弊社Daisybell Japanの星野は、建築系専門商社での法人営業を経て、リクルートでホットペッパービューティーの営業として銀座・港区など東京の中心エリアを担当。新規開拓の最前線で営業力を磨いた後、営業組織がまだ形になる前のDaisybell Japanに、初期の営業メンバーとして参画しました。
現在は新規開拓から提案後の要件整理、契約後のカスタマーサクセスまでを一貫して担当し、日々お客様と向き合っています。
その星野に、全3回にわたって話を聞きます。第1回は、営業としてのキャリアの原点から、Daisybell参画の決断、そして商談の最前線でお客様が抱く不安と、Daisybellが選ばれる理由まで。「営業の現場のリアル」です。(聞き手:Daisybell Japan 広報担当)
目次
1. 工場勤務から、無形商材の営業へ
── まずはキャリアの原点と、営業職を選んだ理由から教えてください。
星野:大学を卒業して、一社目はものづくりを行っている会社に入社しました。工場勤務だったのですが、もっと外に出て人と話したい、そして自分自身の市場価値を上げていくなら営業だ、という思いが強くなっていきました。初めて営業をやるなら、まずは扱いやすい有形商材から力をつけたいと考え、建築系の専門商社に転職したのが営業としてのスタートです。
── その後、建築業界の大手を経てリクルートへ。どんな狙いがあったのですか。
星野:二社目でご一緒した会社から評価いただき、建築業界でナンバー3に入る規模の専門商社(三社目)に移り、より高いレベルで営業力を試しました。ただ、そこで次に考えたのが「難しいとされる無形商材で通用するのか」でした。営業会社として有名で、独立精神の強い人が集まるリクルートで、自分の人生の強みになる経験を積みたい。そう思ってホットペッパービューティーの営業に飛び込み、銀座・港区・中央区・千代田区といった東京の中心エリアを担当しました。
2. アポ獲得率10%の同期── 飛び込みで見つけた突破口
── 一番の挫折や修羅場を挙げるとしたら、何でしょうか。
星野:やはりリクルートでの経験です。新人は入社直後、新規開拓がメインで、1日最低でも20〜30件の新規架電がマスト。電話をかけ続けること自体は苦ではなかったのですが、なかなかアポイントが取れませんでした。
一般的にアポ獲得率は2〜3%と言われる中で、同期には10%に近い数字を出す人もいた。同じ立場でこれだけ差がつくのかと、入社直後に大きな壁にぶつかった感覚でした。
── そこから、どう抜け出したのですか。
星野:営業として一皮むけた転機でもあります。みんなが電話でアポイントを取りに行く中で、自分が電話で勝負しても勝ち筋は作りにくいと考えました。それなら、と発想を変えたんです。みんなが電話をしている時間に、自分は直接サロンへ飛び込む件数を増やす。「この業界・このエリアにはこういう特性がありそうだ」と仮説を立ててアプローチし、新しく開店したサロンは誰よりも早く訪ねる。そうした積み重ねで、アポイントも受注率もかなり上がっていきました。
── その経験は、今のDaisybellの営業にもつながっていますか。
星野:はい。業界の選定、課題の仮説立て、どの立場の人にどんなユースケースをぶつけるか。接触前の事前準備と、接触後にお客様の課題を掘り当てていく作業は、約3年半の営業で身についた土台そのものです。

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3. 何もないところから作れる── 立ち上げ期のDaisybellへ
── Daisybellとの出会いと、参画の決め手を教えてください。
星野:知人を介して、当時の経営メンバーを紹介していただいたのがきっかけです。入社した当時は、営業組織も会社の体制も、何もかもこれから作っていくというフェーズでした。完成された組織に入るというより、自分自身がこれから会社の中核になっていけるポジションで働きたいと思っていたので、まさに作り上げていく環境はとても魅力的でした。
営業として商品を売るだけではなく、営業の仕組みから作り、現場で得た声をそのままプロダクトに反映していける。場合によっては採用やコーポレートにも携われる。今の自分のキャリアを考えても、これ以上ない選択だったと思います。
── スタートアップに飛び込む不安はありませんでしたか。
星野:もちろんありました。休みもないくらい働く方の話も聞いていたので体力面の心配もありましたし、コーポレート系の業務は未経験で、自分がどこまで通用するのか不安もありました。ただ、これから必ず伸びていくAI業界で働く、ということは自分の中で決めていたので、不安はあっても迷いなく入社を決められました。
── 初めてデモを聞いたときの印象と、音声AI市場の見立てはいかがでしたか。
星野:率直に「ここまで進化しているのか」と驚きました。自動音声のようなものは聞く機会が増えていましたが、ここまで人間のように話すAIに日常で触れたことはなかったので。
市場としても手応えがありました。日本は人手不足と採用難が続いていて、海外ではこれまで人が担ってきた業務をAIが担う動きが活発化しています。日本でもこの1〜2年で、人手の足りない領域からAIの活用が一気に進む。電話のAIは、これから間違いなく主流になっていくという感覚がありました。
4. 初期メンバーの役割── 売って終わりにしない営業
── 現在の役割と、営業が契約後まで担うことの意味を教えてください。
星野:メインは営業ですが、新規開拓の前段階である業界の選定や競合の調査から始まり、提案後の要件整理、契約後の導入・カスタマーサクセスまで携わっています。契約を取って終わりではなく、実際にお客様の業務で使える状態にし、さらに良くしていくフォローアップまで担う形です。
営業の段階で伺った課題や目的を、そのまま導入まで引き継いでいける。これは、担当が分断されない体制ならではの強みだと思っています。
── どんな企業・部門から相談が来ますか。
星野:業界は絞られていません。コールセンター、EC・通販、不動産、ホテル、医療、美容、採用など、本当に業種を問わず、共通しているのは一定の電話業務を持っている企業だということです。窓口も、コールセンターの責任者、事業責任者、DX部門、情報システム部門、経営者の方が直接というパターンまで様々で、日本ではまだAIが浸透しきっていないぶん、決まった部署ではなく幅広い方と関わっています。
── この1年で、問い合わせの質は変わりましたか。
星野:各企業でAIを用いたDX化がかなり進んできています。当初は「AIで電話ができるんですね、すごい」という反応が中心でしたが、今は打ち合わせで「この前こういう会社の話を聞きました」「展示会でこんな事例を見てきました」と言われることが増えました。企業側のAIへの関心と解像度が、明らかに上がってきていると感じます。

