SABi STUDIOSドイツ支社の北山です。
SABi STUDIOSは、2019年にフラッグシップオーケストラ内の海外部門として派生し、主にヨーロッパでの撮影を担当しています。内容は映像、写真、3D、 グラフィック等、クリエイティブ領域を総合的にカバーする制作会社です。
ヨーロッパでの撮影というと情報もまとまっておらず、日本から撮影を企画し実行するのに障壁を感じていらっしゃる方も多いことと思います。このコラムでは今後複数回に渡り、SABi STUDIOSの行ってきた撮影プロジェクトやその他記事を交えつつ、少しでも多くの方にヨーロッパの情報を制作会社からの視点でお伝えしていければと考えています。
今回はSABi STUDIOSとは一体どんな組織なのかを、拠点のベルリンに関しての情報と所属クリエイターの紹介を交えお伝えしていきます。
(拠点のベルリン、ランドマークはベルリンテレビ塔)
まず、SABi STUDIOSは拠点をドイツ連邦共和国のベルリンという都市においています。ドイツはEU諸国の中でもトップクラスに経済基盤が強く、かつインフラ等もしっかりとしています。しっかりとした真面目な国民性も合わせて、ドイツ語だけでなく英語もある程度通じるといった点で、特に不自由なくビジネスを行える場所になっています。
ベルリンはドイツの首都になります。ここは現在では多くのアーティストが集まる都市として世界的に有名です。大都市にしては割安な家賃や生活費の安さが魅力で、夢を求めて絵描きや写真家、デザイナーなど世界から多くのアーティストが集まるカルチャーがこの四半世紀続いてきました。しかし、ここ数年は物価上昇に伴い、最低賃金や家賃は年々上がっており、古くからのベルリナー(ベルリンに住む人への愛称)はこういった動きによってクリエイターが自由に活動していた素地が無くなりつつあると悲観的に捉える意見もあります。現在進行形で発展途中の都市なので、いまだに世界中のクリエイター憧れの地であることには変わっていないというのが私個人としての実感です。
SABi STUDIOSは、特にハイレベルなクリエーションが求められる案件に特化したチームの編成を目指しています。このベルリンという都市は前述した通り、世界中のアーティストが集まる都市です。映像や写真の世界基準のレベルを創り上げることのできるメンバーを集めるミッションもこの都市では可能になっています。
それではもう少しSABi STUDIOSに関する理解を深めて頂くためにも、所属クリエイターを何名かご紹介したいと思います。
◆Tim Kochs/映像監督
(Tim監督映画『Milch Kaputt』)
ドイツ生まれのTimはベルリン気鋭の若手映像監督です。
ベルリンおよびポツダムに本部を置く公共放送局ベルリン=ブランデンブルク放送にて監督した映像Milch Kaputtが放送され、この映像作品はベルリンの映画祭Achtung Berlin Festivalにおいて賞を受賞しています。映画監督ではありますが、脚本構成もできるマルチな才能を持っています。
バランス感覚に優れているため、クリエイティブと要件定義を上手くコントロールしなければならない企業コマーシャルでも才能を発揮しています。
◆AHMET SERIF YILDIRIM/3DCG クリエイター
(Sherifの手がけるCG)
トルコ生まれのSerifはドイツとトルコの両国で国際的に活躍している3DCGのアーティストです。3DCGは要件定義から始まり、最終的にどこまで新鮮でセンスのあるものを作れるかが求められます。彼は日本語を話せませんが、SABi STUDIOSの日本人クリエイティブディレクターとリレーションを取りつつ日系企業のお客様からご満足頂けるような実績を作っています。日本人クリエイターの作るものとは違ったテイストなど新鮮さを感じて頂けるクリエイターです。
◆Shinichiro/フォトグラファー
日本とEU圏で活躍するファッションフォトグラファーです。数多くのファッション誌で撮影を手がけつつ、ファッションブランドのワールドキャンペーンを担当する若手注目株です。日欧問わず様々なクライアントワークを手がけるクリエイターですが、個人のアートワークにも力を入れており、今年は写真集や写真展が企画されています。
コマーシャル一辺倒にはならないところが、ベルリン在住クリエイターの特徴の一つかもしれないですね。
◆Beatrice/アート・クリエイティブディレクター
(Beatriceが手がけたドイツ保険会社の広告。チューリッヒにて)
スイス出身のアートディレクター、クリエイティブディレクターのBeatrice。
彼女はスイスの名門芸術大学HEAD Geneveの博士課程を卒業、ドイツや日本のクライアントワークを様々手がけており、駅貼りポスターから企業のブランドイメージ構築まで一貫してデイレクターとして関わります。ビジュアルデザインをコンセプトから創り上げることができるので、プロジェクト初期はクリエイティブディレクターとして要件定義を受けた企画立案をし、プロジェクトが動き出せばアートディレクターとしてデザインを自ら作り上げる事が可能です。
今回は全クリエイターの紹介はできませんが、受賞経験や技術経験共に優れたクリエイターを抱えています。出身国も豊かでドイツ、ポーランド、スイス、イタリア、フランス、トルコ、インド、日本、アメリカとまさにインターナショナルなチーム編成ができています。ベルリンというクリエイターの街に集まってきた才能を集め、お客様に日本品質のきめ細やかなサービスを提供するというのがSABi STUDIOSのコンセプトです。
今後もドイツでの撮影はもちろん、ヨーロッパその他の地域で実際の撮影を通して感じたことや課題感なども交えて定期的に配信していきます。