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台湾進出すべき?台湾のマーケット戦略をまとめてみた

こちらの記事は2021年3月19日に弊社がリリースした記事の内容です。

東京から飛行機で約4時間と日本から気軽に旅行に行ける台湾ですが、実際に台湾に住んでいる筆者から見ても、街で日本製品や日系企業を見かけることも多く、すっかり台湾社会に浸透しているのを肌で感じます。今回は海外進出を検討されている企業の方に対して、台湾進出のメリットや実際に台湾進出して成功を収めている例も交えながらご紹介したいと思います。

台湾進出するメリットとは?

①日本企業が進出しやすい環境が揃っている

一つは、台湾では日本と同じようなSNSプラットフォーム、Webサイトが制限無く利用できる点です。台湾で未だ大きな影響力があるのはFacebook、LINE、Twitter、Instagram、YouTubeはもちろんのこと、越境ECを行うには便利なECサイトプラットフォームShopifyも台湾では同じように利用できます。

また地理的にも文化的にも近いということもあり、多くの台湾人から受け入れやすいということも挙げられるでしょう。三越やそごうなどの日系デパートが台湾に出店しているだけでなく、インテリア小売業大手である「ニトリ」もその一つの例です。実際に海外進出当時の台湾ニトリの責任者の方がインタビューの中で「文化的にも日本に近く、日本ブランドが比較的受け入れられやすいなどの点を考慮し、台湾に進出することに決めた」と語られています。また2020年末に発表されたニトリの決算資料を見ると、世界各国で出店されていますが台湾では33店舗現時点で出店しており今後も増加傾向で、世界で最も進出しているのは台湾となる予定です。

そして台湾でも人気の「無印良品」を展開する株式会社良品計画も、中国に次いで台湾は2番目の店舗数。最近話題になったニュースとして、台湾で最も店舗数が多いスーパー「全聯福利中心(Pxmart)」の中に無印良品の店舗が併設される形態での出店が発表され、今後は台湾の各都市にも同様の店舗が展開されるようです。このニュースから見ても、無印良品がいかに台湾ローカルにしっかり浸透しているかが分かると思います。

②投資市場としても右肩上がり。コロナ収束後は回復が見込まれる

日本からの台湾市場進出もどんどん拡大を続けており、2018年度の投資金額が15.2億米ドル(日本円で約1600億円)と日本企業の進出が相次いだ2007年を上回って過去最高になりました。2020年は新型コロナウイルスの影響があったものの、それでも9.64億米ドル(約1000億円)を記録しています。

JETROが出している資料を見てみても、台湾に進出してアンケートに回答した258社のうち約90%以上の企業が営業利益で黒字もしくは均衡と回答しており、10年単位で見ても黒字企業の割合が安定して70%を超えています。

ちなみに世界が軒並み新型コロナウイルスの影響で成長が落ち込む中、2020年の台湾のGDP(実質域内総生産)は前年比2.98%と世界中でも珍しい成長率を押し上げた国として世界を驚かせました。また2月20日に台湾政府が発表した2021年の実質域内総生産(GDP)成長率も前年比で4.64%増加する予測で上方修正しておりますので、今後も高い経済成長が期待できる国といえるのではないでしょうか。

③自由に旅行に行けない今…台湾人がとにかく日本に飢えている!

台湾からの日本向けのインバウンド記事でもご紹介した通り、台湾における日本旅行は大変高い人気を博しています。新型コロナウイルスの影響で自由に渡航できない中、2020年7月に行われたある調査で「今一番行きたい外国」の第一位に日本が選ばれ、67.4%が答えました。

写真は台湾進出しているフランス系スーパー「カルフール」が去年日本食品を集めた期間限定催事をやっていたときの様子。これ以外にも台湾国内各地のデパートでは「日本物産展」が開催され、関連したネットニュースでも日本の人気の食べ物が多く紹介されています。実際に「疑似日本旅行」が味わえる日本と韓国展の業績が20%アップしたというニュースも報じられ、その中でも毎日200名限定で販売されていた長崎の福砂屋のカステラが開場時間と同時に長蛇の行列ができ、瞬殺で販売終了したという景気の良い話も話題になりました。


