2020年 世界はコロナ渦という未曾有の危機にさらされた。
そんな大規模な危機の中、急速に世界中でAIが発展・浸透し始め、
今や個人がスマホさえあれば誰でも気軽にAIを使えるところまで来た。
このAI躍進時代において、会社が生き残るために戦い続ける上でWAGRAM代表が考えることは何か?
代表にインタビューし、葛藤や本音を聞いてみた。
目次
第1回:AI時代の衝撃と、経営者としての覚悟
Q1:AIが急速に普及し始めた頃、最初に「これは本物だ」と感じた瞬間はありましたか?
Q2: 正直に聞かせてください。AIの台頭を知ったとき、恐怖や焦りを感じましたか?
Q3: 「うちの仕事はAIに取って代わられるかもしれない」と思ったことはありますか?その問いとどう向き合っていますか?
Q4:経営者として、AI時代に「変えなければいけないこと」と「変えてはいけないこと」をどう整理しましたか?
Q5:社内でAI活用を進める中で、一番苦労したことは何ですか?
インタビューメモ
次回予告
第1回:AI時代の衝撃と、経営者としての覚悟
AIが経営者にどんな問いを突きつけたのか、個人的な体験から語っていただいた
Q1:AIが急速に普及し始めた頃、最初に「これは本物だ」と感じた瞬間はありましたか?
最初は正直、遠い世界の話だと思っていました。
著名人のYouTubeを観たり、海外で自動運転が走り始めるのを見たりして、「すごい時代が来るな」くらいの距離感です。
自分の事業に直結する感覚はまだなかったです。
決定的だったのは2つあります。
1つ目は、AIが作ったバナーで実際にCV(コンバージョン)が生まれた瞬間です。実際に結果が出た。「もう自分たちの業務の中に入ってきている」と実感しました。
2つ目は、AIエージェントの登場です。「指示を受けて作る」から「自律的に動いて成果を出す」に役割が変わったので、これはやばいと。
遠い未来の話じゃなくて、すぐに来る未来だと腹落ちしたのはこのタイミングです。
Q2: 正直に聞かせてください。AIの台頭を知ったとき、恐怖や焦りを感じましたか?
確実にあります。
特に「一人一台AIエージェント」という働き方が現実味を帯びた瞬間です。
AIが仕事を奪うこと自体が怖いというよりは「自分たちの業務の中で、人間が価値を発揮できるところはどこに残るのか」という問いに、明確に答えられてなかったことです。
経営者としてここに答えを持っていないのは、シンプルに焦りでした。
そして時間軸の読み違え。
数年先だと思っていたものが、1年以内に来てしまうかもしれない。
準備期間の設計を、根本から組み替えないといけない局面だと思っています。
Q3: 「うちの仕事はAIに取って代わられるかもしれない」と思ったことはありますか?その問いとどう向き合っていますか?
エントリーレベルの仕事は、確実に取って代わられます。
これは諦めていますし、むしろ早く明け渡した方がいい。
問われるのは、その時代が普通になったときに、人間にしか生み出せない仕事をどこまで磨けているかです。私の整理は3つあります。
①入口を握る——「何を問うべきか」を立てる仕事。仮説を作れる人間にしかできない
②出口を握る——数字で結果を判定し、不確実な状況下で意思決定し、責任を取る仕事
③関係を握る——コミュニケーション。
上司・部下・同僚、そしてクライアントとの信頼の積み上げ
特に3つ目は、AIで情報の非対称性が消えていく時代になればなるほど、希少価値が上がる領域です。「この人と組みたい」と思われる関係資産は、AIには作れません。
ここを磨いていない人は、エントリーレベルの仕事と一緒にAIに呑み込まれる。
磨いている人は、AI時代になればなるほど引き合いが強くなります。
分岐点はもう来ていると見ています。
Q4:経営者として、AI時代に「変えなければいけないこと」と「変えてはいけないこと」をどう整理しましたか?
整理は2つです。
変えるもの:育成のゴール設定
これまでは「量をこなせる人」を作ってきました。
これからは「仮説を持って量を回せる人」を作ります。
AIの出力をそのままテストするだけなら、代理店として存在価値がない。
仮説を立てる側に立てる人間しか、AI時代には残れません。
変えないもの:量をこなして勘を養うプロセスそのもの
ここは誤解されやすいので、はっきり言っておきます。
新人のハードワーク期間は、削るどころか、むしろ意味のあるものにしたい。
理由はシンプルで、AIはエンパワーメント装置で、使う人の能力に出力が左右されます。最低限の広告運用・クリエイティブの専門性がない人がAIを使っても、出力は浅い。
地力なき器用さは、AI時代に一番弱い。
だから「最初の数年で深く潜る」ことの価値は、AI時代になっても変わらない、むしろ上がっています。
Q5:社内でAI活用を進める中で、一番苦労したことは何ですか?
「AIに任せて、脳に汗をかかない人」が出てくることです。
ルーティンはAIに任せていい。むしろ任せるべきです。
問題は、判断や仮説まで丸投げする人間が出てくること。
AIはエンパワーメント装置なので、使う人の地力が薄ければ、薄い出力しか返ってこない。それを「AIの出力が良くないですね」で片付けてしまう。
本当の問題は使い手側にあるのに、です。
そしてもう一つ。
「AIで楽になる」を目的にした瞬間、その人はAIに置き換えられやすい人になる。
これは社内に何度も伝えてきました。
AIは楽をするための道具ではなく、限界を超えるための道具としてつかってほしい。
この順序を間違えないでほしい。
インタビューメモ
「地力なき器用さは、AI時代に一番弱い」取材前、AIで楽になると楽観していた自分には耳が痛かった。量をこなすプロセスの価値は、AI時代にこそ上がる。その逆説が、一番印象に残るインタビューでした。
第2回では、この考えをどの様に組織運営に反映させていくのかひも解いていきます。
次回予告
第2回:私たちが選んだ戦い方
自社の戦略・差別化・チームづくりについて、具体的な意思決定を語っていただきます。