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5. 「できないこと」を先に言う── Daisybellが選ばれる理由
── 商談でお客様が最初に口にする不安には、どう答えていますか。
星野:多いのは「どこまで自然に会話ができるのか」「想定外の質問にどう対応するのか」「セキュリティや個人情報は大丈夫か」、それから「クレーム対応や感情の読み取りはできるのか」「高齢のお客様でも会話できるのか」といった声です。加えて日本企業で特徴的なのが、海外と違ってリストラを前提に考える企業はほとんどなく、むしろ「AIを入れたら人員を削らないといけないのでは」と心配される方が多いことです。
そこには、すべてをAIに置き換えるのではなく、人で足りない部分をAIが補い、人はコア業務に集中できるようにする、というお伝えの仕方をしています。あくまでAIと人とのハイブリッドで考えましょう、という切り口です。
── デモを見せた瞬間の反応は、良い面・厳しい面それぞれいかがですか。
星野:良い反応で多いのは「思っていたより自然ですね」「本当にAIなんですか」という驚きです。少し突飛な質問をしてもAIはあまり脱線せず答えるので、突発的な対応力にも良い反応をいただきます。一方で厳しい反応もあります。回答までの間が気になる、言葉の選び方やイントネーションに人間と比べたときの違和感がある、といった指摘です。日本語ならではの言い回しの難しさは、正直まだ課題として受け止めています。
── 比較検討の末に、Daisybellが選ばれる決め手は何でしょうか。
星野:比較対象は音声AIだけではありません。IVR(自動音声応答)、BPOへの外注、人材派遣や自社での人員強化、チャットボット、場合によっては自社開発まで、選択肢は幅広いです。その中で評価されるのは、まず他社の音声AIと比べたときの会話の自然さとレスポンスの速さ。Daisybell 音声AIエージェントは世界水準の音声AIで、各市場を代表する大規模なエンタープライズ企業様で鍛えられてきた技術が土台にあります。
もう一つが価格です。他社に比べてかなり安価な初期費用・ランニングコストで始められる点も、最終的な決め手となっています。
── あえて「Daisybellにできないこと」を先に伝えるのは、なぜですか。
星野:「AIは何でもできるんでしょう」とお考えの方がまだ多いので、100%すべての問い合わせをAIで完結させることは前提にしていない、とお伝えしています。複雑な判断、感情的なケア、高度な個別判断が必要な業務は、まだ人が担った方がいい。だからこそ、そこに人員を割けるように、他の部分をAIでご提案します。
できないことを正直にお伝えするほど、結果的にお客様との信頼関係につながると考えています。できること・できないことが明確になると、「ここは人に残そう」「この場合は有人転送にしよう」と、具体的なイメージを持って要件を固めていけるからです。
── これまでで一番印象に残っている商談を教えてください。
星野:現在担当している、コールセンター事業で豊富な実績を持つ企業との商談です。最初から「AIで人件費を削減したい」という話ではまったくなく、アウトバウンド(発信)の現場で活躍できるAIを早い段階で構築できれば、それ自体が自社の強みになる──そこを見据えて導入を決めていただきました。
一般的な商談では「どれだけ人間らしいか」「どれだけ賢く答えられるか」を見られることが多いのですが、この企業は「必ずしも完璧に人間らしくなくていい、むしろ機械的でいい」という柔軟な発想をお持ちでした。コールセンターとして豊富な実績があるからこそ、どんな話し方なら聞いてもらえるか、どの切り返しが有効か、どのタイミングで転送すべきか、といった知見を持ち寄って一緒に作り込める。
「導入して早く実績を作る」のではなく、「一緒にアウトバウンドできるAIエージェントを育てていく」という感覚が、強く印象に残っています。
(次回へ続く)

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