「エンジニア不足の時代に、自社でエンジニアを育てる」――そう語るのは、代表の髙橋。受託開発からプロダクト成功を経て、あえて今「SSI事業部」を立ち上げた背景には、1兆円企業へと成長するための明確な戦略がありました。
一般的なSES企業が「SES→プロダクト開発→失敗」という道を辿る中、Widselyは「受託→プロダクト成功→SSI事業展開」という希少な軌跡を描いていますが、なぜ今、SSI事業なのか? そこで働くエンジニアにはどんな未来が待っているのか? 代表の髙橋に、その戦略と想いを聞きました。
SSI事業部とは?
SaaS Integrator(サース・インテグレーター)の略。一般的なSES(System Engineering Service)が"サービスを提供される側"という印象を持つのに対し、SSIは「SaaSを中心に価値を統合し、課題を解決するエンジニアの集団」を意味します。会社と社員が対等なパートナーとして、誇りを持ったWebエンジニアとして成長していく——そんな想いを込めた言葉です。(関連記事:「なぜ私たちは“SES”という言葉を使わないのか」“SSI”にこめた意味)
プロダクト成功企業が、あえて「SSI事業部」を立ち上げた理由
Q. :プロダクトが成功した後に、なぜSSI事業を始めようと思ったのですか?
A. 髙橋: 今、エンジニア不足が深刻化する中で、次々とプロダクトを創出していくためには、自社でエンジニアを育てていく必要があると考えたからです。SSI事業部は、単なる人材派遣ではなく、自社プロダクト開発を担う人材の育成機関として立ち上げました。
事業を開始したのは2023年、今から約2年前のことです。当時、社内で反対意見はほとんどありませんでした。むしろ、今後の成長に必要不可欠だという共通認識がありました。
この2年間で、SSI事業部は確実に成長しています。ビジネスモデルもでき上がり、再現性も取れている。今は、そのモデルに沿ってどんどん規模を拡大していくフェーズに入っています。
1兆円企業へのロードマップ―「データ・人・キャッシュフロー」の三位一体戦略
Q. 1兆円企業を目指す上で、今はどのフェーズにいるのでしょうか?
A. 髙橋: 全体を5〜6段階に分けると、まだ2段階目といったところですね。
最初のフェーズ1では、単一の商材でビジネスを確立しました。今のフェーズ2では、複数のプロダクト・サービスを立ち上げている最中です。この先の2〜3年の間には、M&Aも含めた非連続な成長が待っていると考えています。
1兆円企業を実現していくために必要なものは、データと人とキャッシュフローの3つです。その中でも「人」は最も重要な要素。サービスを作っていく再現性を生み出すためには、プロダクトを作れるメンバーを継続的に輩出していく必要があります。SSI事業部は、まさにその人材育成の中核を担う事業なんです。
現時点での最大の課題は、開発チームのメンバーがまだ足りていないこと。だからこそ、今こそ経験者エンジニアの力が必要なんです。
顧客起点で生まれる、次世代AIプロダクト
Q. SSI事業部を起点に、新たなプロダクトが生まれているとお聞きしました。
A. 髙橋: はい。現在、AIベースのプロダクトを複数開発しています。特に注力しているのは、「AIが使う」ことを前提に作られた次世代プロダクトです。
今までは「人が使って効率化する」AIプロダクトが主流でした。でも、私たちが目指しているのは、その先。AIそのものが利用することを想定した設計になっています。これは、来たるAI時代に向けた、まったく新しいアプローチです。
これらのプロダクトの種は、既存のお客様からのニーズや、私自身が現場に足を運んで得た気づきから生まれています。実は、アイデア自体は社内にたくさんストックされていて、今もそのうちの2つを実際に開発中です。おそらく、3ヶ月ごとに新しいプロダクトがリリースされていくペースになると思います。
将来的には、SSIメンバーの中からもハイレイヤーのQAやサポートといった形で、プロダクト開発に関わる人材が生まれてくることを期待しています。
「1〜2年でプロダクト開発メンバーへ」―明確なキャリアパス
Q. SSI事業部に経験者が入社した場合、どんな役割を期待していますか?
A. 髙橋: まず、クライアントワークのチームをリードしてもらうこと。そして、会社全体の技術レベルの底上げを引っ張っていってもらうことを期待しています。
でも、最終的に目指してほしいのは、自社プロダクトの開発メンバーになることです。それこそが、この事業を立ち上げた本当の意味ですから。
実際に、完全未経験から入社して、少しQA経験を積んだ後、AWSエンジニアになり、インフラとアプリケーションレイヤーの両方を担当するようになった社員がいます。彼は今年から、メインプロダクトのインフラエンジニアとして活躍しています。また、当社のコア技術であるPBXのエンジニアになったメンバーもいます。
