桜の綺麗な春のこの頃、皆様どうお過ごしでしょうか。
これからお休みの方も、これからお目覚めの方も、こんにちは。
アンドトランク株式会社長野店勤務の越でございます。
今後、ブログをたくさん投稿していく次第ですので、宜しくお願い致します!
入社して2年が経ち、様々な買取をしてきました。
当社の扱う品目であるカメラ、楽器、オーディオetc...
ご売却される理由も様々で
「新しいものに買い替えるから」
「ゴミとして出すのが面倒だから」
「少しでもお金になるのなら」
などなど...
今回お話させて頂くお客様は
「浸水してしまった家にあるオーディオ商品などを片付けてほしい」
台風での水害にあったお客様からの依頼
2019年10月12日、日本に台風19号が上陸し、各地で台風の上陸の被害がありました。
長野も例外ではなく、千曲川が氾濫し、3878世帯が被害に。
当時私も被災地付近に住んでおりましたが、ニュースで見る光景がまさか自分の地元で見ることになるなんてとショックを覚えました。
見慣れた光景が水没し、上空には救助ヘリが何機も飛んでいる。
幸い、死者は出なかったものの、ほとんどの家屋が半壊、または全壊となってしまう未曾有の災害。
未だに思い出します。
台風19号から2年半経った頃、査定依頼があり、担当は私がすることに。
指定された住所に着くとそこは災害のあった赤沼地区。
お客様に案内され、ご自宅に上がると、コーティングされていない床と資材があちこちに。
「現在リフォーム中でね。柱は生きているのは残して、あとは床を張り替えてるんだよね」
とお客様。
商品があるお部屋に案内されましたがそこにあったのは依頼されたオーディオのみ。
商品は違いますが、このような感じで置いてあったかと思います。
とりあえず持ってきたとの事なので、査定を始める。
査定をしている間、普段ならお品物の思い出話になるのですが、その時は
「この柱見てよ。この高さまで水がきたんだよね」
柱を見るとそこには水の跡がくっきりと残っていました。
おおよその高さは140cm~150cmほどの高さ。
それほどの高さの水が夜中から明け方にかけて押し寄せてきたと思うとゾッとしました。
お客様も
「まさかこんな災害が長野で起こるなんてね。信じられないよ。」
真夜中にあんな事が起きて、起きたらあんな光景が広がってる。誰もが信じられないような出来事。
ましてや当事者なら尚更です。
お客様はこう続けました。
「でもいつまでも感傷に浸っていられないし、色々片付けようと決めてから何日か過ぎた時に壊れていても大丈夫って広告見たんだ」
「災害で壊れてしまって、想い入れもあるから捨てるのも忍びなかったし、大げさだけど想いを継いでくれるならと思って今回依頼したんだよね。来てくれてありがとう。」
水害により、いつもの風景が非日常の風景となってしまい、以前と同じ日常に戻れなかったりする方たちがいます。
それでも少しずつ、以前と同じ日常を過ごせるようにと、多くの方が同じ気持ちでいると思います。
私もその内の一人です。
査定したお品物はオープンリールデッキ、アンプ、チューナー、ターンテーブル、スピーカーの計4点、全て水に濡れ壊れていた為、結果としては、数百円ほどでありましたが、お客様は何度も「ありがとう」と私に伝えてくれました。
お客様の「ありがとう」の言葉を受け、力になれたのかと思うと嬉しくなり、少し涙が出ました。
契約書を記入してもらい、お品物を積込み、お客様のご自宅を出ました。
ただ買い取るだけではなく、想いを繋ぐのも私たちの仕事
私たちの仕事はお客様からお品物を買取らさせて頂く事です。
ほとんどのお客様はご不要になられてご依頼をされる方が多数となります。
ですが、中にはお品物を使ってきた「想い」を受け継いでくれる人を探している人もいます。
私たちはお客様のその「想い」をしっかりと受け、お客様に満足して頂けるよう、これからも動き続けます。