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東大院を中退してWizleapを創業したCTO木太久が描く「プロダクト戦略とエンジニア組織」


今回はWizleapのCTOである木太久さんにインタビュー。

Wizleapの成長と、これからの展望について詳しく伺っていきます。


先ずは簡単な自己紹介をお願いします。

株式会社Wizleapを共同創業したCTOの木太久です。

出身は京都で、東京大学に進学すると同時に上京しました。


東京大学では何を専攻されていたのですか?

工学部計数工学科に入ったのですが、僕は少し特殊で3つの研究をしており、3つとも卒論を書きました。

  1. 脳波で車椅子を動かす研究
  2. 超音波とホログラムを掛け合わせた研究で空中に投影したホログラムを超音波を活用して触覚として機能させて、ヒトがホログラムを触れる技術開発
  3. GPUとFPGAのコンパイルコードをいじって、FPGAのパフォーマンスをGPUより高性能にする研究(失敗しました)

研究自体はすごく楽しくて没頭したのですが、3つ目の研究をしていた頃からインターンにすごくハマって、研究はどんどん疎かになっていきました。


インターンのお話はぜひ後の質問で詳しく聞かせてください!研究を通じてプログラミングスキルを身につけられたのでしょうか?

プログラミングは1年の春休みから、C言語の本を買って独学で始めました。2年からは、大学で本格的にプログラミングの授業が始まり、日々プログラミング課題を解くということをやっていました。3年生になった時に、東大には五月祭という学祭があるのですがそこで友達4人とゲームを制作しようという話になって、初めてチームでプログラミング開発することにチャレンジしました。


そこからどんどんエンジニアリングにハマっていったのですか?

エンジニアとしてプログラミングに本気になったきっかけは先ほどのインターンの話に繋がってくるのですが、東大生が立ち上げたCandleというスタートアップで当時CTOをやっていた友人に誘われて、エンジニアインターンとしてジョインしたことが始まりです。といっても社内のエンジニアとしてはCTOと僕の2人だったので、2人で全てのことをやっていました。

Candleはメディア事業を主軸としていたので、エンジニアとしてはPHPを使ってWebメディアの開発をやっていました。CTOと分担してフロントエンドもバックエンドもインフラも全部経験させてもらいました。初めはPHPもわかっていなかったので、CTOに教わりながらひたすら失敗を繰り返して覚えていきました。

また、Webメディア開発もやりつつ動画アプリの開発もスタートして、iOSアプリ開発もやり始めたので、ここは途中から業務委託で入ってくれた専門のエンジニアの人に教わりながらSwiftを使って開発していました。


木太久さんでも最初は人から教わって失敗もたくさん経験したっていうのが親近感湧きますね。在学中に創業されたと聞いていましたが、Candleでのインターンは関係があるんでしょうか?

めちゃくちゃあります。Candleでのインターンは大学4年生の10月頃から始めまして、実はそのまま大学院に進学していたのですが、大学院1年の秋にCandleがクルーズ株式会社に100%子会社としてM&Aしたんです。インターンを通じて自分で起業をしたいという想いが強くなっていたので、タイミングの良さもあってCandleを卒業しました。

そうだったのですね。でも今はCEOの谷川さんとの共同創業となっていますが、谷川さんはどこで登場するのでしょうか?

ちょうどここから登場します。

Candleを卒業することをCandle代表の金さんに相談しにいった際に、社内で同じくインターンとして働いていた谷川と一緒にやるのはどうか、とアドバイスをいただいたんです。それまで谷川とは業務上の接点はなかったものの、家が近かったのもあり、会社の飲み会や終業後によく一緒に帰ってました。

金さんから谷川も起業を考えてることを知らされ、その上でビジネスサイドの谷川とエンジニアサイドの僕でうまく役割分担するのが良いんじゃないか、と話してもらったんです。おそらく谷川にもそのアドバイスがあったのか、その日の夜に谷川から連絡をもらって意気投合して一緒にやろうとなりました。

共同創業を決めてからは毎日のように谷川とカフェに行って、お互い事業アイデアを持ち寄ってはブレストを納得できるまでずっと繰り返していました。


そういう始まり方だったんですね。事業はどういったふうに今の保険領域に着地したのでしょうか?

事業の方針を決めるにあたって、以下の3つを満たす事業・領域を探していました。

  1. 市場規模が大きいこと=上場時に1000億円規模以上の企業を目指せるか
  2. IT化が進んでなくて未だ新規参入スタートアップに勝ち筋が残っている領域
  3. マーケティングが勝負できてソフトウェア販売シフトができる領域

不動産、介護など色々検討したのですが、最終的に保険領域であれば自分たちのやりたいことができそうなイメージが湧いたのが決め手になりました。


いよいよWizleap創業から現在に至るまでのフェーズに話が進んできましたが、創業直後からの大まかなストーリーも聞かせていただけますか。

2017年2月に創業し、翌月からEastVenturesさんがデスク貸しをしてくれて、そこから最初の仕事が始まりました。

しばらくはメディアやスマホアプリを作ったりアイデアを形にしようと色々模索しながら進めていたのですが、すぐには成果は出ませんでしたね。

ただ、当初から自分たちがメディア(Web集客機能)を持ちながら保険代理店としての資格(販売機能)を持つことで、保険業界特有の課題や付加価値を提供できるポジショニングを取られると考えていたので、メディアづくり→代理店資格取得→業界特化のソフトウェアを開発・提供という順に進めていきました。

