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リクルートとアクセンチュアを経て起業。建築業界のDX化に乗り出したワケ

株式会社グローバは「ヒトとテクノロジーの力で建設業界の未来を創る」というミッションを掲げ、建築・リフォーム業界向けに事業を展開しています。2014年の創業当初から、コンシェルジュ型リフォーム会社紹介サービス「リフォームガイド」を提供してきました。

そして2020年。
新規事業として建設業界のDX化を推進するプラットフォーム「クラフタ」をリリースしています。

今回はグローバ代表の小河に、クラフタが目指す世界観や実現したい未来、クラフタの事業戦略について話を伺いました。アクセンチュアとリクルートを経て起業した小河は、どのような想いを事業に込めているのでしょうか。

プロフィール:小河泰史(Ogo Yasushi)
2000年に上智大学工学部電気電子工学科卒業後、アンダーセンコンサルタント(現アクセンチュア)で大手製造業を中心にサプライチェーンマネジメントの導入プロジェクトに従事。2005年株式会社リクルートに転職。マッチングサービスであるリクナビや結婚情報誌ゼクシィの営業担当・営業責任者として従事。2013年慶応ビジネススクール(MBA)に入学。2013年合同会社MBAキャリアを設立。
2014年株式会社グローバ創業。

伝統を活かしながらヒトとテクノロジーの力で未来を切り拓く


――グローバのミッションは「ヒトとテクノロジーの力で建設業界の未来を創る」。なぜ建設業界に特化することを決めたのですか。

一番根底にあるのは「中小企業が好き」という想いです。前職ではさまざまな業界の中小企業を担当していました。その中で素敵な会社が沢山あることを実感するうちに、いつしか中小企業向けのビジネスに興味を持つようになったんです。

建設業界は市場規模が約56.7兆円、社数も約50万社と非常に大きな業界です。その中でも実は中小企業が一番多く、一般的に知られているようにIT化の遅れも顕著です。自分が好きな中小企業を手助けしたい、そして巨大な業界での事業機会を見出せたことから、建設業界に特化して起業を決意しました。業界の一部だけでなく、業界全体がより良くなるような事業展開を考えています。

――ミッションを「“ヒトと”テクノロジーの力で」とした理由があると聞きました。そちらについても教えてください。

建設業界の新しい未来を創るためには、テクノロジーだけでなく“ヒト”の力も重要だと考えています。

この“ヒト”とはグローバ社員のことです。

建設業界には、私が生まれる前から職人として働いてきた方が大勢います。そして、その先輩方が築いてきた仕事の方法や大事にしているコトを前提にIT化の推進が大事だと思っています。

つまり、当社はテクノロジーだけでなく“ヒト=グローバ社員”と一緒に先輩方をサポートし、二人三脚で未来を考えていきたい。

そんな想いを込めて、グローバのミッションを『ヒトとテクノロジーの力で建設業界の未来を創る』にしました。

建設業界の非効率を解消しDX化を推進する

――新規事業「クラフタ」はどのようなサービスですか?

一言で言うならば「建設業界に特化したコミュニケーションプラットフォーム」です。

出来ることは主に3つ。施工情報の共有情報のストック、そしてチャットコミュニケーションです。完全無料のツールとして、工務店やリフォーム会社、職人さんに幅広くご利用いただいています。

サービス内容を詳しく説明する前に、まずは建築業界のIT事情について補足させてください。


実は職人さんのほぼ100%が個人事業主です。

そのため、家の建築もしくはリフォームする際は、工務店やリフォーム会社から各職人さんに直接仕事を発注しています。ひとつの家を建てるために関わる職人さんは約20~30名程度。

一人ひとりに電話で打診し、ファックスで発注依頼や請求書を受領するのが基本です。パソコンや業務用メールアドレスを持っている職人さんが少ないこともあり、発注・請求フローのIT化は困難を極めていました。

ところが近年、爆発的にスマートフォンが普及しています。職人さんのスマホ所持率も90%を超え、現場監督さんと職人さんのやりとりがLINE上で行われることも当たり前となってきました。

さらには他社様のテレビCMやSNSなどで「施工管理アプリ」自体も認知されはじめ、職人さんがITに抱いていた抵抗感も薄れてきています。今後数年で、情報のラストワンマイルが、初めて繋がろうとしているのです。

