40本以上も募集を出していれば、カバー画像は適当に使い回しているのではないでしょうか。
▍同じ画像が並ぶと、会社が「雑」に見える
現在、私たちは採用ページで40本以上の募集を掲載しています。求職者が私たちの会社ページを開いたとき、もし同じカバー画像ばかりがズラリと並んでいたら、どう感じるでしょうか。
おそらく「どの募集も同じに見える」「片手間で採用をやっているのではないか」という不信感につながるはずです。
私たちは、成人向けを含むエンタメ領域のクリエイター支援から、SNSアカウントの運用、生成AIによる作業の自動化までを手がけています。
所属タレントの総フォロワーが1,000万人に達し、メンバー一人あたり100万人の担当規模を持つ環境において、「画像の既視感」はいとも簡単にユーザーの興味を奪うことを知っています。
計測できている一部のアカウントだけでも、20日間で759本の投稿を行い、93,838のいいねを集めました。年間のおおよその規模で言えば、13万本の投稿と1,700万のいいねを生み出しています。
これほどの数を動かしていると、同じ画像を短いスパンで使い回した瞬間に、反応が目に見えて落ちます。採用の募集においても、その原理は全く同じです。
▍手作業での確認は、すぐに破綻する
採用を本格化させた当初は、新しい募集を作るたびに「この画像はさっき別の記事で使ったな」と記憶に頼って選んでいました。
しかし、掲載する募集が数十本になり、9つの職種にまたがって展開し始めると、手作業でのチェックはすぐに限界を迎えました。
手元には、同じ市場にいる競合66社を毎日巡回して集めた、1,071件の募集記録が貯まっています。
会社全体の応募総数が自社を上回る25社を観察していると、募集の本数が多くても、一覧ページに並ぶ画像が綺麗に分かれており、使い回しを感じさせない工夫がされています。
一方で、当時の私たちは、過去の募集記事を一つひとつ開き、目視で被りがないかを探すという非効率な作業に時間を奪われていました。このままでは、新しい募集を出すスピードも、画像の質も担保できなくなると痛感したのです。
▍画像の「在庫」を持ち、枯渇を可視化する
使い回しを防ぐために最初に取り組んだのは、画像の「在庫」をシステムとして持つことでした。
募集に使うための社内写真や、生成AIで作成したグラフィックをあらかじめ100枚単位で用意し、スプレッドシート上でリスト化します。
各画像には「IMG-001」といった固有の管理番号を振り、「未使用」「掲載中」「掲載停止(過去に使用)」の3つのステータスで管理するようにしました。
こうすることで、いま手元に自由に使える画像が何枚あるのか、在庫の残量がひと目でわかるようになります。
週に1回、この在庫リストを確認し、「未使用」の画像が少なくなっていれば、次の撮影を組んだり、AIに指示を出して新しいバリエーションの画像を生成したりして補充します。
その場しのぎで画像を探すのではなく、常に在庫を潤沢に保つサイクルを作ったことが、運用を安定させる土台になりました。
▍掲載中と重ならないよう機械で確かめる
在庫をリスト化しても、実際に募集のカバー画像として設定する際に、人が間違えて使用済みのものを選んでしまえば意味がありません。
そこで導入したのが、掲載中の募集と画像が重ならないよう、機械で確かめてから使う運用です。
新しい募集を起案するシートに、使いたい画像の管理番号を入力する欄を設けました。
番号を入力すると、裏側で関数とプログラムが動き、現在掲載されている40本以上の募集データと自動で照合を行います。
もし、入力した画像がすでに他の募集で「掲載中」となっていれば、セルが赤く光り、「重複エラー」というアラートが出る仕組みです。
この機械的な判定を通過しない限り、募集を公開する工程には進めません。
目視のチェックを捨て、機械の判定に委ねたことで、ヒューマンエラーによる画像の使い回しは完全にゼロになりました。
▍数字で判定し、定期的に画像を入れ替える
画像は一度設定して終わりではありません。募集のパフォーマンスに合わせて、意図的に入れ替えることも重要です。
私たちは、公開から15日を区切りとして応募率の基準を作り、上位35%に入るかどうかで募集の健康状態を測っています。
閲覧数が60を超え、公開日数が24日に達しても基準に届かない募集は、停止候補として判定されます。
この停止候補のリストに入った場合、37字を上限とする募集タイトルを書き直すとともに、カバー画像も新しい在庫の中から選んで差し替えます。
直したあとは、21日かけて再び効果を測り、変更によって閲覧からの応募率がどう動いたかを検証します。
朝の投稿指示の締切である12時30分までに、こうした前日のデータに基づく修正指示をチーム内で共有し、スピーディーに募集ページを更新していくのが私たちの日常です。
▍見えない手数が、確かな数字を作っていく
「画像が被らないようにする」。言葉にすれば当たり前のことですが、それを属人的な記憶や感覚に頼らず、在庫管理と機械チェックという手順に落とし込めるかが、長期的な運用を分ける鍵になります。
2022年3月の設立以来、こうした地味な運用を積み重ねてきました。
その結果、1年前にはわずか19だった会社のフォロワー数は、現在310にまで成長しました。
そして、これまでに届いた応募は240件を超えています。
「ただ同じ画像を避ける」という見えない裏側の手数が、求職者からの信頼を生み、最終的な採用の数字を作っていくのです。
才能やセンスがなくても、手順と機械の力でクオリティは維持できる。それが、私たちが証明したい仕事の進め方です。
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