会議が長引くとき、原因はたいてい中身ではなくて、言葉の定義がずれていることだと思っています。同じ日本語を話しているのに、AさんとBさんで「対応済み」の意味が違う。片方は「先方に投げた」、もう片方は「先方の合意が取れた」。この状態で議論すると、両方とも正しいことを言っているのに、話が永遠に噛み合いません。
いちばん危ないのは、なんとなく通じてしまう言葉です。「早めに」「一旦」「詳細は追って」。誰も質問しないので、その場は気持ちよく終わる。で、一週間後に「え、やってると思ってました」が発生する。あれは怠慢というより、翻訳ミスに近いです。実際、過去にやらかしたトラブルを振り返ると、能力不足より定義のズレが原因のもののほうが多い。
白状すると、僕自身が曖昧語の使い手でした。コンサル時代のクセで「全体感」「粒度」「建付け」あたりを平気で会話に放り込む。自分の中では明確なんですが、聞くほうからしたら何も決まっていない。あとで議事録を読み返して、これ何も言ってないな、と青くなったことが何度もあります。今でも油断すると出ます。
なので最近は、本題に入る前に短く前提を置くようにしています。今日決めることは何か、決めないことは何か、この言葉はこの意味で使う。1分で終わる作業です。地味だし、正直ちょっと野暮ったい。でも、この1分をケチると、あとで3時間の再議論になって返ってくる。仕組み化と言うと大掛かりに聞こえますが、入り口はこのくらい小さいことだと思っています。