正論で行動が変わらない理由と改善ポイント
仕事において、自分が面倒を見ている後輩や部下、新人などへ、注意をしなければならない場面や、異なる意見がぶつかる場面が多々あると思います。そのときに「正しいことを言って注意しているのに行動が変わらない」、「自分の考えが受け入れてもらえない」と悩んだ経験はないでしょうか。「何を言うかより誰が言うかが大事」という話もありますが、時には誰もが同意するような正しいと思われることでも、行動が変わらなかったり、すれ違いから感情的な溝が生まれてしまうことは多いです。
そこから関係が悪化してしまうと、さらに注意が通じづらくなってしまいます。それでは行動が変わらないだけでなく、教える側も疲弊してしまいます。
なぜ、正しいことを言っても、人は行動を変えないのでしょうか。様々な理由がありますが、今回はその理由の一つを取り上げます。
「正しいこと」こそ言い方に気をつける必要がある。
多くの場合「正しいこと」をそのまま伝えてしまうことは、同時に相手のやり方や努力を否定することにつながりやすいです。そのため理屈では正しいことがわかっていても、感情的に受け入れにくくなってしまいます。
伝える側は、「正しいことを言っている」と思っているので、お互いに立場が硬直しやすくなります。それによりますます感情的な溝が生まれ関係悪化につながりやすくなっていきます。
ではどのように伝えると行動が変わりやすくなるのでしょうか。
①相手の立場、なぜそうしたのか、を理解する。
間違ったことをしていたとしても、その人なりの考えが合っての行動のはずです。まずはそこをヒアリングしていきます。
②理解した上で、なぜそれがよくないのか、どのような判断基準で、どう行動すれば良かったのかを、穏やかに説明する。
注意の場面だと、どうしても穏やかな物言いではなくなってしまうことがあります。感情的に伝えると、相手も感情的になりやすいですが、穏やかに伝えることを心がけると、相手もメッセージを受け取りやすくなります。
最後に
臨床やカウンセリングの考え方で、「コミュニケーションの主役は聞き手」というものがあります。話し手が伝えたつもりでも聞き手が理解していなかったり、異なった解釈をしてしまったら、コミュニケーションとしては成立しない、という考え方です。
私の実体験として、正しいことをそのまま伝えるのではなく、聞き手が主役という考え方を実践したことにより、ミスコミュニケーションが減ったり、後輩や新人の行動を変えることにつながりました。
仕事の場面でも「どのように伝えれば、相手が受け取りやすいか、理解しやすいか」を考えながらコミュニケーションをとることは行動変容の第一歩になります。
行動変容を促すだけでなく、指導者の負担を減らし、お互いの職場定着率を上げることにつながると考えます。