生成AIが当たり前になったいま、仕事のやり方は大きく変わりつつあります。
でも、大切なことは“効率化”だけではありません。
私たちが長く向き合ってきたのは、データが取りきれない、意思決定が遅れる、運用が難しい。そんな現場の課題。
AIが進化した今、その現場をどう変えていけるのか。私たちはどこに勝ち筋を見ているのか。
今回は、AIの研究開発・技術検証・プロトタイプ開発を率いる開発本部長の水谷さんに、仕事の中身からバカンのカルチャー、今後のビジョンについてたっぷりお話を伺いました。
目次
プロフィール:水谷 宗隆(開発本部長)
ーバカンに創業メンバーとして参画された経緯を教えてください。
ー今はどのようなお仕事をされていますか?
ーこれからどんなことに取り組んでいきたいですか?
ー当たり前の質問をするようで恐縮ですが、やはり普段からAIを活用されているんですか?
ーバカンの事業・組織の進め方について、他のスタートアップと比べて特徴的だと思う点はありますか?
ーバカンの好きなところを教えてください。
ー好きなValueを一つとその理由を教えてください。
ー最後に、開発本部長としての今後のビジョンを教えてください。
プロフィール:水谷 宗隆(開発本部長)
大学卒業後、大手IT企業でサービスの数値分析〜企画〜実装を幅広く推進。機械学習理論のWebサービス応用や、海外拠点(ベトナム)での運用移管などグローバルプロジェクトも経験。日本と海外の橋渡し役としてエンジニアチームを率いながら、自身もプレイングマネージャーとして開発に従事。現在はバカンにて、機械学習・AIのリサーチ/開発/導入/運用保守を担当。
ーバカンに創業メンバーとして参画された経緯を教えてください。
もともと河野さん(代表取締役)とは知り合いではなかったんです。前職では大手IT企業でサービス推進やエンジニアマネジメントをやっていて、機械学習のWebサービスへの応用やベトナムでのグローバルプロジェクトの推進など、技術とビジネスの両方に携わっていました。
篠原さん(取締役)に誘われ河野さんと出会い、ミッションへの共感や・社会課題への挑戦・新しい行動原理を生み出せることへの面白みを感じて参画を決めました。
当時はまだ何もかもが手探りの状態で、やらなきゃ死ぬみたいな状況で(笑)。何でもかんでも根性論でいろんなことをやっていた時期もありました。でも、河野さんが最初からしっかり会社の設計を考えていたのが印象的で。成功しているスタートアップのセオリーを取り入れながら進めていく姿勢に、エンジニアとして安心感を感じたことを覚えています。
ー今はどのようなお仕事をされていますか?
これまではバカンの主力プロダクトである「VACAN AIS(アイズ)※」の画像解析システムの開発や運用保守を担当していました。
2026年2月からは、AI領域およびフィジカルAI領域に加え、デザインやQAを含むプロダクト開発全体を担う部署である開発本部長に就任し、AI領域およびフィジカルAI領域を中心に統括しています。
具体的には、生成AIを用いた技術のR&Dや技術検証やプロトタイプの作成、時系列データを用いた予測モデルの作成をメインで進めています。
また、企画の立案や市場調査を行ったうえで、資料を作成し、クライアントへの提案などを行っています。実際に、あるプロジェクトでは、生成AIを活用したアプリケーションの企画から設計し、現在はベータ版の開発を進めているところです。
※自動混雑検知システム「VACAN AIS」 :https://corp.vacan.com/service/vacan-ais
ーこれからどんなことに取り組んでいきたいですか?
