由
- 一歩でも二歩でも前へ。「推進」こそが役割
- 複雑な利害関係を「全方よし。」で解決
- 「誰のために」を問い続ける。メンバーの可能性を信じる組織づくり
- 変革を「創る側」にしか見えない景色がある
「いばら感」がある方が面白い。タクシー業界の変革に飛び込んだ理由
—— 山岸さんの前々職はリンクアンドモチベーション、前職はグロービスといった人材・教育領域です。そこから、モビリティ領域のGOに至った経緯を教えてください。
山岸:前職までは、ビジネスパーソンの成長を支援する仕事に携わっていました。私にとって非常にやりがいがあり、まさに没頭して働く日々。心から充実していたんです。自分でもこの道から大きくキャリアを変えることは想像もしていなかったのですが、前職のグロービスに12年ほど勤める中で、自分が描く未来像に少しずつ変化が生じ、区切りを付けることにしたんです。
だからといって働かないわけにはいきません(笑)。次の仕事を探さないとと思っていたところに、GOの社長である中島さんにお会いする機会をもらいました。ですが、正直なことをいうと、私はテック事業の経験もなければ、タクシーや「移動」というテーマに興味を持ったことも、さほどありませんでした。
—— そうだったんですね。入社の決め手は何だったのでしょうか?
山岸:決め手は二つあります。
一つ目は、中島さんのストーリーが極めて面白かったことです。今、この産業は100年に一度の変革期にあり、GOはタクシー産業を起点に社会の構造そのものを変えていこうとしている。それは、社会のインフラである「移動」から、人々の生活や経済を変えていくことです。鉄道を中心とした都市開発、流通事業、観光事業などを一体的に進めた日本の実業家 小林一三と同じような精神を感じ、そのスケールの大きさにシンプルに“楽しそうだな”と思ったのが一つです。
二つ目は、ある経営者の「社会課題に挑むなら、あえて“いばらの道”を選んだ方がいい」という言葉でした。規制産業に位置づけられるタクシー業界の変革は、まさに簡単ではないチャレンジです。それでもワクワクする環境だと感じ、GOに飛び込むことを決めました。
一歩でも二歩でも前へ。「推進」こそが役割
—— GOにおけるプロジェクトマネジメント室の役割について教えてください。
山岸:タクシーアプリ『GO』や新規事業の企画からローンチまで、プロジェクトを「推進」させること、これに尽きます。
一般的にPMというと「調整役」や「進行管理」をイメージされることが多いですが、GOのPMは少し違います。私たちはプロジェクトごとに変わるメンバー構成や状況を見て、「今、どこが足りていないか」を瞬時に判断します。その足りないパーツを自分が埋められるか、埋められないならどこからリソースを引っ張ってくるべきかを冷静に把握し、差配する。プロジェクトをパズルのように完成させることが、役割の一つだと思っています。
一歩でも二歩でも、泥臭くてもプロジェクトを前に進めること。そのためにリーダーシップを発揮し、ありとあらゆる支援を行う。「推進のためなら何でもやる」というのが私たちのスタンスです。
採用において「こだわりを持たないことに、こだわれるか」を重視しているのもそのためです。 状況に応じていろいろな仮面を被り、立ち回りやコミュニケーションの手法を柔軟に変えて演じられること。自分の振る舞いを固定せず変化することが、成果を出す上で重要なポイントだと考えています。
複雑な利害関係を「全方よし。」で解決
—— 入社後に携わった、最も象徴的なプロジェクトについて教えてください。
山岸:入社後の最初の1年間は会長社長室に所属していたのですが、具体的なミッションが定まっていない中で、自分のスキルや強みがこの会社でどう生きるのかをずっと探っていました。GOには優秀な方が本当に多く、「自分のスキルセットは大して役に立たないのではないか」とモヤモヤしていた時期もあったんです。
そんな中で「自分の価値はここにあるのかもしれない」と感じられたのが、地方自治体と進めた公共ライドシェアの案件です。観光客の移動手段の確保と、公共交通の混雑や不足の解消を目的としたプロジェクトで、これは非常に難易度の高いものでした。
最大の難所は三つ。 一つ目は、複雑性の高いスキームを1ヶ月弱というわずかな期間で着地させなければならないという「スピード感」。 二つ目は、その複雑さとカスタマイズ要件の「折り合い」をつけること。 そして三つ目は、複雑なステークホルダー間の合意形成です。 特に観光や移動は政府の注力領域に位置付けられていることから、市にとどまらず国交省など全国レベルのステークホルダーも絡んでいたため、GOとしての立ち位置を理解しつつ、各者の意向に寄り添いながら、GOが実現できるギリギリのラインを通していく。この調整は本当に痺れるものでした。
—— プロジェクト成功に向けて、どのような取り組みを行ったのでしょうか?
