バリュエンスでは、社員の可能性を引き出し、より強い組織をつくっていくことを目的に、マネジメント力の強化に取り組んでいます。このコーナーでは、エンゲージメントが高い組織やメンバーの育成に力を入れているマネージャー層にフォーカスして、参考になるマネジメントスキルやアイデアを共有していきたいと思います。
バリュエンス的ナイス・マネジメント
バリュエンスホールディングス株式会社 執行役員 兼 人事部 部長の大西 剣之介が、思わず「それイイね!」と口にしてしまうマネジメントをしているマネージャー層にインタビュー。人事の立場から、皆さんにも参考にしてほしいマネジメント手法を解説していきます。また、バリュエンスが推奨する「伴走型マネジメント」と、社員の成長を支援する職場風土についても紹介します。第四弾は、ALLU Hong KongのVaniさんにお話を伺います。
Vaniさんプロフィール
ALLU Hong Kong シニアセールスマネージャー Vani Tse
キャリア :2019年2月入社
バリュエンスの好きなところ :個性豊かな多様な集団の中で、人々と意義のある繋がりを築ける
「よく聞く」——チームが強くなる最初の条件
大西:まずは、Vaniさんがマネジメントしているチームについて教えてください。
Vani:6名のメンバーが所属するチームです。オークション、販売、EC、在庫管理など、多岐にわたる業務領域を少人数でカバーしています。アシスタントマネージャー2名、シニアセールス担当2名、セールス担当1名という体制です。全員香港出身で、私以外はほぼ全員が日本語を流暢に話します。さらに、パートナーはインド、オーストラリア、台湾、マカオ、香港など多国籍。英語・日本語・中国話が飛び交う環境です。
大西:少数精鋭でチーム運営されているのですね。そんなチームを前向きに、モチベーション高く保つためにどんなことを意識されていますか?
Vani:まず「よくメンバーの話を聞くこと」を大切にしています。メンバーが業務で困っていたり迷っていたりする時には、状況を丁寧に聞いて、私の経験や知識を共有します。
私は、ほかのメンバーに比べて、ALLUで働いている年数が長いので、業務全体の構造や複雑な交渉にも一定の知見があります。ですから、特に難しい案件をメンバーが行う時には、メンバーの悩み事を聞きながら、サポートが必要なところで入っていくようにしています。
大西: VaniさんのALLUでの知識・経験が深いからこそ、メンバーが安心して自身の役割を全うし、力を発揮できているのでしょうね。
Vani:ありがとうございます。とはいっても、チームメンバーは本当に頼りになる人たちばかりなので、普段はほとんど心配していません。みんな協力的で、よいチームワークができています。
“報告”へのこだわり—チームの一体感は情報量で決まる
大西:素晴らしいですね!チームをマネジメントするにあたって、「これは譲れない」と思う信念やスタンスはありますか?
Vani:きめ細やかな“報告”は不可欠だと考えています。スタッフからの報告だけでなく、私からチームメンバーへの重要情報の共有もこれに含まれます。
変化が激しい香港市場では、計画が日々変わります。売上目標、パートナーとの会議予定、出荷スケジュールなど、細かな情報の共有でチームの一体感を維持することができます。チームが効果的に連携する上で、定期報告や進捗管理は特に重要で、欠かせません。
大西:確かに、チーム内での情報格差がない状態をつくることは、協働を円滑にしますね。
Vani:そうなんです。私のチームは、パートナーとの対面交渉も多く、専門知識も求められます。チーム内の情報をなるべくオープンにすることで、専門知識やスキルも“実戦で磨く”ことが可能となり、チームワークを強化することにもつながると考えています。
苦手だった「人事評価」が、チームを強くするチャンスに変わった
大西:透明性の高いコミュニケーションがチームの成長の基盤になっているんですね。マネジメントをする上で、苦労されたことはありますか?
