Valuence NEXTは、社員自身のWILLを起点に、パーパスの実現と企業価値向上につながるアイデアを形にしていく社内公募型プログラムです。新規事業だけでなく、現場から生まれる改善提案や、自身の想いを企画化したプロジェクトまで、年齢や役職を問わず誰もが挑戦できます。選考を通過した挑戦者には、執行役員が専属メンターとして伴走。
この連載では、NEXTに挑んだ社員と、その挑戦を支えた執行役員との対談を通じて、アイデアが生まれた背景、メンタリングの中で起きた変化、そして実現に向けた現在地を紹介します。
第1回となる今回は、社員総会の投票で見事、最優秀賞に選ばれた佐藤さんと、そのメンターとして伴走された執行役員の大西さんの対談レポートをお届けします。
NEXT社員:佐藤 青 バリュエンスジャパン SCM本部 プロダクト戦略部 部長(タイトル画像左)
NEXTメンター:大西 剣之介 バリュエンスホールディングス執行役員/コーポレートストラテジー本部 本部長/人事部長/広報室長(タイトル画像右)
実は佐藤さんが大西さんを選んだ理由は、「自分から一番遠い人だと思ったから」。一方、大西さんは「佐藤さんには、絶対に勝ってほしかった」と振り返ります。なぜ佐藤さんはNEXTに挑戦したのか。二人はどんな時間を重ねたのか。そして、提案から実装へと進む現在、二人が感じている「バリュエンスらしさ」に迫ります。
「アイデアを言う人」で終わりたくなかった
――まず、佐藤さんがNEXTに応募しようと思ったきっかけを教えてください。
佐藤|昨年12月にValuence NEXTについて社内説明会があったと思いますが、その説明を聞いて、NEXTの取り組み自体にすごく共感したんです。
というのも、それまでの自分は、どちらかというと「アイデアを言う人」だったと思っていて。「あれをやったらいいんじゃないか」「こうしたらもっと良くなるんじゃないか」と考えることは結構ある。でも、それを自分が率先して周囲を巻き込みながら実現するところは、なかなかできていませんでした。そういう状態が何年か続いていて、自分の中でも少し悶々としていたんです。
NEXTなら、自分が考えていることを会社の皆さんに知ってもらえる。もし本当に良いアイデアなら、実現につなげられるかもしれない。そう思って、かなり前のめりに応募しました。
大西|佐藤さんは、Valuence NEXTへの提案数No.1なんですよね。ほかの方は1件、多くても2、3件だったのですが、佐藤さんは8件でした。部長レイヤーの方が、誰よりも前のめりで提案をしてくれたことが本当に嬉しかったです。
佐藤|ありがとうございます。そうですね(笑)。正直、一つひとつのアイデアに「絶対これが選ばれる」という自信があったわけではありませんでした。それなら、出せるものは全部出してみようと、数で勝負しました。もともと考えていたこともあれば、NEXTをきっかけに新しく考えたものもありました。
大西|最終的に最優秀賞を受賞した案は、締め切り直後に思いついたものだったとか。
佐藤|そうなんです。「昨日すごいのを思いついてしまって、どうしても追加で提出したい」と、事務局に相談しました(笑)。
大西|話を聞いたら、すごく良いアイデアだと思いましたし、何より強いパッションが伝わってきました。最終審査は執行役員全員で行ったのですが、この案は、すっと決まりました。
佐藤|今振り返ると、最後の最後にアイデアを拾っていただけたことは、本当にありがたかったです。
メンターに選んだ理由は「自分から一番遠かったから」
――佐藤さんは、なぜ大西さんをメンターに選んだのでしょう。
佐藤|良い意味で、大西さんが「自分から一番遠い人」だと思ったからです。性質もそうですし、見ている景色も、自分とはかなり違うだろうなと。自分に近い人を選べば、ある程度どんな意見が返ってくるか想像できます。でも、せっかくなら、自分とは違う視点を持っている人の意見を聞きたかったんです。
それに、この1〜2年で自分自身も組織や人について考える機会が増えていました。以前だったら、人事が発信する理念や組織文化についての資料を見ても、正直「きれいごとだな」と思ってしまっていた部分もあったんです。自分のいる場所とは遠い話に感じていました。
でも、自分がマネジメントを経験し、人間関係や数字のプレッシャーなどで、かなり大きな壁にぶつかりました。そして、自分から一番近くにいたメンバーが離れていってしまった。自分自身を見つめ直さなければならない状況でした。
そうすると逆に、いろいろな現実を承知の上で、それでも理想を掲げ続けることって、すごく胆力のいることなんじゃないかと思うようになりました。
その意味でも、大西さんが何を考えているのか、改めて知りたかったんです。
大西|率直に嬉しかったです。実は、私も個人的に、佐藤さんを応援したい、この挑戦を一つのきっかけにしてほしいと思っていました。
自分の弱さを乗り越えて、「絶対に勝ってほしかった」
――大西さんから見て、佐藤さんはどんな方ですか。
大西|佐藤さんは、ものすごくストイックですよね。仕事へのプロ意識が高いし、自分が「これをやる」と決めたことに対するアクション量がすごい。
今回の最終プレゼンは3分と設定されていたんですが、プレゼン前のミーティングで、「13秒オーバーしちゃうんです。」と言われて、どれだけ練習されているんだろうと驚きました。
