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内製での独自技術、月1,000万件超の通話量に対してAIを提供してきた実績、そして現場のノウハウ。人と区別のつかない会話は、偶然には生まれない。
コンサルティングファームでのAIプロジェクト立ち上げ、AIスタートアップの経営とIPO、そしてAI BPO企業の創業——約9年にわたりAI業界の最前線を歩んできた周涵。自らユーザーとしてDaisybellを使い込んだ末に、チームごとDaisybellグループへ参画し、Daisybell Japanの代表取締役に就任しました。
今回のテーマは、Daisybellというプロダクトの実力です。音声AI市場に競合がひしめく中で、なぜ「人と区別のつかない自然な会話」が実現できるのか。導入現場で何が起きているのか。「外からユーザーとして見ていた目」と「中に入って確信した目」の両方の視点から、周 涵にインタビューしました。(聞き手:Daisybell Japan 広報)
1. 外から見たDaisybell── 「非常に強いチーム」という第一印象
── 音声AI市場には競合が多数あります。Daisybellを外から見ていたときの第一印象は何でしたか。
周:「非常に強いチームがいるな」という印象です。まずファウンダーが非常に経験豊富で、グローバルでもトップレベルの起業家です。経営陣が強い。そして開発チームも、この領域での経験値が豊富で、実績を十分に持っているメンバーが揃っています。
非常にグローバルな組織体制のもと、世界最先端の音声AIの開発をリードしています。その技術を世界6拠点の体制でアジアをはじめ各市場に展開している。この開発力とグローバル体制を持つチームが、非常にハングリーさを持って、スピード感を持って業務に取り組んでいる。競争が決して少なくない市場ではありますが、これなら十分戦っていける、非常にパワフルなチームだという印象を持っていました。
── 音声AI市場そのものは、いまどのような状況なのでしょうか。
周:グローバルで見ると、音声AIはいま最も勢いのある領域のひとつです。海外に目を向ければ、ElevenLabsやDeepgramのような音声基盤技術のプレイヤーから、Sierra、PolyAI、Decagon、Sendbird、Gradiumといった顧客対応領域のプレイヤーまで、有力企業が次々と台頭し、大型の資金調達と急成長を続けています。世界中の投資家と起業家が、この市場の急伸を確信しているということです。
電話やカスタマーサポートは、世界中のあらゆる企業に存在する業務です。それだけ市場の裾野は広く、音声AIは今後数年で一気に立ち上がる、大きなチャンスのある市場だと見ています。
また、我々は音声AIだけではなく、そこを入り口に、実際の業務システムの操作なども自律型AIエージェントで行う一気通貫のソリューションを提供しており、お客様対応業務すべてを丸ごとDX化しています。
我々は、まさにこのグローバルの競争環境を前提として開発と事業展開をしています。世界の最前線と同じ土俵で磨かれているプロダクトを、日本のお客様にお届けできる。ここは我々の大きな特徴だと思います。
── ユーザーとして使っていたからこそ、見えていたこともありますか。
周:あります。実際に業務で使うと、デモでは分からない部分——日々の運用での安定性や、要望への対応スピードが見えてきます。改善のサイクルが速く、こちらの要望が着実にプロダクトに反映されていく。使う側として、その進化のスピードを体感していたことが、後に参画を決める際の確信にもつながりました。
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2. 差別化の正体── 内製技術と、月1,000万件超の通話実績
── 「人と区別のつかない自然な会話」は、技術的に何が違うから実現できるのですか。
周:他社も当然同じところを目指している中で、我々ができている理由は2つあると捉えています。
1つ目は内製です。AIで人間に近い会話を再現するには、実はさまざまな技術要素の組み合わせが必要で、その一つひとつがうまく噛み合って初めて成立します。我々はこの技術の大半を完全に社内で内製しています。外部の技術を組み合わせるだけでは、どうしても細かい調整に限界がありますが、内製であれば細部までチューニングでき、スピード感を持って改善できる。トータルとして最適な形で技術を活用し、それぞれの技術要素のポテンシャルを引き出すことができています。
2つ目はノウハウです。音声AIやコールセンター向けソリューションを長年手がけてきたチームがやっている、ということです。コールセンターの現場には、音がうまく聞き取れない、お客様が言いたいことをうまく整理できない、といったさまざまなハードルが存在します。それを認識した上で、技術でどう解決するかという細かいノウハウを、実際に経験してきたメンバーが開発とデリバリーを担っている。
