What we do
「百姓なりわい塾」で五右衛門風呂を作っている様子。
東京から来た大学生の滞在をコーディネートすることもあります。
椎葉村地域おこし協力隊は、各々が異なるミッションを抱えています。現在活動中のものは、
①村の魅力を引き出す「ツーリズムコーディネーター」
②九州中央山地の大自然の中でハウス園芸を学び就農を目指す「秘境 de 農業」
③生きる力に必要な知恵や技を学ぶ場を構築する「百姓なりわい塾コーディネーター」
④木工を中心にデジタルファブリケーションによるものづくりに取組む「木業化プロジェクト」
⑤空き家や遊休施設を使って地域活性化に取組む「空き施設利活用プロジェクト」
⑥大自然で育つ雑穀や山野草、薬草の活かし方や栽培を実践する「雑穀女子」
⑦秘境への移住を提案型でコーディネートする「移住コーディネーター」
の7つです。
現在のメンバーが協力隊になった動機は様々ですが、共通しているのは「椎葉村に住みたかった」ということです。椎葉村には都会と比べて多様な産業や雇用の場があるわけではないため、やりたい仕事は自分で創り出す必要があります。メンバーは、基本的には各々のミッションを事業化し、生業として任期終了後も稼ぎを得ていくことを想定しています。ヨソモノの視点とソーシャルビジネスの観点から「種」を見つけ出し、地元住民と協力しながら種まきをし、出た芽を育てていくことが椎葉村地域おこし協力隊の仕事です。その中で交流が生まれ、ヒト・モノ・カネが動き、地域が活性化していくことをイメージしています。
Why we do
休耕田に植えられたヒマワリにも、掘り起こせば物語があります。
有名な循環型焼畑も、ヨソモノの視点でまだまだ掘り起しができます。
〇椎葉村は人口2,700人の小さな村です。人口規模だけで見るともっと小さな村はたくさんありますが、人口密度は5人/km2。最も密度の高い東京都豊島区の約4500分の1という、いわゆる「過疎地」「限界集落」です。
しかし、椎葉村にはたくさんの資源があります。棚田や清流など日本の原風景が残り、山や森からの豊富な恵みと、それを糧に変える知恵と技が今でも受け継がれています。九州中央山地の中に位置し、自然の要塞のような立地環境にありながら、たくましく生き抜いてきた人々がいます。そのことは、世界農業遺産や日本で最も美しい村連合に認定されたことで証明されており、国内外から高い評価を受けています。
〇国の施策による地方創生、地域活性化の流れを待つまでもなく、椎葉村の文化や精神性を次代に受継ぐため、移住促進という動きが椎葉村でも生まれました。しかし、ただ「移住」と旗を振っても人は来ません。村内には高校がなく、子どもたちは進学のためにほぼ必ず村を出る、という事情もあります。辺境の村に帰ってくるより、学を身に着け、都会で大成することを臨む親たちも少なくありません。それならば、村の出身者にこだわるのではなく、椎葉村に興味を持ち、住みたいと願う「ヨソモノ」にも門戸を開くことで村を存続させたいという想いが地域おこし協力隊の導入につながりました。
資源がない、と言われてきた日本の中で、椎葉村には多くの目に見えない「資源」が眠っています。地元の人間には分からないその資源をヨソモノの視点から発見し、掘り起こし、活性化させる。そのことが仕事になり、自分も周りも活性化し、やがては地域全体が底上げされていく。人口減少に歯止めをかけることができなくても、そこに濃密なコミュニティが生まれれば、地域社会は存続していくと私たちは信じています。椎葉村に潜むポテンシャルを様々な角度から発掘する突破口を開くパイオニアになるために、私たちは活動しています。
How we do
田舎暮らしでは、何をするにも他人との協力が不可欠です。
時には美味しいごはんをみんなで作って食べることも大切です。
「WHAT」でご紹介した通り、現在は7つのミッションが同時進行しています。農業以外は、1ミッション1名体制で活動しており、月に2回のミーティングで進捗を共有し、お互いの活動に意見やアイディアを送り合うことでブラッシュアップを図っています。ミッションは今後も増やしていく予定で、場合によっては複数名体制となる場合もあります。
地域おこし協力隊の任期は、最長3年です。任期中は、村役場の嘱託職員として活動するため、勤務条件などはその規定に準じます。任期中は給与と手当が支給され、活動費が予算計上されます。
ミッションはあらかじめ用意されたものですが、その具体的な内容は自分で考え、実行し、形にしていくことが求められます。その過程で、お金以外にも様々なものが必要となりますが、それは村役場の担当者が中心となってサポートします。
いわゆる「指示待ち」タイプの働き方を指向する人には向いていない仕事です。かと言って、独り善がりで突っ走ってしまうと、周囲との軋轢が起きて上手くいきません。周りとの関係性を保ちながら、自分で仕事を作っていくことが求められます。