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寄付だけで運営できるミャンマーの介護施設

この度、ユアブライト株式会社ではミャンマーの介護施設の視察をしました。
ユアブライト株式会社では「日本の介護技術を世界に広める」をビジョンとしております。
そのため、今回発展途上国であるミャンマーに行き、ミャンマーの介護施設を見学することで日本との違いを調べました。

ミャンマーの基本情報

ミャンマーといっても知らない人も多いので、まずは基本情報から

・治安 - 良好。とくに危ないところは感じられず
・人口 - 約5000万人
・宗教 - 仏教(90%)
・言語 - ミャンマー語
・首都 - ネーピードー(ヤンゴンが最大都市)
・通貨 - チャット

ミャンマーは2015年まで軍事政権でしたが、アウンサン・スーチー氏の民主化政権になってから海外へ開いていき、今では日本からの直行便も出ています。日本から7時間で行けるため、そこまで遠くありません。また、ミャンマーはすごく敬虔な仏教の国家であり、若い人も含めて一生に2回はお坊さんをやる国でもあります。上の写真はミャンマーで一番有名な寺院です。

ミャンマーの介護施設

今回伺った介護施設はこの2施設です。

視察訪問先1 介護施設HNINZIGON

ヤンゴンにある1933年創業の老舗の介護施設です。入居者は70歳以上限定で、比較的軽度のご利用者が入居されています。入居者は240名ほど。医療機関も併設しています。

視察訪問先2 See Sar Yiek


ヤンゴンの郊外にある、2008年創業の比較的若い介護施設です。こちらは比較的重度の方も受け入れています。

寄付で成り立つ介護施設


こちらの施設は2箇所とも、ご利用者様から一切の料金をとっておりません。また、公的資金もほとんど無く、財源は寄付で成り立っています。寄付していただいた方は必ず壁に名前を記すようになっているため、施設のいたるところに名前が記載されています。ミャンマーでは定期的に寄付する文化があり、毎日多数の人が寄付していただけます。日本ではどうしても公的資金が運営資金の大きな割合を占めますが、ミャンマーでは公的資金に頼れないため、地域コミュニティや個人とのつながりを非常に重視しています。


寄付を集めるために様々な工夫をしています。例えば、このベッドに置いてあるのは、それぞれいくらの寄付がどのように施設の運営を支えるのかを視覚化するために置いているものです。衣料品は300円、ベッドは1万円。自分が寄付をするとどのような貢献が出来るのか、わかりやすくまとめられています。


壁一面に書いている文字は、寄付をした人の名前と住所と寄付金の額です。寄付をした人はすべて、施設内に名前が残されます(なんと、この中には日本人の名前もあります!)。寄付をしたときの貢献を残すことで、より寄付をしてもらいやすくなっています。ミャンマーの施設では、施設内の壁の大半がこのように寄付者の名前で埋め尽くされています。


日本からの寄付も実績がありました。日本の人たちがミャンマーでこのように貢献しているのを見るのも嬉しいです。


この建物は一棟すべて、たった一人の個人寄付によって作られています。ミャンマーの資産家は、寄付をすることによって、社会貢献をしたいという思いを強くもっています。この建物は100万円以上かかっているとのことで、それを個人が寄付しているのも驚きです。

敬虔な仏教徒であるミャンマー人 ~寄付と仏教の関係~

「寄付をするのと同じように税金を納めよう」

これは、一時期あったミャンマー国家のキャンペーンのスローガンです。これはどういうことかと言うと、ミャンマー人はなかなか税金を納めようとしないのに、寄付はものすごくする国民性なので、ミャンマー国家が寄付と同じように税金を納めてくれと呼びかけたのです。このように、ミャンマー人は若い人もお年寄りもよく寄付をします。

なぜミャンマー人は寄付をするのか。それには仏教と深い関わりがあります。日本の仏教の多くは大乗仏教ですが、ミャンマーでは上座部仏教が主流です。ミャンマーでは生まれ変わりが信じられており、死後は別の生き物になると考えられています。現世での行いによって来世をどんな生き物として過ごすが決まるため、寄付といった善行を積みます。

また、ミャンマー人は敬虔な仏教徒が多く、毎日必ずお祈りをします。
ミャンマーの国営テレビには毎日必ずお坊さんが映し出され、説法を行います。



また、どの介護施設にも必ず仏像や礼拝堂があります。大きい施設になると、100人単位で入れる礼拝堂を併設しています。ここで定期的にお坊さんが説法をします。ミャンマーには「一番偉いのはブッダ、その次がお坊さん、その次が親、その次が先生」という言葉があります。お坊さんのありがたい説法を皆で聞いている姿が印象的でした。



介護施設と結婚式場のドッキング

個人的に一番驚いたのが、最初に視察した介護施設は、結婚式場も併設されていたことです。
介護施設の4階が結婚式場になっており、そこで実際に結婚式を行っている方もいました。結婚式をあげた後、そのお礼に寄付をする仕組みとなっています。日本だと結婚式場併設介護施設なんて聞いたこともないのですが、ミャンマーでは介護という存在がすごく若い人にとっても身近なのだと思いました。


こちらが、結婚式の後に寄付をしに来た新郎新婦です。

日本がミャンマーに学ぶこと

とりわけ、今回のミャンマーの介護施設を見て、若い人でも寄付によく来ていることが印象的でした。今の日本では若い人がなかなかお年寄りに関心を持たず、介護施設などに触れ合う機会などもないです。介護施設側も、なるべく若い人に介護の現場を触れてもらう機会などを提供し、若い人とお年寄りが触れ合う機会を作ることも大事なのではないかと思いました。

 また、ミャンマーのような寄付で成り立つ施設は少子高齢化の日本ではなかなか難しいかもしれません。ですが、自分が寄付したお金がどのように使われているのか、今の日本の寄付では見えづらいのではないかと思います。自分の寄付が具体的にどのように使われたのかを見える仕組みをつくると、より若い人が寄付をするようになり、相互扶助の仕組みが回ってくるのではないかと思います。
ユアブライト株式会社では、これからもミャンマー情報を掲載していきます。

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