お客様の要望や要件に対して細かいチューニングやノウハウの反映ができることが、単に技術を持っているだけの会社との大きな違いです。
── 会話の品質は、どのように磨かれ続けているのですか。
周:我々はグローバル全体でこれまで月間1,000万件を超える通話量をAIで処理してきた実績があるチームのもとで運営をしており、この規模の通話データから得られるノウハウや顧客フィードバックを、継続的に製品改善へ反映しています。
音声AIの品質は、リリースした時点で完成するものではなく、実際の運用の中で磨かれ続けるものです。世界中の現場から集まるデータの量と多様性が、会話の自然さを日々進化させる原動力になっています。
── 実際の通話で、顧客がAIだと気づかなかったというエピソードはありますか。
周:会話の相手が我々のソリューションだとは気づかない、という事例は着実に増えてきています。実際にデモ動画をご覧いただくと分かるのですが、かなりクオリティの高い自然な会話ができていると思います。
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3. 受電も、架電も、多言語も── 現場のリアルに合わせた設計
── 受電・架電の両対応ができることは、業務上どんな違いを生みますか。
周:コールセンター業務では、受電と架電の両方を行っている会社が実は多くあります。さらに、電話で受けた内容をもとに別の業者さんに電話をかける、というように受電と架電がつながったユースケースもあります。
受電だけ、架電だけのツールでは、業務の一部しか置き換えられません。両方に対応し、しかもそれらを連続した一つの業務として処理できることが、現場の実態に合ったソリューションであるための条件だと思っています。
── 多言語対応は、日本企業のどんな場面で価値を発揮しますか。
周:日本企業でも、国内に住まわれている外国籍の方々からの問い合わせ対応や、インバウンドのお客様からの予約対応など、日本語以外の言語が求められる場面は増えています。
多言語のオペレーターを常時確保するのは、人手不足の中では非常に難しい。AIであれば、その体制を無理なく実現できます。多言語対応は日本企業に限らず、さまざまな会社のさまざまな場面で価値を発揮すると捉えています。
── 世界6拠点で開発する体制は、プロダクトにどう効いていますか。
周:世界各地で開発し、世界各地で活用されていることの効果は大きく2つあります。1つは価格です。開発の費用を1つの地域だけで負担する必要がないので、各地域ごとに単価を下げて、リーズナブルな形で提供できます。
もう1つはフィードバックです。各市場で上がってくるユースケースの中には「これは他の国でも適用できる」というものが数多くあります。さまざまなアングルから多くのお客様のフィードバックをもらえることは、プロダクトを良くしていく上で非常に重要で、この多拠点体制がプロダクトに効いていると思います。
加えて日本には日本のエンジニアチームがあり、日本語特有の言い回しや敬語表現、日本の商習慣に対する細やかなチューニングと、継続的な製品改善を行っています。
グローバルの開発力と、ローカルの調整力。この両輪がプロダクトの完成度を支えています。
── アジアで拡大している要因を、どう分析していますか。
周:我々はいまアジアを中心に事業展開しており、アジアそれぞれの商習慣、それぞれの言語に合わせて開発し、実際に自然な会話を実現することに強くフォーカスして取り組んでいます。シリコンバレー発のプロダクトの多くにとって、アジアの言語対応は優先度の低い「おまけ」になりがちですが、我々は逆で、ここが主戦場です。それが結果としてアジアの様々な地域で評価をいただき、新規のお客様の獲得につながっているのだと捉えています。
4. 導入企業で起きていること── 応答率100%と、「代理店になりたい」という声
── すでに導入・実証が進んでいる企業には、どのような業種・規模の企業がありますか。
周:電話での問い合わせが発生する業態、特にBtoCのお客様であれば、基本的にはすべての業種が対象になります。実際に、大手のエンタープライズから地方の企業に至るまで、幅広い範囲で導入が進んでいます。
各地域市場を代表する様々な企業にご導入いただいています。小売、金融、ホテル、プラットフォームと業種もさまざまで、それだけ幅広い業務に適用できるということです。今後、導入事例の記事もどんどん発信していきますので、ぜひそちらもご覧ください。
── 導入までは、どのような流れで進むのですか。既存システムとの連携も気になります。
周:まずお客様の業務とご要望を伺い、どのユースケースから始めるかをすり合わせた上で、実際の業務に合わせたチューニングを行い、実証を経て本番運用へ進みます。夜間対応だけ、特定の問い合わせだけ、といったスモールスタートも可能です。