なので創業直後はメディア(マネーキャリアやMOFFME)を立ち上げて、メディアとしてコツコツ成長させるところに注力しました。CTOというタイトルではあったものの、最初は谷川も私も保険の初心者だったため、保険について勉強してメディア記事を書くということをひたすらやっていました。当時FP資格を取得し、今では生保損保ともに保険募集人の資格も持っています(笑)

マネーキャリアはアフィリエイトメディアとして開始したのですが、途中からファイナンシャルプランナー(FP)さんと提携をして、その提携FPさんに具体的な保険の契約相談を紹介するサービスにアップデートしていきました。その後は無事に保険代理店としても機能し始めて、時間軸はだいぶ計画と異なりましたが(笑)概ねやりたいことと順番は目論見通りに実現させてこられたと思います。


創業期のいわゆる自分たちでなんでもやるフェーズの話が聞けて興味深いです。事業の経緯という目線ではよくわかったのですが、エンジニアリング目線だとどういう取り組みをされてきたのでしょうか?

メディアを作って提携FPさんへ紹介をする際に、集客したお客様の情報を管理する機能とお客様が提携している専門家と実際に面談を組んでもらえるための機能を持ったシステムが必要だ!となり、その開発に着手しました。当時はマネーキャリアとしてのパートナー業務(提携FPさんとのコミュニケーション)を僕が一人でやっていたので、自分の仕事を楽にしたい一心で開発を進めました(笑)

そしてその次に着手したのが、自社用に開発していた顧客管理(CRM)システムをクラウドサービス化し、他社にも提供できるようにすることを始めました。

カスタマーサポート業務も僕がやっていて、その中で苦労したポイントは他社の代理店の顧客情報を取り扱う部署の方にとても共感いただいて、それをシステム化するところに付加価値を見つけました。

昨年末(2023年12月)には、本プロダクトを「MCマーケットクラウド」として本リリースすることができました。ここまでくるのに7年かかりましたが、現在に至るまでの大まかな展開はこんな感じです。


現在のWizleapの実態の背景がとってもよくわかりました。それでは遂に本インタビューの肝となる質問ですが、CTOとしてこれからのWizleapの事業や組織についてどういうイメージを描かれていますか?

粒度はバラバラなのですが、4つあります。

先ずはやはりMCマーケットクラウドを伸ばしていきたいです。手前味噌ながら、クライアントにとって非常に付加価値の高い良いプロダクトになってきていると考えています。ユーザーヒアリングを通じて追加機能の開発を進め、業界の代理店各社さんがこれまでシステム化を一定諦めるしかなかったような痒いところに手が届く機能を次々と要件定義して解決していきたいと考えています。

次にこれは僕の最重要課題でもありますが、エンジニア組織の体制強化を図っていきます。各領域のスペシャリストをチームに迎え入れたり、社内で育てたりと個々人のスキルアップはもちろん、エンジニア組織としてのマネジメント力、チーム力の強化を何段階もレベルアップさせたいです。

3つ目に少し違う視点のやりたいこととしては、社内のあらゆるデータを駆使して、オペレーション改善や次の一手を裏付けるようなインサイトを得る社内の仕組みづくりを進めたいと考えています。ここはデータ分析が得意なデータアナリストみたいな専任者を採用して一緒に進めたいです。

最後4つ目は、AI開発です。既に着手し始めたのですが、新規事業として具体化していきたいと思っています。保険領域に特化したLLMsの活用とアプリケーションの開発はエンジニアとしてとても興味が湧く分野ですし、無視はできない技術領域だと感じています。


これまでの0→1のステージから、1→10のような少し事業としても組織としても成熟させるようなイメージが湧きました。これらを実現するにはまだまだ仲間が必要だと思いますが、木太久さんが思う「こんな方にWizleapにジョインして欲しい」を教えてください!

エンジニアチームはかなりチーム意識が高くて、MTGもしっかり時間を確保して開発を進めているので、チームでプロダクトを作ることが好きな方はとっても雰囲気が合うんではないかと思います。

もちろん、いいプロダクトを作りたいというアツい想いや、現在の少人数体制のエンジニアチームから一定規模のエンジニア組織づくりを一緒に楽しんでやりたい、と志を共にしていただける方は、保険業界や金融業界に関係なくてもいつでも歓迎します!


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そんな方がたくさん応募くださると非常に嬉しいですね!今回は木太久さんから創業ストーリーや事業のこれまでをCTO目線でお話しいただきました。

みなさま、ここまでご拝読くださりありがとうございます。

WizleapではCTO木太久の元で一緒に開発するエンジニアはもちろん、他のポジションも鋭意採用中です。少しでもご興味を持っていただけましたら気軽にカジュアル面談を申し込んでいただけると嬉しいです。心よりお待ちしております。


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