Vani:最も難しいと感じたのは、優秀なチームメンバーを評価することでした。チーム全員が素晴らしい成果を出していると、誰もが高評価に値するように思えてしまいます。チームがうまく連携していれば自然と結果も出ますが、それでも期末の評価は簡単ではありません。
そこで私は、営業組織チャートを作成しました。6名のメンバーを8つのチームに分割し、各メンバーの役割、具体的な業務内容などを明確化しました。これにより、個別のフィードバックが具体性を帯びるようになり、メンバーが今後のキャリアを考えやすくなりました。
大西:その工夫が、チームの成長につながっているんですね。話は変わりますが、日系のグローバル企業ならではの苦労もあると思います。国籍を超えてコミュニケーションを取る上で、特に意識していることや工夫されていることはありますか?
Vani:日本文化を理解することは簡単ではありません。でも、柔軟性があれば受け入れることはできます。それに、バリュエンスは、伝統的な日本企業とは異なり、エネルギッシュで多様性に富んだ会社です。そういう意味では、さほど大きなギャップを感じることはありません。大切なのは、自分のスタイルを持ちつつ、相手への敬意を示すこと。
私は、「自分で価値を創る」ということを意識しています。会社の提供するものと自分の望むものが完全に一致しないとき、フラストレーションを感じることもありますが、マインドセットを変えることで、それは成長への機会に変わります。だからこそ、メンバーに対しても「一緒に成長していきましょう」という姿勢で臨んでいます。
成長を支える“伴走型”マネジメントの実践
大西:Vaniさんのマネジメントスタイル「自分の価値を創る」というのは、バリュエンスのコアバリュー「Value Design for Us」にも通ずる考え方ですね。そんなVaniさんがマネジメントをしていて面白いと感じる瞬間はどんなときでしょうか?
Vani:リーダーとしての最大の喜びの一つは、チームメンバーの日々成長していく姿を見ることです。メンバーがより強く、賢く、自信を持っていく様子を目の当たりにすることは、本当にやりがいがあります。
日本拠点の皆さんから香港チームに対してポジティブなフィードバックをもらったり、全社の中で模範として見られたりすることは、最高の栄誉だと感じています。
本当の成功とは、単なる売上を上げることだけではなく、社員が成長していくことだと考えています。成長する企業は、社員個々の可能性を引き出し、成果を認め、結果に報いるというサイクルが確立されています。
バリュエンスで活躍するのは、柔軟で、情熱的で、よく人と向き合える人
大西:「人の成長」を大事にマネジメントされていることがよく分かります。まさに、「伴走型マネジメント」を実践されていますね。
Vaniさんが考える「バリュエンスで活躍する社員」とは、どんな人だと思いますか?
Vani:柔軟性と適応力は不可欠です。そして、コミュニケーション能力も非常に重要です。特に、さまざまな国や文化的背景を持つ人々と関わる国際的な企業では、これらのスキルが求められます。
また、それと同じくらい“情熱”も大切です。競争の激しい業界では、会社の魅力をパートナーに伝えることが必要で、そのためには、自信と情熱が欠かせません。自分が会社や事業にプライドを持って、素晴らしい価値を提供しているという確信が、信頼につながります。
大西:おっしゃる通りですね。それでは最後に、これからマネージャーを目指す若手社員に向けて、何かメッセージをお願いします。
Vani:挑戦することが好きな人、人の成長に関心がある人、プランニング力がある人、意志が強くそれでいて柔軟な考え方ができる人は、素晴らしいマネージャーになれると思います!
大西:ありがとうございます。今回の対談で改めて、ナイス・マネジメントのポイントが明確になったと感じます。
- 「よく聞く」姿勢:チームメンバーが抱える悩みに耳を傾け、経験を共有しながら支える。
- 透明性の高い情報共有:業務上の更新情報はもちろん、会社の方針なども共有し、チームの一体感を保つ。
- キャリアパスの可視化:メンバーの役割を明確にし、成長を伴走する体制を構築する。
Vaniさんのマネジメントスタイルは、まさに「伴走型」でありながら、チームを自律的に成長させる構造がしっかりと備わっています。ALLU Hong Kongチームのさらなる進化が楽しみです。