彼らは最初から「プロダクト開発をやりたい」という明確な意思を持ってSSI事業部に入社し、それを実現しました。
Q. どれくらいの期間でプロダクト側に移れるのでしょうか?
A. 髙橋: 人によりますが、早ければ1年以内、理想としては1〜2年でプロダクト開発メンバーになってほしいと思っています。
経験者だからこそできる、チームと会社を変える仕事
Q. 経験者エンジニアには、具体的にどんな業務をお願いすることになりますか?
A. 髙橋: チームでクライアントの仕事を進める中で、下のメンバーを率いてもらうリーダー的な役割。それから、ラボ型で開発を丸ごと請け負うケースもあるので、その開発を担当してもらうこともあります。
そして何より重要なのが、チーム全体、会社全体の技術力の底上げを引っ張っていくというミッションです。
Q. どんなマインドや技術を持った方と働きたいですか?
A. 髙橋: とにかく向上心のある人ですね。
これからのAI時代、ただの作業者は不要になっていきます。逆に、いろんなツールを使いこなせる好奇心を持った人は、時代の流れに乗って市場価値をどんどん上げられる。人の何倍もの生産性を発揮できるようになります。
トレンドを押さえながら、新しい技術を積極的に取り入れて生産性を上げられる人――本来、今後はそういう人しか生き残れないと思っています。
「SES」ではなく「SSI」―言葉に込めた想いと、ここで得られる価値
Q. いわゆる「SES」にネガティブなイメージを持つエンジニアもいると思います。Widselyで働くことで得られるものは何でしょうか?
A. 髙橋: 私たちは「SES」という言葉を使わず、あえて「SSI(SaaS Integrator)」と呼んでいます。これは、エンジニアが単なる「提供される側」ではなく、誇りを持ったWebエンジニアとして、SaaSを中心に価値を統合し課題を解決する存在であるという想いを込めた言葉です。
実際、うちのSSIメンバーでネガティブな印象を持っている人はほとんどいません。みんなかなり成長していて、市場価値もわかりやすく上がっています。やれることの幅がどんどん広がっていきますし、実際に自社プロダクト側に移っている人もたくさんいます。
みなさん、「エンジニアとしてスキルを身につけたい」「市場価値を上げたい」という想いの中で、いろんな企業を比較検討した結果、Widselyを選んでくれています。研修制度や資格支援が充実していること、そして何より、クライアントワークだけで終わらず、自社プロダクト開発というロードマップがあることが決め手になっているようです。
一つの会社で多様な経験ができ、中長期的なキャリア形成ができる――それがWidselyの大きな魅力だと思います。
QAエンジニアこそ、AI時代の勝ち筋がある
Q. QAエンジニアの中には、AI時代に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
A. 髙橋: レイヤーによると思います。単なる実行者で留まる人は、正直、要らなくなってしまうでしょう。でも、設計者やPM、自動化ができる人は、むしろAIを使って何倍もの生産性を出せるようになります。
テストは絶対に必要な領域です。どれだけ技術が発達しても、なくならない。上位レイヤーになれば市場価値も高く、今後も社会的に必要とされるエンジニアになれます。
QAとしてスキルを極めていくのも一つの選択肢ですし、インフラやアーキテクチャなど別の領域にも挑戦して、総合的に活躍できるエンジニアになっていくのも選択肢です。当社では、そのどちらも目指せる環境を作っています。
特にこれから重要性が高まるのは、インフラとセキュリティの領域。これはQAの領域でもあり、AWSエンジニアの領域でもあります。セキュリティの知見を深めたり、負荷テストができるようになってコンサルティングまでできるようになると、市場価値は大きく上がっていくはずです。
また、リグレッションテストなどの自動化は、今後ますます重要になる分野です。こうした自動化を実装できるようになれば、非常に重宝されるエンジニアになれます。
とどまることのリスクは高いですが、ちゃんと自分の付加価値を上げていけば、むしろこれからさらに求められる人材になっていけます。
「今が人生を変えるチャンス」―経験者エンジニアへのメッセージ
Q. 最後に、この記事を読んでいる経験者エンジニアの方へメッセージをお願いします。
A. 髙橋: 今、世の中の流れは本当に速い。間違った過ごし方をしていたり、脳死して働いていると、取り返しがつかないことになってしまうと思います。
でも逆に言えば、今は非常にチャンスなんです。ここでいかに自分のスキルセットを磨いていけるか、どういう経験を積んでいけるかで、今後の人生が大きく変わってきます。
会社として、そこには責任を持っています。来てもらったら、どこよりもいい経験を提供できるという自負があります。ぜひ、Widselyに来てほしいですね。
SSI事業部は、会社にとっても世の中にとっても、本当に意味のある事業です。ここから、プロダクトを作れるメンバーをどんどん輩出していきたい。そして、その規模をさらに拡大していきたいと思っています。
プロダクトもクライアントワークも経験できて、社内でキャリアを横断できる企業は、そう多くはないです。
1兆円企業への道のりにおいて、SSI事業部は「人材育成の中核」として戦略的に位置づけられている。ここで得られるのは、単なる案件経験ではなく、成長企業の中で自分自身を磨き、次のステージへと進んでいく確かなキャリアパスです。
AI時代の波に飲まれるのではなく、その波を使いこなす側に立つ――Widselyは、そんなエンジニアを求めています。
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