リモートワークが常態化し、社内で働く同士のコミュニケーションのあり方にも変化が見られます。特に、社員に比べて勤務時間や期間が短く、入れ代わりが頻繁に発生するインターン生とのリモートでのコミュニケーションに苦労をしている企業も多いでしょう。Webコンサルやオウンドメディアの運営、Wantedly運用代行などを手がけている株式会社Her'sも、多くのインターン生を抱える企業ならではのコミュニケーション課題を抱えていました。
同社では、社内のコミュニケーションの活性化を目的にWantedlyの社内報機能「Story」を導入。「一緒に働いているのに、お互いのことをよく知らない」という悩みを解消するために「Story」がどのような役割を果たしているのか、人事兼広報の佐藤美佳さんにお話をお伺いしました。
株式会社Her's 人事兼広報 佐藤美佳さん
「同じ会社にいるのに顔も分からない」という不透明感
−−インターン生が多いと伺いましたが、従業員全体のどの程度を占めていますか?
佐藤:スタッフの人数は全体で30人。社員が5人でその他はインターン生という構成です。従業員の職種はエンジニアやデザイナー、マーケター、バックオフィスや営業など、幅広く在籍しています。。勤務態勢は基本は出社ですが、業務内容によって自宅でテレワークの対応も、フレキシブルに選べるようにしています。個々の働き方や判断に任せていて、地方在住で完全リモート勤務のメンバーもいますし、オフィスで働いているメンバーもいます。
−−「Story」導入以前に抱えていた課題を教えてください。
佐藤:出勤の時間や曜日がバラバラなインターン生が大半を占めているうえに、勤務時間がシフト制になっているため、同じ社内で働いていてるのにシフトが合わないと一度も会ったことがない人もいて、コミュニケーション相手の顔が見えない不透明な感じが生じてしまっていました。そのため、インターン生が担当するそれぞれの仕事内容を把握するのも大変でした。
−−そのときは、社内のコミュニケーションはどのように行っていたのでしょうか。
佐藤:主にSlackやLINEのグループチャットを活用していました。また、ランチに行ったり、飲み会やイベントを開催したりもしましたが、シフトや勤務形態の違いにかかわらずオンラインで円滑にコミュニケーションができる方法はないかと模索していました。
社内報「Story」での自己紹介が、これまでになかった交流を生み出した
−−そこで「Story」を導入されたわけですが、どのような使い方をされていますか?
佐藤:Wantedlyの担当の方からは「Story」は、元々は経営層がビジョンやバリューの浸透を目的にメッセージを社員に向けて発信する社内報サービスだとお伺いしていたのですが、私たちはメンバー全員が情報発信できるコミュニケーションツールとして活用しています。例えば、私は今こんなことにハマってますとか、昨日ここに遊びに行ってきましたというような、プライベートな情報を発信する場になっていますね。
使い方の話でいうと、まずはメンバー全員に自己紹介を書いてもらいました。新たに入社したメンバーにも最初の仕事として自己紹介を書いてもらうルールにしています。全員の自己紹介がいつでも見られるようになって、直接は会ったことがないメンバー同士もお互いを認識できるようになりました。
公開した社内報記事を少しだけご紹介
それ以外はルールで縛ることなく、自由に好きなことを投稿できるようにしています。私は自分の生い立ちや趣味のことを書いたりしていますし、釣りが趣味のメンバーは釣った魚の写真をアップしたり、バイト先の餃子屋さんについて書いているメンバーもいます(笑)。「Story」はメンバーが自身のことを発信できる場になればいいなと思っています。
−−かなり自由度の高い使われ方ですね。メンバーによって温度差があったりはしませんか?
佐藤:自社のオウンドメディアに関わっているメンバーは、本を読むのが好きだったり、メディアで何かを発信したいと思っている人が多いので活発に投稿してくれている一方、エンジニアの方はあまり自分からの発信には興味がないという人もいます。そのため、自己紹介以外は特に強制などはしていませんが、誰かの投稿を見てリアクションをしたり、自分が投稿したものにリアクションが付いたりして、情報発信の楽しさやそこから発生するコミュニケーションを知ってもらったら、したいこと、できることの幅が広がるのではと思っています。
「Story」で社内のメンバーがそれぞれの書きたいこと、発信したいことを、続々書いているうちに、「こんな内容も、社内に向けて書けるんだ」と知ってもらえればうれしいです。
−−メンバー同士のコミュニケーションツールとして使い始めてから、変化はありますか?
佐藤:導入から数カ月たちましたが、コミュニケーションの幅が広がっている感じがありますね。あまり交流のなかったメンバー同士が、投稿へのコメントを通じて仲よくなって一緒にご飯を食べに行ったり、魚釣りの投稿がきっかけで釣りに行こうという話で盛り上がって「釣り部」が結成されたり、また、投稿された記事をきっかけにみんなでBBQをしたりもしました。
社内報記事内のコメント機能で盛り上がっています!
導入する前には、それこそ相手の顔も分からない状態でしたから、知り合い同士で個々に仲よくなることはあっても、シフトが違うメンバーのような知り合いではなかった人同士で遊びに行くなんてことはなかったので驚いています。仕事のコミュニケーションも円滑になり、インターン生もどのような趣味や趣向を持っているか分かるようになり、さらにインターン生に対して情報を伝えやすくなって、導入当初に狙っていた以上の効果を感じています。
−−個人SNSでのコミュニケーションは、社員にもインターン生にもやはり抵抗がありますか。
佐藤:そうですね、InstagramやTwitterでコミュニケーションを取ると、プライベートすぎる感じですね。「Story」はSNSほどまでは踏み込まない距離感で、仕事相手とのちょうどよいコミュニケーションが取れるのだと思います。社内でもっと仲間のことを知ることができて仲よくなれるけど、プライベートとは切り離せるところが使いやすいのかなと思っています。
会社からの共有事項も「Story」にすべて集約したい
−−課題解消につながってうれしいです。今後はどのように使っていきたいとお考えでしょうか。
佐藤:現在はスタッフ同士のコミュニケーションに使っていますが、今後は社内で共有したいビジョンや情報も社内報「Story」に集約していきたいと考えています。「朝会」は学びの場として毎日誰かが「学びになる講座」を実施しています。それを「Story」と連携させていきたいと考えています。
また、プライベートなことだけではなく仕事の話も気軽に書き込んでもらえる雰囲気にしたいですね。仕事が忙しいときに「今、こんな仕事をしています」と書き込んだら、誰かが「私がそれできるから手伝おうか?」みたいな感じで。特に今はリモートワーク環境のため、一人で仕事に没頭してしまうケースもあるので、そういった面をケアできるような運用も考えています。
−−最後に、「Internal Story」はどのような企業に適していると思われますか?
佐藤:弊社のように、コミュニケーションをメンバー同士で相互にとってほしいけれど、リモートワーク率が高くて接点が少なかったりする企業には、社内だけに自由に発信できて情報がストックできる「Story」がちょうどいいツールなのではないでしょうか。SNSやチャットでのコミュニケーションほど心理的なハードルも高くならないところが、活性化につながったのではないかと思っています。
(取材・執筆協力:三浦一紀)
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