システム連携についても、CRMをはじめとする既存の業務システムと柔軟に連携できます。API接続は平均で約1か月未満と、短いリードタイムで完了しています。電話対応は単体で完結する業務ではなく、顧客情報の参照や対応履歴の記録とセットになっているものです。
既存のシステムを入れ替えることなく、いまの業務の流れの中にAIを組み込めることは、導入のハードルを大きく下げていると思います。
── 導入企業は当初、AIによる電話対応に不安を持っていませんでしたか。
周:AIに対する不安をお持ちのケースは確かにあります。「本当にお客様に失礼なく対応できるのか」「自社の業務の複雑さに対応できるのか」といった声です。
ただ、導入にあたって実際に開発したものに触れていただくと、我々のソリューションのクオリティにご納得いただくケースがほとんどすべてです。実物を見ていただければ不安は解消される。ここは非常に自信を持っています。
── 導入後の反応で、最も印象的だった現場の声を教えてください。
周:印象的だったのは、これまで人力ではすべての電話に対応しきれていなかった現場で、かかってくる電話を100%拾い上げ、そのうち90%以上をAIが自動応答できるようになったお客様です。取りこぼしていた電話の一本一本は、お客様からの問い合わせであり、ビジネスの機会です。それをゼロにできたことで、業務が劇的に変わったと言っていただきました。
さらに印象的なのはその先で、「自社への導入にとどまらず、これを多くの企業に紹介したい」「自分たちも代理店的に動きたい」という声を、複数のお客様からいただいていることです。自社で導入して満足し、他社にも紹介したい、さらには自社で売りたい——この反応こそが、我々のプロダクトへの評価の表れだと捉えています。
── 応答率・自動化率・コスト削減など、定量的な成果はどの程度出ていますか。
周:AIですので、そもそも「電話が取れない」ということが基本的にありません。応答率は100%を実現できます。AIだけで解決が完結する割合も、最大で95%近くまで上げられています。コスト削減については、最大で90%以上というインパクトが出ているケースも出てきています。
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5. まだできないことと、事業としての本質的な強さ
── 大手企業が「後発のDaisybell」を選んだ決め手は、何だと分析していますか。
周:3つあると思います。お客様のニーズに合わせてかなり柔軟にカスタム開発を行っていること。リーズナブルな価格で提供できていること。そして純粋にプロダクトの品質が高いこと。この3点を総合的に評価いただいて、ご導入いただいていると捉えています。
音声AIは、実際に聞いて、話してみれば品質の差が分かる領域です。後発かどうかよりも、いま目の前で最も自然に会話できるのはどれか。お客様はそこをシビアに見ていらっしゃいます。
── 逆に、Daisybellが「まだできないこと・向かないケース」は何ですか。
周:現状、完全に人間を超えることはまだ難しい領域があります。アウトバウンドの電話で、プロの営業パーソンと同じ水準の営業電話をすることはなかなかできませんし、人間でも回答に迷うようなことがAIにできるわけでもありません。そこはまだまだブラッシュアップが必要です。
だからこそまずは、比較的シンプルなアウトバウンドコールや、問い合わせ内容がはっきりしているインバウンドのコールセンターを中心に広げていく。
AIがいまできることの限界値を踏まえながら、着実に事業を拡大していきたいと考えています。
── 事業をつくり、経営してきた経験から見て、このプロダクトの「事業的な強さ」はどこにあると思いますか。
周:コストインパクトがはっきり出ること。これが本質的な強みです。AI系のソリューションは、導入しても費用対効果が分からないケースが実は多い。一方で我々のソリューションは、導入すれば、いま電話業務にあたっている方々が別の業務を行えるようになり、その分のコストを確実に浮かせることができます。
例えば売上100億円くらいの会社に月額100万〜200万円のSaaSを提案しても、IT予算の都合上なかなか難しいのが普通です。ただ我々が提案しているのはIT予算ではなく、人件費そのものの代替です。その規模の会社がカスタマーサポート対応に毎月数百万円を投じていることは珍しくありません。そのコストが半減できるなら、我々に月々100万〜200万円を支払うことは、むしろ生産性の高い投資になります。
だから幅広い規模の会社に事業機会が存在しますし、ROIが非常に明確なので、一度導入して効果を体感すると「やはりやめる」ということが特にない。AIの導入を「コスト」ではなく「投資」として説明できる。事業機会が広く、差別化しやすく、解約されない。非常に強いプロダクトだと捉えています。
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