IT化が進む今、組織には属さない「フリーランス」として働く人も増えてきました。「組織には縛られずに働く」や「好きなことを仕事に」というキャッチフレーズも今ではめずらしくありません。
IT業界に関わらず、実はプラント業界にもフリーランスのように働く「一人親方」という方々が、数年前までたくさんいらっしゃいました。
残念なことに、一人親方は年々少しずつ減少してきています。プラント業界のフリーランスはIT業界と違い、減っているのです。
ただ、柳井工業は一人親方を育てることで、プラント業界が活性化できるのではないかと考えています。
今回は一人親方が衰退している背景からはじまり、「一人親方育成の可能性」を中心にお伝えできればと思います。
プラント業界のフリーランス、一人親方の話
まずは、一人親方の働き方を簡単にお伝えします。サラリーマン時代に培った経験や技術を活かし、フリーランスで活躍する人が大幅に増えました。
・会社を設立せずに仕事ができる
・組織に属さないので縛られない
・現場や作業内容を自分で選べる
・仕事をした分給与が上がる(平均年収700万ほど)
今や「フリーランス」という言葉を聞くようになったので、想像しやすいかと思います。
一人親方は会社や組織に属さないので、「自由度が高い仕事ができる」ことが特徴です。歴史が長く、古き良き的な風潮がプラント業界が合わない人でも、一人親方で働ける時代がありました。
ただ、ピークだったのは1990年~2010年。冒頭でもお伝えしましたが、今では一人親方も少しずつ衰退しています。
一人親方が衰退している原因と背景
まず、一人親方が企業からよく思われていませんでした。会社に属していないためか、「自分さえよければいい」と個人主義な考えを持つ人が多かったからです。
・責任感がない
・「自分さえミスしなければいい」と個人主義
・群れを嫌い、チームワークに向かない
・仲間や組織を育てようとしない
・社会保険に加入していない、入らない
多くの企業が、一人親方に対してこのように感じるように。自分たちと働きやすくするために、企業は次のように親方たちを縛ってしまったのです。
・単価を下げる(会社員と近い給与)
・社会保険や労災への加入を絶対条件にする
・プラントへの出入を制限する(仕事を選べない)
やればやるだけ給与が上がったのがなくなり、今まで選択自由だった保険関係がマストに。さらに、プラントへの出入りも制限され、仕事の幅が狭まりました。
フリーランスで技術を身につけ、キャリアアップをしていくのも1つの手
フリーランスのうまみが消えた一人親方は、プラント業界を去るように。こうして、一人親方が衰退していったのです。
柳井工業ではこれまでたくさんの一人親方と一緒に、仕事をしてきました。これまでの世間のイメージを持つ「責任感のなさ」とは対照的に、責任感が強く、プロ意識の高い方々もたくさんいらっしゃいました。
それにも関わらず、業界全体で一人親方への待遇が悪くなった行ったのはとても残念です。
ここで、私が描いている未来の構想をお話させてください。
衰退していっているフリーランスですが、今後は視点を変えて「一人親方からはじめるキャリア形成」が、おもしろいのではないかと思っています。
柳井工業では今後、一人親方を育てたいと思っています。1人あたり、5〜6年と時間をかける予定です。
フリーランスで入ってもらい(もちろん社員としても歓迎です)、技術を学んでもらいながらスキルを伸ばしていき、会社や仕事内容を柔軟に選んでもらう。こんな仕事の仕方も、おもしろいのではないかなと。
今はプラント業界全体の人材が減っています。これは1つの危機です。
そのためにも、若手の方がプラント業界に興味を持ってもらい、専門技術を身につけながら、自由度を高めて仕事をしてもらう。そんな柔軟な働き方が、プラント業界に生まれたらいいですね。