現在台湾進出している企業・商品事例をご紹介

①ドンキホーテ

現在台湾で最も熱い日系企業といえば2021年1月19日にオープンしたドンキホーテの台湾第1号店「DON DON DONKI 西門店」です。台湾の若者が集まる街・西門町に3フロア展開でオープンした「DON DON DONKI 」ですが、開店後は深夜2時でも行列ができるなど最大5時間待ちまで記録するなど、大変盛り上がりを見せています。

運営元のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス公開した資料によると、オープンから半月で、いちごだけで約1200万円、みかんだけで308万円を記録し、全体売上が約2億5000万円という驚異的な売上を記録。2024年6月までの予定では台湾国内に残り5店舗進出する予定しています。

ドンキホーテの台湾進出を心待ちにしていた筆者も「台湾人が故郷に帰る旧正月なら人が少ないだろう!」と見込んで足を運びましたが、午前中にも関わらず長蛇の列!かなり並びそうな様子だったため、結局未だに足を運べていません…。

②大正製薬風邪薬「パブロン」

出典:大正百保能パブロン 特設ページ

日本の商品を海外で販売する際に大きな問題となるのが、食品規制や薬事法など現地との法律の違いです。台湾で人気の日本製品として医薬品もその一つになりますが、中でも大正製薬の風邪薬「パブロン」は台湾でも大きな成功を収めている事例です。

以前から台湾でパブロンの人気が非常に高く、ある旅行者の方が日本からパブロンを大量に購入して帰国したところトラブルとなりニュースとして報道されたこともあります。

というのも、実は日本のパブロンは、台湾の薬事法に引っかかるためそのまま販売することができません。そのため大正製薬は台湾進出するに当たり、台湾の薬事法に基づいた台湾版パブロンを発売しました。その結果、現在は台湾の街中で見かけるドラッグストアでも必ず置いてある商品といつでも購入できる商品となりました。実際に台湾人の同僚と話しても「パブロン=風邪薬」と認識されており、しっかり台湾の市場に根付いているのを感じる商品です。

③越境EC×インフルエンサーで売上爆増!アランxアーネスト

海外進出する上で最も大事なのは、それぞれの地域に合わせたプロモーションを行う必要があります。なお台湾進出する場合は、テレビよりもSNSが台湾では強い影響力を持っているということを理解しておく必要があります。今回、台湾向けプロモーションの一環として台湾のインフルエンサーを起用した結果、大きく成功した事例をご紹介します。

関連記事:圧倒的な影響力を誇る台湾のSNS事情。テレビ局もネット配信の時代へ?

新潟県の燕三条といえば、日本でも有数の作業工具、刃物といった金属製品が有名な「金物の町」ですが、三条市に本社がある「アーネスト」はキッチン用品などを販売している会社です。今回海外進出の一環として、越境ECサイトを開設。

そしてプロモーション施策として、YouTubeチャンネルで日本の情報を発信している日本在住台湾人クリエイターの阿倫とコラボレーションを実施しました。

動画内では阿倫が新潟まで足を運び、燕三条が日本では金物の街として有名なこと、そしてアーネストがさまざまなキッチン雑貨を販売していることを紹介した上で、実際にアーネストの中華鍋を使って料理を行う様子を紹介。動画を見た視聴者からは「この鍋すごく良いですね」「わぁ!買いたい!」などという好意的なコメントがたくさん寄せられました。

動画は公開から2ヶ月足らずで16万再生を突破!動画公開後は、中華鍋をはじめとするキッチン用品の注文が越境ECから殺到し、動画公開前と比べて海外からの売上が増加。購入層も台湾だけでなく、香港、中国、マカオ、東南アジア各国などと阿倫の視聴者層の広さを反映した結果となりました。

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