今年の4月~5月にかけて、東京都市大学 都市生活学部 北見幸一研究室と、ALLUのマーケティング戦略提案プロジェクトを実施しました。このプロジェクトは、企業および都市やまちづくりに関するマーケティング、ブランディング等について研究を行う北見幸一研究室とのコラボレーション企画です。
バリュエンスとALLUの存在意義を理解いただき、リユース業へのイメージをアップデート
プロジェクトテーマは、「リユースのブランド品を販売する『ALLU』を通して、バリュエンスという企業の理念を伝えるマーケティング・アイデアを考えてもらう」こと。弊社が理念経営を推進していると同時に、事業活動ではALLUブランドのさらなる強化が重要課題になっているため、難易度は高いものの、ALLU×理念経営というテーマで考えてもらうことにしました。
4月、ゼミ生に来社いただき、弊社のビジネスについて理解してもらいました。併せて、パーパスに「Circular Design for the Earth and Us」を掲げている理由を深く理解してもらうため、アパレル業界が抱える問題に関しても動画を交えてご説明しました。
また、ALLU 表参道店の見学も行い、弊社がリユース業を通して実現したい世界観を共有しました。最初にリユース品のイメージを聞いたときは、「誰かが使かった物なので、自分が使うのは抵抗がある」と言っていた学生も、実際の商品に触れ、イメージがアップデートされていました。
北見先生からも、「裏にある業界課題からリユース業を紐解くことで、その意義が明確化された。また、実際の店舗を見ると既存のイメージと大きなギャップがあり、社会における必要性を感じられた。」とおっしゃっていただけました。
学生たちならではの自由で魅力的なアイデアに感謝
約2か月にわたり、学生たち主体で調査・研究を進めて提案資料をまとめてもらい、5月30日に発表会を実施しました。
当日はマーケティングの専門家として、マーケティング戦略部 部長の井山、ALLUのブランディングやマーケティングの責任者として、販売本部 副本部長 山本と営業本部 販売営業部 店舗販売課 課長 齋藤も参加し、AチームからDチームの計4チームによるプレゼンテーションを審査しました。
学生視点でターゲット調査も実施され、さまざまな角度から情報を収集して、マーケティングのアイデアが検討されていました。学生ならではの自由な発想で、中にはプレゼンテーションの演出として寸劇をしてくれるチームもあり、アイデアを分かりやすく伝える工夫が凝らされていました。
4チームのプレゼンテーションを聞き終えて、店舗販売課 課長の齋藤は、「皆さんが真剣に取り組んでくれたことが感じられました。すぐにでも実装できそうなアイデアも複数あり大変参考になりました。日々、目の前の課題に必死になる中で、仕事の意義や目標と向き合う機会にもなりました。」とコメント。
販売本部 副本部長の山本は、「この課題を楽しんで取り組んでいただけましたか?」と問いかけ、「マーケティングを使って課題解決をする大前提に、その課題に向き合う“熱量”も大事だと思っています。社会に出たときに、課題と向き合う“熱量”を大事にしてもらえると、皆さんが学んでいるマーケティングや身につけているスキルが本当の意味で生きてくると思います。皆さんの熱いプレゼンを聞いて、改めてALLUブランドについて見つめ直す良いきっかけになりました。」と話しました。
マーケティング戦略部 部長の井山は、「皆さんが自分の力で調べ、自分の言葉に落とし込んでプレゼンテーションしてくださり、すばらしいと感じました。リーチを伸ばすためのタッチポイントの工夫やターゲットの絞り込み、ALLUの魅力を伝えるストーリー設計、ALLUオークションなど既存価値の活用など、各チームの個性が出ていて素晴らしかったです。本当にありがとうございました。」と各チームへの講評を伝えました。
Best ALLU賞に選んだのは、“ALLUならでは”の価値を魅せてくれたチーム
審査員一同話し合った結果、Best ALLU賞に選んだのは、Cチーム「Past&Beyond」。
マーケティング戦略部 部長 井山からの講評コメント:
4チームとも素晴らしかったので、本当に悩みました。どのチームも、リユースという事業の裏にある、アパレル業界の抱えるネガティブな問題を解消するために、環境負荷を低減して、地球を守り、次代につなぐ、といったコンセプトがあったように思います。
一方で、マーケティング観点で見たときに、生活者の立場だったら、環境負荷を低減できるというだけで本当にリユース品を購入するでしょうか?もう一押し、買うアクションにつなげるためのフックが必要じゃないかと思います。Cチームは、物が作られた背景にある秘話や前に使っていた人の想い、昔のものならではの稀少性といった、新品にはないリユースの良さを「ストーリー」という言葉で提言してくれました。
環境負荷低減というだけでなく、物のストーリーというベネフィットも加えて、双璧でコンセプトを作った点が他チームにはないアイデアだと思い、Cチームに決めました。
ALLUも「オーナーからオーナーへ価値を語り継ぐことで、再び新たなストーリーを紡ぐことのできる宝物がたくさんある」と考えているブランドです。ALLUしかできないアイデアはどれだろうと考えたときに、Cチームの物のストーリーを伝えられる展示会という提案が、ALLUのブランディング観点で見ても合致していると思いました。
併せて、審査員が学生ならではの発想力にうならされたAチーム「福がALLU」を特別賞として表彰しました。
販売本部 副本部長 山本からの講評コメント:
特別賞の「福がALLU」の案は、シンプルに一番ワクワクした、というのが理由です。実現可能性で考えると課題はあったかもしれませんが、今の我々からは発想として出てこないと思われるとても自由なアイデアだったからこそ、特別賞を贈りたいと考えました。実現可能性が低いアイデアだけれども、どうしたら実現できるか考えてみたい、一番楽しんで取り組めそうなアイデアでした。
最後に北見先生より、「今回のテーマは学生にとっては難しかったと思いますが、新しい視野を広げるきっかけになったと思います。また、マーケティング視点・ブランディング視点で的確なコメントをいただいてありがとうございました。こういう機会はありがたく、企業の皆さんからのフィードバックは本当に説得力があり、学生にとっても今後社会に出る上での糧になったと思います。」とコメントをいただきました。
ちなみに写真は北見ゼミの頭文字Kサインをしています。表紙の写真はバリュエンスの頭文字Vサインで撮ってくださいました!
北見先生、北見ゼミの学生の皆さん、素晴らしいアイデアのご提案をありがとうございました!!