山岸:調整の局面で、徹底して意識したのはGOのバリューである「全方よし。」です。 利害の方向性が異なるステークホルダーがいる中で、誰か一人だけが負けるとか、著しく損をするような決着は避けたいと考えました。
そのための具体的な戦術として、トップをも巻き込んだ「最適なキャスティング」を行いました。 私一人で説得できないなら、会長の川鍋や、社長の中島といったトップの力も借り、その場に最もフィットする人間をアサインして動かしていく。 移動というインフラは永続的に続くものです。だからこそ、短期的な説得だけでなく、中長期でどう信頼関係を作り上げていくかを描きながら、最適なリソース配分で折り合いをつけていきました。
プロジェクト後、上司に「あのような複雑な調整を、スピード感を持って、社内をも巻き込んでやり切れたのは、素晴らしかった」と言っていただいた時、救われた気がしました。グロービス時代などに培ってきた「多くの人を巻き込み、多様な人間と対話を重ねる力」が、テック企業のGOでも武器になるんだと理解でき、ようやく自分自身に肯定感を持てるようになったんです。
「誰のために」を問い続ける。メンバーの可能性を信じる組織づくり
—— 難しい調整をやり遂げる、山岸さんの「判断軸」や「強み」はどこにあるのでしょうか?
山岸: 私の根底にあるのは、前職のグロービスで徹底的に鍛えられた「誰のために、何のために仕事をするのか」という哲学です。
先程お話した地方自治体と進めた案件も同様で、このプロジェクトはGOのためでも、市のためでも、国のためでもある。けれど最終的にいちばんの軸に置いたのは、「移動を求めている生活者が、より良い体験をできるようにする」という原点でした。学校法人という中長期的な視点が求められ、かつ多くの人を巻き込む環境で対話を重ねてきた経験が、GOでの複雑なステークホルダー調整にも活きていると感じます。
また、元来の私の性格も影響していると思います。 私は昔から、先頭に立ってガンガン引っ張るよりも、「間であれこれ動きながら落とし所を見つける」のが好きなんです(笑)。 ステークホルダーそれぞれに意見がある中で、本当に良いと思える「最適解」を選び抜き、その落としどころを作るために汗をかく。そこでの摩擦やプロセスを、むしろ面白いと感じるタイプです。プロジェクトマネジメント室長に任命された当初は驚きましたが、おそらく上司は、私が「間で様々なものをつなぎ、調整することでリーダーシップを発揮する」という適性を、私自身よりも深く理解してくれていたのだと思います。
—— 室長として、組織づくりやメンバーの育成で大切にしていることは何ですか?
山岸: メンバーの「可能性をちゃんと信じる」ことです。 PM室はプロジェクトを推進する組織であると同時に、社内へ「人材を育成し、輩出する機能」も担っています。比較的若手が多い組織なので、ここでプロマネとして経験を積んだ後、本人の希望や適性に合わせて企画部門などへ異動するキャリアパスも、裏テーマとして持っています。
PM室の仕事には、異なる領域のプロジェクトを同時並行で2〜3個担当するという特徴があります。これによりGO全体のビジネス構造を俯瞰でき、多様なスキルを身につけることができるんです。良い意味で様々なプロジェクトを試し、自分の得意・不得意を把握し、方向性を見出す。 選択肢を広く知り、その中から自分の意思で「選べるスキルセット」を身につけられるのが、PM室ならではのキャリアの描き方だと思っています。
—— そうした「メンバーを信じる」という考えに至るまでには、何かきっかけがあったのでしょうか?
山岸: そうですね。かつての私は責任感が強すぎるあまり、「こうあるべきだ」というこだわりをメンバーにも求めてしまい、人が離れていくという苦い経験をしました。その失敗を通じて、自分の小さなエゴやこだわりがいかに無意味かを知り、改めて「誰のために、何のために仕事をしているのか」という原点に立ち返るようになったんです。
私がGOに入社したのは、GOのミッション・ビジョンを実現したいと思ったからです。その大きな目的の前では、私の個人的なこだわりなど些細なことです。描いている未来に到達するためなら、自分の流儀を変えることもいとわないし、メンバーを信じて任せる。今はそう自分に言い聞かせながら、組織づくりに取り組んでいます。
変革を「創る側」にしか見えない景色がある
—— PM室の今後について教えてください。
山岸: PM室の変わらぬミッションは、GOの継続的な成長と成功に寄与すること、そしてメンバーのマインドとスキルを高める支援を続けることです。
その上で、これから注力したいテーマは「多様性」です。 GOは今後、社会の中での位置付けが変わり、より大きな組織へと進化していきます。そのフェーズで大きな価値を生み出すには、画一的ではない視点が欠かせません。 年代やバックグラウンドの異なるメンバーをPM室に迎え入れ、一人ひとりの強みを活かし合えるチームにしていくこと。それが、変化に強く、しなやかな組織づくりにつながると考えています。
—— 最後に、山岸さん個人の展望を聞かせてください。
山岸: 正直なところ、私個人としての「これがしたい」という願望はさほどありません。「求められた場所で全力を尽くす」というのが私の基本スタンスなんです。
ただ、GOに身を置く以上、この「100年に一度の変革期」をただ外から眺めるのではなく、自分の手で作っていきたいという思いは強くあります。 プロジェクトで成果を出すことはもちろん、PM室という組織のレベルアップ、あるいはそれ以外の領域であっても、GOが目指す未来のために貢献できるなら、何でもできるよう準備万端でいたい。外から「すごい変化だね」と眺めているのではなく、「中でそれを作っていく側にしか見えない景色」が必ずあるはずです。私は、その景色を仲間と一緒に見たいと思っていますね。