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突発的に生じる他部署からの仕様の質問やレポート数値調査、データ抽出といったシステム部門への問い合わせ対応に課題を感じていた当社。その課題を解決すべく、チームで問い合わせ対応を行う施策「HIKESHI」を3人のエンジニアが提案しました。今回は、その立ち上げと運営を務めたメンバーに、実施に至った背景や込めた想い、そしてエンジニアらしい切り口でどう組織貢献していったのか、3人の成長実感も合わせて聞いてきました。
左: Tさん/エンジニア 2017年新卒入社。1年目からサーバーサイドエンジニアとして自社広告商品の開発に携わる。現在は「Wedding Park DRESS」のチーフエンジニアとして、ユーザーのドレス選びの後押しができるようなサービス提供を目指し、日々開発を行う。
中央: Kさん/エンジニア 2017年新卒入社。1年目から結婚準備レポート「ハナレポ」の開発を担当。現在は「DX推進室」のメインエンジニアとしてクライアントとなる結婚式場が抱える課題をデジタルで解決するため、日々開発を行う。
右: Wさん/エンジニア 2017年新卒入社。1年目からクライアントとなる結婚式場が公式HPやランディングページを簡単に作れる「Webつく」の運用開発やリニューアルを担当。現在はチーフエンジニアとしてチームをまとめながら日々開発を行う。
インタビュアー:Nさん/エンジニア 2018年新卒入社。
「HIKESHI」とは?
システム部門への問い合わせ対応(通常業務とは別で突発的に発生する不具合や障害の対応、または他部署からのサービスに関わる仕様の質問やデータ抽出依頼などのエンジニアが担当する対応全般)をチーム戦で行う施策。
システムお問い合わせ対応をチーム戦にしたらメンバーの自信アップと活性化に繋がった話
きっかけはマネージャーからの一言。新卒3年目で初めて考えた組織としての「育成」
ーー「HIKESHI」は当時3年目の3人が提案した施策ですよね。どうして提案しようと思ったのか、背景を教えてください。
W:きっかけはマネージャーから「3人が考える組織の改善提案をして欲しい」というミッションが与えられたことでした。テーマは「メンバー育成が継続的に行える仕組みをつくること」です。
ーーそんなミッションがあったのですね!提案内容はどのように決まったのですか?
T:メンバー育成ということで、最初はお互いに教え合ったり成長出来たりするメンター制度やペアプロなどのアイディアが出ましたが、話し合っていくうちに、システム部門への問い合わせ対応に一番成長の要素が詰まっているのではないかという結論になりました。対応するには、サイトの理解度や技術力が必要ですし、自分が対応するだけでなく人に教えるスキルも必要になります。元々自分たちも苦手意識があるものだったので、自分たち自身も成長できる仕組みを作りたいと思いました。
ーーなるほど。元々感じていた課題を解決するための提案を考えることにしたんですね。仕組み化する上で大変だったことはありますか?
T:この問い合わせ対応は、通常の開発業務とは異なるイレギュラーな対応ですし、苦手意識のあるメンバーも多かったので、対応する人が偏っているという課題がありました。そこで「チームで取り組む環境を作る」ことはすぐに決まったのですが、どうやったらメンバーに積極的に取り組んでもらえるか、たくさん話し合いました。
K:組織での育成が目的だったので、教え合う状況を作りたかったんですよね。最終的に、楽しく進められるように多くのメンバーが知っているであろうゲームの世界観を参考にチーム対抗にすることが決まりました。
まずは自分たちが一番積極的にやる。背中で見せることで全体を導く
ーー内容が決まってからもどう盛り上げるかについて悩んだりしたのですね。活性化や定着に向けての工夫や苦労はありましたか?
T:施策の運営については、状況を把握しやすくするためにも、各チームのリーダーを運営3人が担当するようにしました。対応に入るメンバーやチームに偏りが出ないようにあまり参加できていないメンバーに声をかけたり、教え合う機会を作り出せるように促すなど、自分たちが想像した形に繋がるようにまずは自らがやること、導くことを大切にしました。
K:施策がスタートした頃は、とにかく運営3人で協力して進めていました。想定外のことがあった時はすぐにslackで解決策を話し合って調整したり、時にはルールを変えたりと、走りながら考えて臨機応変に動くことを意識していました。施策を進めていく中で、教え合う機会が思ったように作り出せていないという課題も出てきて、ナレッジ共有の場をエンジニアの定例ミーティングで設けたり、対応時の学びが個人やチームだけに止まらないように全体に周知・説明してもらう機会を作ったりと、組織全体のスキルの底上げができるようにしました。
W:トライアンドエラーの連続でしたね。施策の活性化については、自分たち自身も苦手意識を持っている分野だったので、それを解消するためにも運営する私たちが結束し、一番積極的に対応に入り、背中で見せることが大事だと、最初はとにかくガムシャラでした。
ーー3人がすべての対応内容を把握して全体をリードしていることは、参加している私も感じていました。自分たちが模範となることで定着を目指したのですね。
自信がついたことで組織のことを考えて行動する機会が増えた
ーーHIKESHIを実施してみて感じた自分たち自身の成長ポイントや気持ちの変化はありましたか?
K:HIKESHIの提案をきっかけに、自然と組織の課題や文化作りについて考えるようになって、他の組織課題に対しても改善提案・実行ができるようになったことですね。実は、それまでは組織について考えることもあまりなく、ましてや提案をすること自体考えていなかったんです。HIKESHIを通して組織に目を向けて自らが行動を起こすことが普通のことになったんだと思います。今は若手エンジニアのコーディングスキル向上を目的に設計手法の解説や輪読会を実施しています。
W:私も組織課題に対して改善提案・実行ができるようになりました。HIKESHIの提案・実行が自分にとっての成功体験となったことで自信がついたんだと思います。自分にも組織のためにできることがあると思い、日常で感じているちょっとした違和感や課題を周りに相談して改善策を考える機会が増えました。
T:自信が持てるようになったという面では私も同じですね。今まではなかなか教える機会がありませんでしたが、自分も後輩に教えられることがたくさんあることに気づくことができました。初めはミッションだからやる、という意識でしたが、途中からはこの取り組みがきっと誰かの役に立つ、と組織目線で行動できるようになったのも成長ポイントかなと思います。
まとめ
ーー今後HIKESHIや組織をどうしていきたいか教えてください!
W:HIKESHIの運営を後輩メンバーに引き継ぐことになって私たち3人は運営を卒業するんです。試行錯誤しながら2年近く育ててきた施策ですが、引き継ぎでは、「HIKESHIの今の形を守らなくてもいい」と伝えました。今の形はあくまで提案当時の組織課題の改善を目的とした内容なので同じやり方を続ける必要はないと思っているからです。大事なのは、運営メンバーが当事者意識を持って今の組織に足りないものは何かを考え、形にすることだと思っています。ぜひHIKESHIを組織と向き合う機会と捉え、自身の成長や組織改善に活用して欲しいです。
K:自分たちがそうだったように、新生HIKESHI運営チームのみんなにも色んなことを学んでほしいと思います。若手エンジニアが組織目線で考えることも文化として根付いてくれたら嬉しいですし、そのきっかけとしてHIKESHIの運営を引き継ぐことが継続的な育成の仕組みになるとも思っています。
T:日頃はどうしても自分の案件に関わるメンバーと話すことが多くなってしまうので、HIKESHIを通してエンジニアの横のつながりもより強くなったことが嬉しかったです。他にもさまざまな取り組みをしているので、今後もエンジニアチームみんなで肩を組んで安心して挑戦できる組織でありたいと思っています。