フロントエンド専門のWeb制作会社FLATは、新しく入社した社員に先輩社員がついて、技術的・メンタル的なサポートを行う「メンター制度」を導入しています。
この記事では、FLATの教育制度の特徴である「メンター制度」について、実際にメンターを行う伊藤さん、4ヶ月前に入社しメンティーとして伊藤さんの指導を受ける小濱さん、代表のサトウさんを交えてその実態を伺いました。
評価に関係しない相談役としてのメンター
——FLATのメンター制度では、具体的にはどのようなことを行っているのですか?
伊藤:週に1度、メンターとメンティーの2人で「メンターミーティング」を実施し、業務から働き方やメンタル面に関することまで、総合的に相談・サポートを行っています。また、通常の業務中にも質問を受け付けて、メッセージで答えるなどのサポートを行っています。私と小濱さんの場合でいえば、小濱さんが入社した4ヶ月前から現在に至るまで、メンターミーティングとメッセージのやり取りを続けていますね。
伊藤:エンジニア
約半年の独学を経て、2019年12月に業界未経験でFLATへ。
現在は主にコーディングとJavaScriptを担当し、フロントエンド領域全般の技術向上に努めている。
——一般的な教育制度とは何が異なるのでしょうか?
伊藤:技術やノウハウ的なレクチャーをする社員とは別に、メンターがいる点です。小濱さんの場合だと、メンターは私、レクチャーは代表のサトウが行っています。
サトウ:メンター制度を行ううえで、レクチャーを行う社員とメンターの社員は、必ず別の人物であることが必須だと考えています。レクチャーは上司にあたる人物が行うことが多いので、どうしても評価の視点が気になってしまい、社員は相談しづらくなる。より気軽に相談できるよう、評価には関係しない人物をメンターに置くことを大切にしています。
サトウ:代表/プロジェクトマネージャー
制作会社でコーダーとして勤務。数多くの新規サイト制作を行う。 2016年にコーディング専門プロダクションFLATを設立。 受託制作の経験を活かした効率的かつ堅実なコーディングを得意とする。
——メンティーの小濱さんは、メンターにどのような相談を行っていますか?
小濱:ディレクションのノウハウを聞くこともありますが、仕事に対する向き合い方や考え方を相談することが多いですね。
小濱:ディレクター
カフェ・ホテル業界という他業種からFLATに入社。
たとえば、この業界に未経験で入社した私は、入社当初、報告・連絡・相談の方法についてレクチャー係のサトウさんからフィードバックをいただくことが多くありました。自分のためを思ってのフィードバックとは分かっているのですが、それでも、自信を失って辛くなってしまうこともあって……。そのような話をメンターの伊藤さんに打ち明けたら、フィードバックをポジティブに捉えて、改善していくための方法を一緒に考えてくださりました。
伊藤:レクチャーを行う上司と新しく入社した社員の2人だけの関係では、どうしても上司側からの発言が多くなりがちで、相談しづらくなることもあると思います。とくに指導を受けることの多い入社当初は、指導されることをネガティブに感じてしまう傾向もあります。
そこでメンターが介入して、第三者の視点から「指導は誰でも必ず受けるもの」「フィードバックは、否定ではない」「レクチャー役は、こういうことを伝えたかったんだと思う」と客観的な意見を伝えることでコミュニケーションに齟齬がなくなり、働きやすさにつながると思っています。
メンターミーティングでPDCAを回せることが、成長実感につながる
——小濱さんがメンター制度があってよかったと思うポイントを教えてください。
小濱:私がメンター制度の良さだと感じているポイントはふたつあります。
ひとつは、入社時のオンボーディングとしての機能です。入社してすぐの頃から面倒を見てくれる先輩がいたことで孤立せず、安心して業務にあたることができました。メンターの伊藤さん以外の社員の方ともすぐに話せるようになりましたが、「この人には相談していい」と入社時から無条件で頼れるメンターがいることは精神的にかなり楽に感じました。
もうひとつは、業務のPDCAを回せる定期的な機会があること。
FLATのメンター制度では、週に1度メンターミーティングの場が用意されています。そこで1週間の振り返りを行い、業務全体へのフィードバックや、具体的な業務内容に限らず、心配なことを相談したりしています。
入社当初は「ミスの原因がわからない」「どう改善すればいいか打ち手が見つからない」という状態になることもあったのですが、メンターと2人で現状の課題を探し、対策を考えられたため、大きくつまずくことはありませんでした。
小濱:課題を見つけ、対策を行う。こういったPDCAのサイクルをメンターのサポートを受けながら週単位で回せることで、少しずつですが業務の質・スピードが向上していっているのを感じています。また、見守ってくれるメンターと話すことで自分の成長や今後の課題が明確になるため、業務のモチベーションにもつながっています。
伊藤:悩みや課題は誰もが抱えるもの。だからこそ、会社はその社員の課題を解決できる場を作るべきだと考えています。そのための仕組みとして、FLATはメンター制度を導入しています。また、メンター制度はメンティーの課題解決だけでなく、会社を変える側面もあると思うんです。
メンター制度は、会社を変えるための制度でもある
——メンター制度が会社を変えるとは、どういうことでしょうか?
