弊社の経営理念は世のため人のために働くこと、我々のミッションはモノづくりを通じてイノベーションがどうたらこうたらー
なんてことをよく目に耳にすると思います。想いを共有しそれを目指して社員全員で頑張ることで全社一丸となって仕事に邁進する。そのために社員は理念を理解し、理念にそって行動し、失敗を繰り返し気付き学ぶことで成長し、充実感を得て生活の質が向上する。仕事が出来る人がたくさんお給料を貰い、出来ない人はそこそこの給料を貰う。弊社もつい最近まではこのやり方を進めてきました。が、最近になって止めました。
理由は上手くいかなかったからです。なぜ上手くいかなかったか。
いろいろと原因は考えられます。まずは理念を理解することが面倒だということ。難しかったり抽象的すぎる場合も多いのでよくわかんない。次に失敗はしたくないということ。失敗するくらいならやらないほうがいい。そして何よりも会社の考え方や理念なんてどうだっていい。ミッションなんてどうでもいい。要は高い給料が出て休みが多かったらずべこべ言わず働くというのが本音。
であるなら、会社で働いているメンバーの本当の要望はどこにあるのか、共通する要望はなんなのか、絶対的な価値観があるはず。例えば戦争反対!と言えば誰もがその通り!と言うように、会社で働く目的はなんなのか!という問いに対し、誰もが反対しない考え方。それが休みを増やすことと、給料を上げることだと気付いたわけです。そして仕事ができる人もできない人も、頑張っている人は全員給料が上がるし休みが増える。出来ないことはやらなくていい。出来ることだけやればいい。それだけで社員全員給料も休みもどんどん増えていく。そんな会社が実現できれば、最高の会社だと思うのです。
給料が多すぎますって返す人はいないでしょうし、休みを返上して出勤して会社でぼけーっとしている人もいないでしょう。でも実際は我々の会社は以前はそういう人たちを評価する形になっていました。長時間文句も言わず身を粉にして会社のために働く。今でも実際こうした人を評価する社内風土の会社は世の中にまだまだ残ってるでしょう。
なぜそうなるか?それは社会で活躍している人や管理職の人たちのほとんどがそうしてきたからです。人とは違うことをすることで、普通できないことをすることで競争社会で生き抜いてきたわけです。人が見て居ないところで死ぬほど努力している人たちです。なので頑張っている人を見ると応援したくなる、評価したくなる、可愛いわけです。
でも全員が全員、同じことが出来るわけではありません。また、誰かが成功した方法(努力と根性と勇気で成り上がる)も、人が変われば成功するかどうかなんてわかりません。100人いれば100通りの成功方法、仕事の目的があるのです。
ただし、全員の給料や休みが増えるということは、自分だけではダメだということ。会社が儲かって無いのに自分の給料が上がったということは、誰かが下がったということ。自分の休みが増えたということは、誰かがその業務量を負担しているということ。言い換えると自分だけの給料や休みを増やすことの方が簡単で、自分以外の給料や休みを増やすことは大変なのです。じゃあどうすればいいか。会社が儲かればいいんです。会社にとってプラスになればいいんです。会社が儲かってれば誰かの給料が上がっても誰かの給料を下げなくてもいい。
仕事は何でもいいんです。お茶くみでもコピーでも掃除でも毎朝遅刻せずに来ることでも何でも良い。そこからどんどんレベルアップして付加価値を生む仕事が出来るようになる。仕事の経験値が貯まるまでは出来ることも少ないし作業効率も悪いしいいアイディアも浮かばない。じゃあ何でカバーすることが出来るか。それを仕事ができる先輩方々は時間を使うことで、長時間仕事することでカバーしてきたわけです。そして成長しスキルが付いた今でもそれを続けている。だから誰も追いつけない。うさぎが本気出してゴールまで突っ走ったら亀との競争の結果は誰の目にも明らかです。
だからといって長時間働けということではありません。もちろんそういうイバラの道を好んで選ぶ人もいるでしょう。でもそれも間違いではなく、目的に至る道が違うだけ。どれが正解でどれが間違いなんて無い。何がやりたいか、何が出来るのか、そのためにはどうすればいいのか。それだけ考えて日々仕事していればみんなハッピーになれるんじゃないかなと。
給料を上げて休みを増やすためにはどうすればいいか、ただし全員の。それをみんなで考えて実行に移す。これが本当の仕事なんだということ。朝早くオフィスに来たら花に水をあげている社員がいた。自主的にやってれば仕事、言われてやってたらそれは作業。同じことをしているのに印象は大きく違う。仲間の給料や休みがどうすれば上がるか。それを考えて実行することが我々の考える仕事なのです。
会社で儲かった分の半分は給料に割当て、半分の半分は経費に、残りは会社の貯金に。これが理想だと言われています。適材適所と多様性を受け入れる。だから事業内容や経営理念なんて興味がないという価値観も受け入れられる。みんながそれぞれの道でそれぞれの目的を持って結果として同じ方に向かって歩いていければ良いなと思うのです。