「提案の質は、準備で決まる。」
今回インタビューをした渡辺さんは、そう何度も口にしていました。
税務、財務、M&A、コンサルティング。
どの仕事にも共通しているのは、“正解を押しつける仕事ではない”ということ。
お客様ごとに状況が違う。
会社ごとに文化が違う。
経営者ごとに、守りたいものが違う。
だからこそ、提案する側には“深く理解する姿勢”が求められる。
今回は、株式会社TAPコンサルティング代表・渡辺健太さんに、
コンサルティングの仕事で大切にしている考え方について伺いました。
目次
「準備」が、提案の質を決める
「やる」だけが、正解じゃない
M&Aで本当に見るべきなのは、“数字”だけじゃない
「決める」のは、いつだってお客様
「絶対に会社を売らない」と思っていた人が、最後に決断した
「やらない」という選択肢も、価値になる
提案の質は、「どれだけ相手を考えたか」で決まる
「準備」が、提案の質を決める
渡辺さんがコンサルとして最も大切にしていること。
それは「準備」です。
「様々な選択肢の中で最適解を選択すること、
そのための準備に時間をかけます。
準備が1番大事ですね。」
求められた内容を、そのまま処理するわけではありません。
A案、B案、C案。
税務・財務・人材・経営…。
さまざまな観点から整理し、「どの選択が、その会社にとって最適なのか」を考える。
しかも、それは単純な損得だけではありません。
「Aは税額が低いけど会長に怒られそうだな、とか。
Bは税額が少し高いけど、従業員には良いとか。」
数字だけで完結しない。
“人”を見て、“会社”を見る。
その視点こそ、TAPコンサルティングらしさなのかもしれません。
「やる」だけが、正解じゃない
コンサルティングというと、
“変化を起こす仕事”というイメージを持つ方も多いかもしれません。
でも渡辺さんは、少し違う視点を持っています。
「コンサルティングって、あえてやらなくてもいいことが多いと思います。」
現状を変えたいからやる。
良くしたいからやる。
でも、やった結果、良くならないのであれば意味がない。
だからこそ、
「やらない」という選択肢も、提案の中に含める。
無理に進めない。
無理に売らない。
それはM&Aの現場でも同じです。
M&Aで本当に見るべきなのは、“数字”だけじゃない
M&Aは、会社の未来を左右する大きな意思決定。
だからこそ渡辺さんは、
数字や条件だけではなく、その会社の“空気”を見ています。
「買い手、売り手どちらとも、
事業内容、会社カルチャー、雰囲気を理解するっていうことはすごく大事です。」
例えば運送業。
「トラックで運んでいます」だけでは分からない。
何を運んでいるのか。
どんな会社なのか。
どんな人たちが働いているのか。
そこまで理解しなければ、本当の意味でのマッチングはできない。
そしてもう一つ、渡辺さんが大切にしていることがあります。
「どちらかだけの利益を優先しないこと。」
目先の契約ではなく、
その先も続いていく関係性を大事にしているからこその言葉でした。
「決める」のは、いつだってお客様
厳しいことを伝えなければいけない場面もあります。
それでも渡辺さんは、
“自分が決めない”ことを大切にしています。
「『これがいいと思うので、これにした方がいいです』じゃなくて、
『A、B、Cの方法があるんですけど、どれにしますか?』って聞くようにしてます。」
選択肢を増やす。
そのために、自分自身が勉強し続ける。
知識がなければ、提案できる幅も狭くなる。
だから準備をする。
だから学び続ける。
すべてが、最初の言葉につながっていきます。
「絶対に会社を売らない」と思っていた人が、最後に決断した
この仕事をしていて良かったと思った瞬間。
そう聞かれた渡辺さんは、少し考えてからこう答えました。
「絶対会社を売らないだろうと思っていた方が、会社を売った事ですかね。」
途中で話が頓挫しそうになったこともあった。
それでも最後には、自分で決断してくれた。
その経験は、渡辺さん自身にとっても大きなものだったそうです。
「達成感ももちろんありましたよ。」
数字の仕事。
だけど、その先にあるのは人の人生。
この仕事の重みと面白さを感じる瞬間でした。
「やらない」という選択肢も、価値になる
最後に、
「あまり質問されないけど重要だと思うこと」を聞くと、
渡辺さんはこんな話をしてくれました。
「コンサル、M&Aに限らず、やらない選択肢も大事だと思います。」
提案されたからやる。
流れで進める。
そうではなく、
“本当に必要なのか”を考える。
それは、お客様に対して誠実であるということ。
そして、自分たち自身にも誠実であるということなのだと思います。
提案の質は、「どれだけ相手を考えたか」で決まる
今回のインタビューを通じて感じたのは、
TAPコンサルティングの仕事は、単なる“数字の提案”ではないということでした。
相手を理解する。
準備をする。
選択肢を用意する。
その積み重ねの先に、
初めて“本当に意味のある提案”が生まれる。
そしてそれは、
コンサルティングだけではなく、日々の仕事にも通じる考え方なのかもしれません。
Podcastでも想いを語っています▼(提供:ヨゾラジオ)