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「ドローンが切り拓く林業の未来 - 革新的な獣害対策資材輸送の実証実験に成功」
SRS Connect(野田有美社長、大阪市中央区)は、林業界に革命をもたらす可能性を秘めた画期的な実証実験を敢行した。3月3日から10日にかけて、バイオマスパワーテクノロジーズ(北角強社長兼CEO、三重県松阪市)、玉木材(同社長、奈良県五條市)との協力のもと、獣害対策資材のドローン輸送実験を行い、林業の未来に新たな光を投げかけた。
紀伊半島の山々では、鹿による深刻な食害被害が続出し、植林しても育たないという悪循環に陥っていた。この被害から森を守るため、防獣対策資材の設置が不可欠だが、支柱や網など重量物の人力輸送は困難を極め、特に急斜面での作業は危険度が高く、多額のコストを強いられていた。
この難題に挑むべく、ドローン事業者と林業事業者が知恵を結集。ハイテク機器を活用した「新しい林業」の構築を目指し、奈良県五條市の山間部で実証実験を実施した。輸送時間、機体の安定性、発着陸の安全性など、貴重なデータを収集することに成功している。
今回の実験で使用されたのは、世界シェア70%を誇るDJI社の最新鋭物流ドローン「DJI FlyCart 30」。その驚異的な最大積載量40kgを活かし、急勾配の山林で1日あたり50回、実験期間中に300回を超える大規模な荷上げを計画。この規模は「全国的に他に類を見ない」という、まさに林業の未来を左右する壮大な取り組みとなった。
現場からは早くも「荷物を背負う場合に比べ、格段に楽になると思う」という歓喜の声が上がっており、林業従事者の負担軽減、働き方改革、労働環境改善への期待が高まっている。
この革新的な取り組みは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援事業「紀伊半島エリア各地でのセンダン・ヤナギ類・ナラ類・カシ類等の育苗~植林~搬出実証」の一環として実施された。バイオマス燃料による発電事業や森林再生に取り組むバイオマスパワーテクノロジーズが中心となり、今後はこの実験で得られたデータを詳細に分析。新たな手法や技術開発へとつなげ、低迷する林業の再生に挑戦していく。
ドローンがもたらす可能性は無限大だ。安全性向上、コスト削減、そして働き方改革――。山の守り人たちの挑戦が、いま始まったのである。