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「介護特化型研修から外国人人材まで」ユアブライト株式会社 社長インタビュー

公的制度活用や外国人人材活用・・・ 介護現場の悩みに応え社員とともに成長&5年後にはグループ企業に

ユアブライト創業の経緯と事業内容を教えていただけますか。

もともと印刷会社におり、企業様の効果的なプロモーション活動に寄与してきましたので、2005年の創業当初は主に通信販売業者様へのマーケティングコンサルティングを中心に行っていました。現在はその対象の約9割が介護事業者様ですが、そうなってきたのは2012年頃からですね。職員様向けの研修事業と、その際に公的制度を活用するご提案をメインに行っています。


提供サービスの背景にある思いは、どういったことでしょうか?

介護事業における経営を考えると、収入は介護報酬である程度決まってしまいますから、管理費の中でも多くを占める「人件費」が鍵となります。恒常的に人材不足の業界でもありますから、今ある人材を最大限活用するには研修は重要です。職員の離職を防ぎ、意欲を持って業務に取り組んでもらうには、移乗訓練など介護スキルの向上も大切ですが、それ以上に重要なのは、対人スキルです。介護は「人が相手の仕事」ですから、相手を敬い傾聴するといった接し方が大切なのです。そこで、接遇やコミュニケーション、モチベーションの向上などをテーマとした研修を、事業所様の状況に応じて提供しています。オーダーメイドもよく承ります。

単なる教育支援だけではなく、介護事業者様の「経営支援」を目して「助成金の活用」を合せてご提案する、というのが他社との違いでしょう。研修を行う際には、一定の要件を満たせば国や地方公共団体から助成金が得られますので、コストを抑えながら現場の改善が図れるというわけです。あるいは、得られた助成金を新たな人材採用にも当てられます。

「難しいことを簡単に」がユアブライトの存在意義

助成金の活用、というのは独自で行うのは難しいものですか?

助成金の制度自体があまり知られていなかったり、適用させるにもノウハウが必要だったりします。また、申請の書類や仕組みが複雑で難解なため、事業者様が独自で行うのは難しいでしょう。受給を想定して研修を行っても、申請書類の不備などにより不受給に終わってしまっては、残念なことです。

この、「難しいことを簡単に」して差し上げることこそ、ユアブライトのビジネスドメインなのです。助成金の申請については、専門の社労士さんとも多数提携しています。「ユアブライトのおかげで、とてもできそうになかったことが簡単にできた」と信頼いただければよいですね。

また、有料職業紹介の免許も取得しておりますので、人材そのものを探されている事業者様にも対応ができます。

少子高齢化による介護人材不足の切り札、外国人登用への道を探って



最近注目されているのが、外国人介護人材へのアプローチだそうですね。

ミャンマーにある日本語学校とのご縁があって、日本語を学んだ後に日本での就業を希望する現地の若者に対して、介護分野での就労につなげられないかと考えているところです。私自身は何度も現地に足を運んできましたが、2017年6月には実際に介護事業者様をお連れして現地視察を行いました。訪れたのは、日本語学校のほか、規模の異なる介護事業所を2ヶ所と介護の専門学校です。

ミャンマーは、あまり知られていませんが、敬虔な仏教国で、徳を積むために老若男女や貧富を問わず、誰もが日常的に寄付を行っています。そのため介護事業も公的資金などではなく寄付をほとんどの財源とし、ビジネスではなく福祉として成立しているのです。

日本で働きたいというニーズは高いのでしょうか?

日本語を学ぶ意欲の高い若者の目的は、日本での就労でしょう。給与水準が高い日本で働き、生活コストは同郷人とのシェアで押さえるなどして、少しでも稼ぎたいという気持ちは強いと思われます。その時に就きやすいのは、やはり飲食や販売などのサービス業です。介護の仕事は実際、大変な現場ですから、日本人が足りないからというだけで外国人の手を求める、というのは虫が良いことかもしれません。

ご存知の通り、日本は少子高齢化を迎えており、2025年には介護人材が38万人近くも不足すると厚労省が試算している状況です。2008年には経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシアなどアジアからのヘルパー人材の受け入れが始まっています。ただ在留期間は4年までで、その後は日本の介護福祉士国家資格を取得しなければ在留が認められません。また、そもそも日本の介護事業所に就業する際に、直接面談して採用するという流れではなく、政府機関が間に入って互いの要望を聞いてマッチングさせるという仕組みのため、事業者様にとって使いづらい制度となっているのも問題です。

外国人技能実習制度というのもありますが、やはり制度が複雑なため、導入はされにくいかもしれません。留学生の就業は週28時間までと限定され、学費がかかるため留学生自身の負担が大きいのもネックでしょう。

日本語の不自由な外国人にも分かるルールやマニュアル作りが大切



そうした中で、外国人人材に可能性を感じられるのは、どうしてでしょうか?

