格闘家に社長が近づいてくる理由|取締役の誘いを断った俺が気づいた「距離感」の正体
Photo by Mitchell Luo on Unsplash
格闘技をやっていると、普通に生きていたら会えないような人と出会う。
企業の社長。
役員。
いわゆる“上の人たち”。
これが結構、自然に繋がる。
スポンサーになってくれたり、
会社の研修で格闘技を教えてほしいと言われたり、
地域活動のイベントでムエタイの演武を頼まれたり。
正直、ありがたい話ばかりだ。
普通に生きてたら、こんな縁はまずない。
でも、その中でたまに出てくる話がある。
「うちの取締役にならないか?」
「用心棒みたいなこと、やらないか?」
一瞬、テンションは上がる。
そりゃそうだ。
悪い気はしない。
でも、俺は必ず聞く。
「俺が取締役になって、何ができるんですか?」
すると、だいたい返ってくるのは――
ノーアイデア。
これが現実。
悪気はないのは分かる。
むしろ、好意だ。
「面白い人間だから、近くに置きたい」
「信頼できそうだから、関わってほしい」
そういう感覚。
だから、気持ちはありがたく受け取る。
でも、話には乗らない。
もう一つある。
「用心棒にならないか?」ってやつ。
これ、ちょっとカッコよく聞こえるけど、本質は違う。
ほぼ“運転手”の話。
一緒に移動して、時間を合わせて、待機して。
つまり、
自分の時間を全部預けることになる。
それ、俺には無理なんだよな。
時間って、一番大事だから。
格闘技やってる人間って、自由そうに見えるかもしれないけど、
実際はめちゃくちゃシビア。
・練習の時間
・体のケア
・試合の準備
・生活のバランス
全部、自分で管理してる。
そこに他人のスケジュールが入ってきたら、一気に崩れる。
だから断る。
「もったいない」と言われることもある。
でも、俺は思う。
もったいないのは、“自分の時間を失うこと”の方。
ここで一つ、重要な話がある。
俺の周りの友達。
こいつら、結構ちゃんとしてる。
・大企業で部長やってるやつ
・公務員やってるやつ
いわゆる、ちゃんと組織で戦ってる人間。
で、そいつらに共通して言われたことがある。
それがこれ。
「自分がやるべきこと以外に手を出すと、カオスになる」
これ、めちゃくちゃ本質。
組織で働いていると、
・付き合い
・飲み会
・どうでもいい会議
・意味の薄いイベント
こういうのが山ほどあるらしい。
断れないことも多い。
立場があるから。
空気があるから。
で、それに全部付き合ってるとどうなるか。
本来やるべき仕事ができなくなる。
これ、笑えない話。
むしろ、ほとんどの人がここで崩れるらしい。
だから、できる人間ほど意識してる。
・何に時間を使うか
・誰と関わるか
・どこに行かないか
つまり、
「やらないことを決めてる」
これ聞いたとき、俺は妙に納得した。
俺も似たようなことやってたから。
誘いは来る。
面白そうな話も来る。
でも、
全部乗ってたら終わる。
だから距離を取る。
・深入りしない
・全部は受けない
・自分の軸を崩さない
これ、最初は冷たいと思われるかもしれない。
でも違う。
自分を守るために必要なこと。
格闘技の世界でも同じ。
人が増えると、話も増える。
組織が大きくなると、利害も増える。
で、ちょっと踏み込むと一気に面倒になる。
正直、あんまり好きじゃない。
でも、完全に否定はしない。
なぜなら、
そういう人たちがいないと、組織は回らないから。
・調整する人
・裏で動く人
・汚れ役をやる人
これ、必要なんだよな。
俺はやらないけど。
ただ、それぞれ役割があるのは理解してる。
だからこそ、
距離感が大事になる。
近すぎると巻き込まれる。
遠すぎるとチャンスが来ない。
このバランス。
これ、正解はない。
でも一つだけ言えることがある。
「自分の時間を守れる距離にいろ」
これだけはブレない方がいい。
格闘技やってると、強さで上下が決まる。
これはシンプル。
でも、社会は違う。
・立場
・金
・人脈
いろんなもので順位が決まる。
その中に入るか、入らないかは自由。
俺は今のところ、
“自分の軸を優先する側”にいる。
だから、取締役の話も断るし、
用心棒の話も断る。
その代わり、
自分の時間で、自分のやりたいことをやる。
遠回りかもしれない。
効率悪いかもしれない。
でも、それでいいと思ってる。
なぜなら、
その方が、自分の人生を生きてる感覚があるから。
最後に。
縁は大事。
これは間違いない。
でも、
縁に振り回されるな。
これも同じくらい大事。