ただ、LINEでのやりとりは情報がすぐに流れてしまい、情報をストック・共有することには向いていません。また、大手の施工管理ツールは規模が大きい建設企業向けが多く、中小企業にはミスマッチになることがあります。

中小企業や職人さんにストレスなく利用してもらうためには、必要最低限な機能でシンプルに届ける必要があります。

これらの課題を解決すべく生まれたのが「クラフタ」。建築業界の中でも主に従業員規模50名以下の企業を対象とした、建築業界特化型コミュニケーションプラットフォームです。


実装機能は「現場にとって必要最低限の機能」とし

①施工情報の共有
②情報のストック
③チャットでのコミュニケーション

に絞っています。

まだ発展途上のサービスですが、職人さんが気軽に使えるコミュニケーションプラットフォームにしたいので、今後も頂いたフィードバックを参考に、さらに利便性を高め価値あるサービスに育てていきます。

――クラフタが目指す世界観、クラフタで実現したいことを教えてください。

実現したいのは「建築業界の情報をすべてネットワーク上で管理できる世界」です。

情報のラストワンマイルをなんとかして繋げたい。メーカー、卸・問屋・商社、工務店・リフォーム会社・職人さん、各々が持つ情報をストレスフリーで伝達できる状態、シームレスなデータ連携で成立する状態を創りたいと思っています。

建設業界は非効率な業務が多いです。職人さんを手配するにも一人ひとりに電話しなければいけないし、物を発注するにもファックスして、急な日程変更があればまた電話して……連絡漏れによって物品手配が滞ることも多々あります。

しかし、プラットフォームを介して情報が集まるようになれば、現場、商品メーカー、職人さんのスケジュール、品番の遅延などが瞬時に把握できます。クラフタが業界全体で使われるようになれば、建設業界の非効率を解消し、DX化を推進することができると本気で考えています。

PLGモデルによるアップセルも視野に


――クラフタを無料でサービス提供しているのはなぜですか?

フリーミアムモデルのネットワーク効果に期待しているからです。先述の通り、建設・建築業界の仕事は100%外部と連携することで成立しています。無料でサービスを提供することで、核となる⼯務店や職⼈さんのクチコミをきっかけに、利用者を拡⼤する狙いがあります。実際、ウェブから頂くお問い合わせの内95%はクチコミ(紹介)経由です。

――今後のサービス拡大のための事業戦略を教えてください。

今は業界プラットフォームの構築が急務ですが、いずれは集まるデータを活用してマネタイズしたいですね。今後可能性として検討していることは以下の5つです。

①広告モデル
②PLGモデルによるアップセル
③ストレージ課金、有料課金プラン
④職人の空き時間のマッチング
⑤卸代替の建材EC事業展開



特に②※PLG(Product-Led Growth)モデルは非常に重要視しています。

まずクラフタを無料コミュニケーションツールのなくてはならないサービスとして一気に業界内で広げます。そして、見積ソフトや原価管理ソフトなど周辺プロダクトを販売すれば、「クラフタと連携できるなら買うか」と次の行動に促すことができるのです。

営業がプロダクトを売るのではなく、プロダクトが次のプロダクトを売る。現在は無利益でも数年後には、売上げを立てて、利益を生み出すプロダクトになっているでしょう。


※PLG(Product-Led Growth)について•••https://ubv.vc/contents/trends/plg-1/
執筆:高野泰樹 様 | UB Ventures アソシエイト

ミッションへの共感を第一に


――最後に、一緒に働きたいのはどのような人ですか。

我々が掲げているミッション「ヒトとテクノロジーの力で建設業界の未来を創る」に心から共感してくれる人ですね。

グローバはまだ社員18名の小さな会社です。今後事業が成長するにつれて、役割、業務内容、一緒に働く仲間が目まぐるしく変わっていくでしょう。ひょっとしたらサービス自体も変わるかもしれません。私たちが唯一「絶対に変わらない」と約束できるもの、それがミッションです。

過去3年で売上15倍へと成長しましたが、私たちはまだまだ成長途中。数年後のIPOを目標に、今後も市場獲得シェアを伸ばすため、ヒトとテクノロジーの力で建設業界の未来を創るために奔走していきます。心から共感してくださる方、面白そうだと感じてくださった方はぜひご連絡ください。

あなたと働ける日を楽しみにしています!


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