逆説的ではありますが、やはり日本人労働力だけでは介護現場が立ち行かなくなるのではという危機感と、あとは複雑な制度下であるとはいえ、先行事例も出ていて、そろそろ機が熟してきたと考えられるからです。就労要件も近い将来、緩和の方向に向かうのではないかと見ています。

日本での就業を望む層は一定数はいるので、介護の現場に入ってもらうには、受け入れ側でできることがまだまだあると思われます。一つには、日本語が不自由な外国人にも分かりやすいよう、マニュアルや教育体制を整備すること。介護現場というのはただでさえルールが不明瞭で、「以前の職場ではこうだった」というのがまかり通りかねないものですが、共通認識を深め、情報共有がしっかりできるよう環境を整えることが求められます。

人生を賭けてくる外国人に対して、キャリアのゴールイメージを提示することも必要でしょう。現地で日本語を学び、来日してその勉強を続けながら介護に従事して、そのままではいられるのは最長5年程度です。日本で介護を続けるなら日本語で介護福祉士国家試験を受験して合格しなければなりませんが、本人が望めば取得を支援すべきです。合格できなかった時にも、介護人材としてではなく、管理者人材として日本に残る道があるかもしれません。

外国人労働者を架け橋として、アジアへの事業展開の検討を



受け入れ側の介護事業者様に啓発していきたいことですね。

そうですね、マインドチェンジが必要です。お客様には丁寧に説明を重ね、外国人受け入れを成功させられる職場環境へと向かわせるお手伝いができればと思います。

また、本国に帰る外国人にとっても、日本での介護就労経験を生かす道はあると私は考えています。高齢化先進国の日本の介護技術は、10年後20年後のアジアでも活きるはず。ミャンマーの20歳の学生が、40歳には母国で起業することをめざして、ビジネスシードを持ち帰るための経験と考えればどうでしょうか。

帰国後のキャリアとしてもっと早く実現できそうなのは、本国の介護教育の指導者に自らがなることです。今ミャンマーの介護専門学校では日本語のテキストや研修動画が用いられていますが、これを日本で実際に介護就労したミャンマー人が現地の言語で指導できるとなれば、ミャンマーにおける介護人材予備軍の裾野がぐっと広がります。

単に労働者として来日してお金を稼いで・・・というのではなく、将来のキャリアイメージに基づいて業務に就くのであれば、介護現場でもより能動的に動いてもらえるのではと思いますし、そうした意欲をバックアップする気持ちが受け入れ側にもあれば、結果としてお互いにハッピーなのではないでしょうか。

さらに言えば、外国人労働者をうまく受け入れることで、将来アジアでの事業展開を考えてみませんかというご提案を、事業者様にも行っていきたいですね。自社で就業していた人材が、地元である現地で事業を起こすに際して出資する形をとることも可能でしょう。就業を通じて現地の人のメンタリティに通じていることも、メリットになり得ます。イノベーターとなる事業者様のお手伝いができれば幸いです。

ユアブライトの知見を全国に横展開

そのほか、最近のトピックはございますか?

鹿児島に九州営業所を開設しました。もともと当社の理念に共感くださっていた代理店があったのですが、そちらを基に九州で20社ほどの企業様に教育研修を導入いただくことができました。それで、日常的なフォローも含め、営業所を置いて対応させていただくこととなったのです。

介護の制度は日本国内どこでも共通ですし、介護事業者様の悩みも共通です。助成金活用についてはむしろ地方のほうが情報の行き届かない面もありますので、関東・九州以外にも拡げていく余地は相当あると考えられます。そのためにも、伝道師としての営業職をさらに募っていきたいですね。当社における営業は、ものを売るというのではなく、お客様の状況やお悩みを伺って、研修や助成金などの手段を組み合わせて改善を図っていく仕事。また、移り変わりの多い行政の制度や最新情報について、いち早くお知らせしていくという、経営のためのシンクタンクの役割もあります。やりたいことはたくさんあるけれど、人手が足りていないのが実情ですね。

―求められる人材像はありますでしょうか?

会社の将来のエンジンとなるのは、若い人材だと考えています。ですから、平均年齢を20代より上には上げたくないですね(笑)。そして、社員に夢と意欲を持ってもらうためにも、5年以内に株式会社をもう数社起こし、2022年にはユアブライトをホールディングス(持ち株会社)にしようと思っています。社員には「30歳までに社長になれ」と言っていて、天井を取り払って青空に手が伸ばせる環境。すぐに手が届くようではつまらないし、中小企業で仕事をする価値はそういうところにこそあるのだと思いますから。

介護事業へのご提案というのは今現在も9割を占めますから、今後もやはり大きなウエイトを占めては行くでしょうが、そこにこだわってはいません。助成金活用に外国人人材活用、それ以外にもビジネスシードは考えられますので、ユアブライトをより成長させていきたいですね。会社と一緒に成長してみたいという、意欲的な方をお待ちしています。

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