マーケティングMG × クリエイティブMG 対談
松井敬祐(マーケティングMG)× 田中章太(クリエイティブMG)
「広告が当たる」とはどういうものなのか──。
マーケティングとクリエイティブ、それぞれのマネージャーが本音で語り合った。
数字なのか、直感なのか。言語化できるのか、できないのか。
現場の最前線にいるふたりのリアルな声をお届けする、全2回の対談。
前編では、ふたりの仕事内容と連携、そして「当たり」の定義や予感、企画づくりの決め手について聞いた。
Q1. まずおふたりの仕事内容を教えてください。マーケティングとクリエイティブはどのように連携しているのですか?
松井 大阪のマーケティングMGとして、広告運用者のタスク管理や目標数値の進捗管理、メンバーの育成全般を担っています。今は自分が直接運用するというより、チームが成果を出せる環境づくりに徹している感じです。
田中 クリエイティブチームのMGとして私も同じく大阪にいます。メンバーが作った記事やクリエイティブの品質管理とフィードバックが主な役割で、自分自身もライターとして新規案件や会社の柱になる重要案件のライティングを手がけています。
松井 連携という意味では、マーケチームが案件を動かす中で「記事が必要」「クリエイティブを作りたい」となったタイミングで、クリエイティブチームにスポットで依頼するケースが多いですね。特にここ一番で当てにいく案件のときは、最初からライターさんやデザイナーさんと一緒に動きます。
田中 クリエイティブ側からすると、制作物をお客様に届けてもらって、その反応を見るまでが一連の流れだと思っています。作って終わりじゃなく、届けた結果が見える──そこまでが私たちにとっての連携です。
Q2. 「アフィリエイト広告で当たりを取る」という言葉、それぞれどう定義していますか?
松井 明確な定義というより、感覚的に「これは当たったよね」と共有することが多いのが正直なところです。ただマーケ目線でいうと、配信金額で見ることが多くて・・・月間一定以上売上金額の配信が出せるクリエイティブがある状態が「当たってる」という感覚に近いですね。
田中 私たちは件数で見ています。1案件でどれだけ効率よく応募件数を取れるか。200〜300件以上取れたら当たり、という定義でやっています。
(インタビュアーより)釣りで例えると、マーケは「どこで釣れるかポイントを探す」感覚で、クリエイティブは「狙った場所で自分のセッティングがどれだけ通用するか」という感覚でしょうか?
田中 まさにそれに近いです。付け加えると、記事を書くときは必ずターゲットを決める。池の魚を全部狙うんじゃなく、「白身系の魚だけ狙う」みたいなイメージで書いています。
松井 マーケで言うと、バナーや動画のクリエイティブが「釣り竿」で、配信設定(オーディエンス)が「釣るポイント」になるかな。釣り竿とポイントの組み合わせは無数にあって、「絶対これ」というパターンはない。だから日々検証し続けているわけです。
Q3. 実際に当たった広告を振り返ったとき、「あ、これは来るな」と予感した瞬間はありましたか?
松井 ありますね、ただ言語化がめちゃくちゃ難しい(笑)。市場で当たっているものを参考にしつつ、そこに新規性というかプラスアルファのアイデアが乗っかった状態になると「これいけるぞ」という感覚になる。作っている最中に来るんですよ。そういう予感があって出したものは当たり率が高い、というのは個人的に感じています。
田中 あります。「確実に当たる」と思ったものは大体当たります。ただ、そんなに頻繁には出てこないですが。私の場合は・・・うまく言えないんですが、記事を書いているときに自分がその世界に飛び込んで歩いているような感覚になる瞬間があって。RPGのストーリーがどんどん進んでいくような感じで。気づいたら記事が仕上がっているみたいな状態です。その感覚になれた記事は大体当たっています。膨大なインプットから、ターゲットの人たちがどういう状況で何に悩んでいるかを、頭で理解するというより体で分かるレベルまで落とし込めたときに、その感覚が来るんだと思います。
Q4. 逆に、自信があったのに全然刺さらなかった経験はありますか?敗因をどう分析しましたか?
松井 全然あります。むしろ多いくらいで(苦笑)。振り返ると「方向性はあっているけど深さが足りなかった」と思うことが多い。訴求の表面だけをなぞっていて、ユーザーの悩みの核心に届いていない。競合と同じことを言っているのに、一方は当たってこっちは当たっていない──という状況はそこの差だと思っています。たとえばお茶が好きな人に届けようとするとき、「お茶好きですよね」まではみんなたどり着ける。でも「麦茶の何が好きか」「麦茶をどういう場面でどう感じるか」まで表現できているかどうか。同じ訴求でも、そこの深掘りの差が当たる・当たらないの分かれ目だと思いますね。
田中 私も同じです(笑)。こっちも同じ分析です。
Q5. 企画・制作の段階で「これで行こう」と腹をくくる決め手は何ですか?データですか、直感ですか?
田中 データ8割・直感2割ですね。インサイトを決めるときも、自分の中で決めるというより、掲示板やSNS、実際の人の声を見て「みんなこういうときに悩んでいるんだ」というデータを大量に集めてから書く。ただ、表現の強さ弱さみたいなものは、今までのインプットから来る言葉にならない直感が2割働いています。
松井 まったく同じです。取引先の方から「当たったものって言語化できないよね」という言葉をもらったことがあって、それは本当にそうだなと。だからデータは大前提として、日常で感じる感情みたいなものも大事にしています。「あ、これって今こういうのが流行ってるんだ」「こういう場面でこう感じるな」という、ぼんやりした感覚をクリエイティブに落とし込んでいる感じです。
前編はここまで。後編では、ふたりの間で意見がぶつかったときの着地点や、当たりを取り続けるための日々の心がけ、そして「いい広告」の定義について聞いていきます。
登場人物
松井 敬祐(マーケティングMG)
大阪のマーケティングチームのマネージャー。広告運用者のタスク管理、目標数値の進捗管理、メンバー育成を担当。自身もクリエイティブ制作に携わりながら、チームが成果を出せる環境づくりに注力している。
田中 章太(クリエイティブMG)
大阪のクリエイティブチームのマネージャー。メンバーの制作物の品質管理とフィードバックを行いながら、自身も新規案件や重要案件のライティングを手がけるプレイングマネージャー。