本ストーリーについて
本ストーリーは、ワクトリの「AIコンサルタント」求人応募の要件であり、私たちが大切にしている「問い」をまとめたものです。
私たちは、AIをただ導入してもらうのではなく、宿泊施設の現場にどう根付かせるかを本気で考えています。応募をご検討いただいている方はもちろん、宿泊業界や観光業界の未来に少しでも関心をお持ちの方にも、ぜひ一度この「問い」について考えていただければ幸いです。
日本の宿泊業界の現状と事業立ち上げの動機
日本のホテル・旅館には、簡単に効率化できない仕事が数多く残っています。
お客様の表情を見て声をかけること。常連のお客様の好みを覚えておくこと。季節や天候に合わせて、料理や部屋の整え方を少し変えること。こうした一つひとつの積み重ねが、日本のホテル・旅館らしいおもてなしを形づくってきました。
だからこそ、現場がAIやDXに慎重になるのは当然です。
過去に高価で複雑なシステムを導入したものの、現場に合わず、使われないまま放置された施設も少なくありません。「ITは現場を楽にするどころか、かえって仕事を増やすだけだ」。そうした警戒心は、単なる抵抗ではなく、現場の経験に根ざしたものだと考えています。
一方で、変えなければいけないところもあります。
人手不足、高齢化、事業承継、採用難。旅館を取り巻く課題。月末の集計、シフト調整、勤怠確認、予約情報の整理、派遣スタッフとのやり取り。こうした事務作業に時間を取られるほど、本来向き合うべきお客様への時間は削られていきます。
つまり、いまのやり方を続けること自体が、結果として「その宿らしさ」を圧迫している可能性があります。
私たちが向き合いたいのは、「効率化か、おもてなしか」という二者択一ではありません。
おもてなしをAIに置き換えるのではなく、おもてなしを守るために、それ以外の負担を軽くする。人がやるべき仕事に、人が集中できる状態をつくる。そのためのAI・システムを、現場に合わせて実装していく。
その考えから、この事業を立ち上げました。
本事業が大切にする問い
宿泊施設へのAI導入は簡単ではありません。施設ごとに業務フローは異なり、現場の年齢層も違い、ITに対する温度感も違います。標準的なSaaSをそのまま入れても使われず、かといって全てを個別開発すればコストが膨らみ、事業として成立しません。
では、「人の手」を大切にしてきた宿泊施設の文化を壊さず、AIをどう受け入れてもらい、使われ続けるものにするか。
今回の課題では、その問いについて考えていただきます。完璧な正解を求めているわけではありません。むしろ、整った一般論よりも、記載されていない前提は自由に設定いただいて構いませんので、現場の泥くささを想像しながら、自分なりの仮説をぶつけていただきたいと考えています。
宿泊施設という、一軒ごとに表情の異なる奥深い世界を、テクノロジーで本気で変えていく。その難しさと面白さに、少しでも心が動く方と出会えれば幸いです。
テーマ
"人の手"そのものを重んじ、多種多様なオペレーションがある宿泊施設に、その文化を壊さず、AIをどう受け入れてもらい、使われ続けるものにするか。
前提条件(背景)
日本の観光は地方経済の柱で、旅館・ホテルの需要も戻っています。なのに現場のオペレーションはほとんど変わらない。世の中にAI・DXの道具は山ほどあるのに、地方旅館にはなかなか入りません。
理由は単純なコストや人手不足だけではなく、もっと構造的なところにあります。宿泊施設の商品は「人の手」により成されるものであり、効率化=サービスの質が下がる、と思われている。どの宿もやり方がバラバラで、一軒入れたノウハウがそのまま隣の宿に通じない。そして過去のIT導入で「高い・難しい・使われず放置」を一度は経験している。
当社が狙うのは、「安いけれど薄い道具」と「高機能だけれど重いシステム」のちょうど間、つまり「これまでの宿のオペレーションに合わせたシステム」です。
だからこそ、ぶつかる壁があります。
設問1|おもてなしとAIの線引き
宿泊業界の商品は「人の手」です。効率化がそれを削いだら本末転倒になる。
接客のAI・自動化が進む中、どこまでをAIに任せ、どこからを人に残すか。その線引きを施設ごとに判断する際、どんな基準で決め、どのようにアプローチしますか? そして、今後の宿泊業界のおもてなしと接客のAIはどのようになっていくと思いますか?
設問2|カスタマイズ性と標準化の線引き
ここには明確なトレードオフがあります。施設ごとの既存のやり方を尊重してカスタマイズ性を上げるほど、開発・運用コストは膨らみ、スケールしなくなる。逆に標準化を進めるほど現場に使われず解約されるリスクが上がる。
このバランスを設計上どう解くか。何を全施設共通の「型(テンプレ/施設側が設定する仕組み)」にし、何を「施設ごとの個別対応(個別実装が必要な層)」に残すか。その線引きの判断基準と、コストを膨らませずに個別性を吸収するための具体的な打ち手をは何だと思いますか?
設問3|既存のやり方を変えたくない施設へのアプローチ
IT担当はゼロ、平均年齢は高く、長年のやり方に誇りがあり、過去のIT導入にも失敗している。そんな施設にどう入り込み、どのような製品を作り、どう使い続けてもらうか。
営業・提案・導入後の定着やそもそもの製品の設計など、何が必要だと思いますか?
設問4|あなたの視点
設問1 ~ 3以外の観点で「宿泊施設 × AI」で考慮すべき点は何かありますか?
上記について、是非考えてみてください。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事では、ワクトリが新たに取り組むAIコンサルティング事業と、宿泊施設にAIをどう根付かせるかという問いについてお届けしました。
ワクトリでは現在、宿泊業界・観光業界の現場課題に向き合い、AIを活用して業務改善や新たな仕組みづくりに取り組む「AIコンサルタント」を募集しています。
必要なのは、完璧な知識や経験だけではありません。現場の声を聞き、複雑な業務を整理し、「どこにAIを使うべきか」「どこは人が担うべきか」を考え抜く姿勢です。
宿泊施設という、一軒ごとに異なる奥深い現場に入り込み、テクノロジーの力で観光業界の未来を変えていく仕事に挑戦してみませんか。
少しでもご興味を持っていただけた方は、【話を聞いてみたい】ボタンからエントリーをお待ちしております。