佐藤|たぶん1,000回くらいは練習しました(笑)。自分のプレゼンを録画して、自分の声を聞き続けるのがつらかったですが、何度も見返して、「この13秒をどう削ろう」みたいなことをずっとやっていました。
大西|そこまで詰める人って、なかなかいないですよね。
それに加えて、最終プレゼンでは自分自身の弱さやコンプレックスも含めてお話しされていた。全社員の前で、自分の弱い部分までさらけ出すのって、かなり勇気が必要だと思うんです。ロジックだけではなくて、人としての覚悟や変化も含めて伝わってきた。そこに徹底的に詰めた準備量とアクションが加わっている。「佐藤さんらしさ」がすごく出ていたと思います。
個人的に、佐藤さんをどうしても勝たせたかった、という思いもありました。部長自らが率先してやってくれているということもそうですが、佐藤さん自身が組織のリーダーとして大きな壁にぶつかり、その中で自分と向き合ってきたことを知っていたから。
受賞はゴールではない。すでに「実装」が始まっている
――佐藤さんが提案されたアイデアは「意思決定プロセスの透明化による組織活性化」。社内提案が埋もれる課題に対し、提案・意思決定・実行の全プロセスを可視化・記録する仕組みを構築するものでした。実現を楽しみにしている社員は多いと思います。現在の進捗状況はいかがでしょうか。
佐藤|着想した時点から、実現したい姿自体はかなり明確でした。もちろん細かく調整しなければいけないことはありますが、「何をつくりたいか」はあまり揺れていません。今は関係する方々にも入っていただきながら、実装に向けて進めています。
大西|佐藤さんご自身がリーダーシップを発揮してほぼ自走されています。私から「進捗どう?」と確認する前に、もうかなり進んでいる。やっぱり本当にやりたかったことなんだろうな、と感じます。
会社として実装する以上、当然クリアしなければならない条件はいろいろあります。でも、そこまで自分で形にして持ってくるというのは、熱量がなければできないですよね。
佐藤|今は情報システム部と仕組みをどのように社内システムへ実装していくかという部分を詰めているところです。
自分はもともと、目標や数字に強くこだわるタイプなんです。もちろん、責任を持って結果を出すことは必要ですし、その覚悟は今も変わりません。でも、自分だけでコントロールできることと、できないことがあるということを客観的に捉えられるようになりました。
佐藤|最終的な結果だけに執着しすぎると、自分自身にも周囲にも、必要以上にプレッシャーをかけてしまう。それは健全じゃないなと気づくようになりました。だから最近は、結果を出す責任を持ちながらも、そのためにどんなチームをつくるのか、どういう状態ならパフォーマンスを発揮して、やろうとしていることを実現できるのか、という風に考えるようになりました。
大西|今回のNEXTも含めて、そういう佐藤さんの内側にあるものが、少しずつ周囲に伝播しているようになってきた気がします。
最後は会社全体を巻き込んでローンチしていくことになるので、私もより一層、伴走していきたいと思っています。「アイデアを語る人」から「実現する人」へと変化した佐藤さんを全力でサポートしていきます。
失敗しても、もう一度挑戦できる会社
――NEXTを通して感じた「バリュエンスらしさ」を教えてください。
佐藤|自分自身、これまで失敗したり、周囲に迷惑をかけたりしたこともありました。それでも、こうしてもう一度責任を任せてもらって、NEXTのような挑戦の機会まで与えてもらっている。これは当事者になったからこそ、強く感じています。失敗したら終わりではなく、その後どう向き合うかを見てくれる会社だと思います。
もう一つは、発想の自由さです。「こういう制約があるからできない」で終わるのではなく、発想次第で実現可能性を広げていける。ただし、自由には責任が伴う。私は、その「自由と責任がセットになっていること」が、バリュエンスらしさなんじゃないかなと思っています。
大西|そうですね。そして、理想を掲げ続けることもバリュエンスらしさだと思っています。現実を知れば知るほど、理想だけでは物事は進まないことも分かる。でも、だからといって理想を捨ててしまったら、会社はそこに近づいていけません。
目の前の現実に向き合う人がいて、少し先の未来を言い続ける人がいる。どちらか一方ではなく、その両方があることが大事なんだと思っています。
佐藤さんが以前は「きれいごと」と思っていたものに対して、今は少し違う見方をしてくれている。それも、すごく面白い変化ですよね。
大西さん、佐藤さん、ありがとうございました!
過去の失敗や自分の弱みを認めたうえで、新しい挑戦を続ける佐藤さん。その挑戦は、最優秀賞の受賞で終わるものではなく、いままさに実装という次のステージへ進んでいます。
今回の対談から見えてきたのは、自身の想いに真剣に向き合い、その情熱を後押しするValuence NEXTの価値でした。自分とは異なる視点を持つメンターとの対話を通じてアイデアを磨き、形にしていく。そのプロセスこそが、バリュエンスらしい挑戦文化を生み出しているのかもしれません。
佐藤さんの挑戦が、新たな挑戦者の背中を押し、これまで埋もれていた数多くのアイデアが未来の価値へとつながっていく。そんな可能性を感じる対談となりました。