「何がやりたいか」よりも「何ができるのか」
掲載されているたくさんの会社の中から、当社のような小さな会社を見つけてくださって、本当にありがとうございます。
あまりにたくさんの応募をいただいていて、対応がいっぱいいっぱいで全ての方にお返事ができず、プロフィールの段階で書類審査となり選考に漏れた方には、大変恐縮です。
さて、たくさんのご応募の中でプロフィールや自己PRを見ていく中で、少し気になることを書かせていただきます。
これは当社独自の見解に過ぎませんので、他社ですと全く違うでしょうし、またこの見解には納得できないという方は当社への応募は控えていただければお互いのためになるかと思います。
ご応募いただく時にプロフィールを書いていただいたり、またチャットや面接で自己PRを伝えていただいたりします。
かなり多くの方が、「自分がやりたいこと」を重点的に伝えてきます。
それは決して悪いことではないのですが、「自分がやりたいこと」の比重が大きいというのは、自己PRとしてはすごくマイナス要素だと思うのです。
私たちは確かに「あなたのやりたいことは何ですか?」という質問はしますが、それはあくまでも、あなたという人物がどういう考えを持っていて、どういう個性なのかを知りたいという意味です。
しかし、多くの人は「自分がやりたいこと」を「こういうことをやらせてもらえるんですよね?」という意味で主張してきます。
もちろん、「それはやらせたいね」ということになれば相思相愛になって大ハッピーなのですが、そういうことは奇跡的な確率だと思うのです。
というのは、「自分はこういうことをやりたいです」という主張の多くは、「じゃあ自分でやればいいじゃないですか。なんでウチがその欲望に利用されなければならないのか?」というものになりがちだからです。
そして、「こういうことをやりたいです」という主張に対して、「じゃあなぜあなたはそれを今までやってこなかったの? どこまで実現してるの?」と応えると、実は大して何もやっていないという場合が多いのです。
私たちが聞きたいのは「私は何をやりたいか」よりも、「私は何ができるのか」です。
会社は会社として仕事を進めています。
そこに混じるのですから、「私が混じれば、今の皆さんの仕事はこう変わりますよ」という根拠が欲しいのです。
そう言うと、「何ができるのかは、プロフィールに書いてます」などと返す人が大半ですが、ほぼ書いていません。
たとえば「専門学校に行って、Webデザインの知識を一通り学びました」などと書いてあるのですが、これはただの経歴です。
何を学んだかではなくて、「自分はこれだけできます」という根拠が必要なわけですから、どれだけそれを形にしたのかを提示してほしいのです。
「未経験なので、サンプルはありません」などというのは正直論外で、他からの案件ではなくても架空の案件でいろいろ作ってみてポートフォリオとすることはできるはずです。
「私は周囲の人を笑顔にすることができます」などという曖昧なものも、それほど重要視されません。「私は周囲を笑顔にはできません」という逆のPRをする人はいないわけですから、そんなことは飲食店が「うちは美味しいです」と言っているのと同じで、大して強みにならないのです。
私はこういうことができます、ほら、これが根拠です。
たったこれだけのことでいいのですが、これができていないという人が、予想以上に多くて驚きます。
もちろん、それでもいいよという会社も世の中には多いでしょう。
しかし、少数精鋭でプロとしての仕事をしている我々は、どうしても「何ができるのか」を明確に知りたいのです。
この意味が分からないという方は、恐らく当社のような会社には向いていませんし、恐らく仕事でアタフタするか逃げ出すかでしょう。その方にも当社にもクライアントにもみんなにとってマイナスですから、応募をされないほうがよいかと思います。
でも、どれだけ応募をしても選考で受からない、どれだけ面接をしても通らない、という方はちょっと意識を変えてみてはいかがでしょう。
「私は何がやりたいのか」ばかり言っていないか? 書いていないか? ということを。
「私は何ができるのか」という根拠を提示できていないのではないか? ということを。
それがきちんと言えている、書けているという人は、多くの会社が見逃すはずがありません。
小さなことでもいいのです。
マイナーなことでもいいのです。
「私は何ができるのか」をより重点的に伝える。
それだけで、劇的に就職活動のクオリティは変わるのではないでしょうか。