伊藤:まず前提の話となりますが、メンターミーティングでメンティーから悩みや課題を聞いた際の対応には2つあります。
ひとつは、先述のようにメンティーにフィードバックを行う方法。メンティー自身のマインドや言動を変える方法です。まだ環境に慣れないうちはこれも必要だと思いますが、フィードバックだけでは社員が抱える悩みの抜本的な解決にはつながりません。
伊藤:そこで、もうひとつの対応が重要になります。メンティーの課題を受けて、制度・会社のほうを変える方法です。自分はメンターを担当するうえで、こちらの対応こそが大切だと感じています。
なぜなら、社員であるメンティーが悩んでいることは会社の課題でもあるからです。たとえば、業務につまづいているなら、会社の教育体制や業務フローに問題があると考えられます。マニュアルの作成や指導方法の変更、業務フローの見直しといった対策が必要になるでしょう。
メンティーの悩みは、会社の課題を解決するきっかけとなります。だからこそ、個人の悩み解決を個人に委ねるのでなく、会社が仕組みとして解決していくことが重要だと感じています。
——メンター制度は、個人だけでなく会社の課題を改善するための制度でもあるんですね。
伊藤:
はい。そのために、FLATのメンターミーティングでは、メンティーの個人的な目標や興味まで踏み込んで聞くようにしています。
これは、メンティー本人が希望する・興味がある業務を会社が提供するため。メンティーの個人的な目標や興味を知り、上司にその内容を伝え、可能な限りその希望や達成につながるような業務を任せてもらえるようにしています。また、その業務に必要なスキルがあれば、それを身につけるためのフィードバックもお伝えします。
私は、そこまで行ってこそのメンター制度だと考えています。メンター制度の主役はメンティーなんです。ただ話を聞くだけでは意味がありません。メンティーの悩みや希望を聞き、業務を考え、メンティー含めすべての社員が活躍できるよう会社を変えていくことが重要だと思います。
社員一人ひとりが専門性を発揮するために
——少人数の制作会社やスタートアップ企業で、メンター制度を導入する企業は多くはありません。そんななか、メンター制度を導入している理由を教えてください。
サトウ:まず、ひとつは、新しく入社してくれた人を気持ち的に孤立させないためです。少数精鋭であるFLATでは、入社時期が同じである「同期」という存在ができることがほぼありません。
そのため、新しく入社した方は、周りがみんな先輩という状態になります。その状態だと不安を口に出しづらく、気持ちを溜め込んでしまう人も多いでしょう。
働きやすい環境を作るためには、話せる相手が必ず必要です。だからこそ、気軽に話せる最初の一人は、会社側で用意しようと思いました。最初はメンターに頼りつつ、少しずつ会社に慣れていっていただければと考えています。
サトウ:また、FLATを今後強く大きなチームに育てていくためにも、メンター制度には価値があると考えています。社員の関係を整え、チームの基盤を固めていくことで、社員一人ひとりの専門性が発揮されるからです。フロントエンド専門のWeb制作会社であるFLATは、社員の力で成り立っている会社です。そのため、すべての社員が働きやすい環境を作ることが、会社を強く大きくするもっとも効率的な方法です。
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