大きく分けて2つあります。
1つ目は、AIをデジタルの世界から現実世界へ拡張していくこと。
世の中の流れとして、AIの活用先がデジタルからもっと現実世界に広がり始めています。AR(拡張現実)やMR(複合現実)といった技術が進化する中で、バカンとしてもデジタル世界にとどまらない領域に踏み出していく必要があると考えています。
たとえば防災分野では、災害現場で動くロボットや、バカンが取得している混雑・空き状況やLiDARなどのデータをもとに安全に避難誘導してくれるAIの活用が考えられます。どの避難所が空いているかという情報を現場でリアルタイムに提供して、人を誘導するようなイメージですね。
ほかにも、混雑状況に応じて行列の区切りを自動で配置し直してくれるロボットや、ドローンを使って空中から混雑情報を配信して人の流れを誘導するシステムなど、構想段階のアイデアもいろいろあります。身近なところだと、LOVOTのようなペット型ロボットも人の反応を見て自律的に動くという点ではフィジカルAIの領域なんですよ。
2つ目は、社内のAI活用を加速するための環境の整備です。
AIやLLMを活用してどんどん新しいプロダクトを開発していきたいと思っていますが、まだそういったプロダクト開発に最適な環境にはできていないと感じています。そのため開発本部が率先して、開発本部を始め各事業部もプロダクト開発にAIを活用しやすい基盤や情報を整備していきたいと考えています。
具体的には、プロダクト側がスムーズにAI機能を組み込めるアーキテクチャや共通基盤を整えること。そしてもう一つ重要なのが、AIに「何を渡すか」という情報の整備です。
少し前まではプロンプトの書き方が重要だと言われていましたが、今はAI側がユーザーの意図をかなり汲み取ってくれるようになっています。むしろ今大事なのは、AIにタスクを実行してもらうために必要な背景情報をどう整備し、どう渡すかという部分です。
バカンとしての知識や経験、判断基準、バリューのような共有知をAIに渡せていないと、会社の方針にそぐわないアウトプットが出てきてしまう。個人がうまく使えるだけでは、組織の成果はどうしても頭打ちになります。だからこそ、技術基盤や情報の整備と合わせて、会社として蓄積してきたナレッジや判断基準をAIが参照できる形にしていくことが必要です。
たとえば、バカンが大切にしている価値観が抜け落ちた提案が量産されても困りますよね。技術的な土台と、渡す情報の質。この両輪を整えることで、個別最適にとどまらない全社的なAI活用を実現していきたいと考えています。
そしてこの領域は、プロダクト開発とも直結しています。だからこそ開発本部として、全社最適の視点で検討し、推進していきたいと考えています。
ー当たり前の質問をするようで恐縮ですが、やはり普段からAIを活用されているんですか?
はい、ここ半年くらいは自分の業務すべてにおいて「どこまでAIを使えるか」を身をもって実践しています。
資料作成、コーディング、日常業務の自動化……できるだけ自分の手を動かさないようにしています(笑)。
使っているツールとしては、コーディングではCodexをメインで使い、調査や情報の整理にはChatGPTを使うことが多いです。画像系はGoogleのツールやStable Diffusionなども使っています。
最近は仕事だけでなくプライベートも含めて、身の回りのことをとにかくAIに任せるようにしていて。たとえば他社の決算情報やIR情報の収集は定期スケジュールでAIに自動で持ってこさせていますし、論文のチェック、1日のミーティングに対する準備タスクの洗い出しなんかもAIにやらせています。おかげで日常業務で手を動かすことがだいぶ減りました。
ーバカンの事業・組織の進め方について、他のスタートアップと比べて特徴的だと思う点はありますか?
バカンが他のスタートアップと比べて特徴的だと感じるのは、事業や組織づくりを初期段階から理論的に考え、着実に進めているところです。
プロダクトや売上だけでなく、組織の構造や役割、意思決定の仕組みまでを含めて、理論的に考え、着実に積み上げてきました。勢いだけで走るのではなく、再現性のある成長を志向しているところが、バカンらしさだと思います。
スタートアップでは「まずは作ってみる」という進め方もよく聞きます。一方でバカンは、代表の河野が会社の設計や“成功するスタートアップ”のセオリーをきちんと取り入れながら前に進めてきた印象があります。初期メンバーに対しても、「なぜその判断をするのか」「なぜその動きを取るのか」を丁寧に共有してくれていました。
エンジニアとしては、それが大きな安心感につながっていて、開発に集中できる環境でした。会社が大きくなった今でも新しいチャレンジは多いですが、「とりあえずやれ」ではなく、ロジカルに検討したうえで実行する文化が続いているのは、バカンの良いところだと思います。
ーバカンの好きなところを教えてください。
ロールや役職に関係なく、意見を言いやすいところですね。
チーム外のメンバーでも議論に積極的に参加してくれて、「みんなで何かを作ろう」という雰囲気がある。誰かが始めたことに対しても、ただ従うのではなくて「本当にやるべきなのか」「どうしたら実現できるのか」を真剣に議論する文化があるんです。
エンジニアとしては、自分の意見がプロダクトにちゃんと反映されて、実際にお客さんに使ってもらえるというのは本当に大きいです。他の会社だと、作ったけど世に出ないまま終わってしまうプロジェクトも少なくないと聞きますが、バカンでは最初に「何を届けるべきか」をしっかり考えてから作り始めるので、後戻りが少ない。作ったものがきちんと使われるという実感を持てるのは、エンジニアとしてすごく嬉しいことです。
ー好きなValueを一つとその理由を教えてください。
好きなバリューは「Pride and Respect」 ですね。
お互いの専門領域やプロフェッショナルなところをしっかり認め合いつつ、尊敬の念を持ちながら議論できるというのが、バカンのいろいろな活動の基盤になっていると感じています。
常日頃から感じていることなので、日々のやり取りの中で自然に体現されているバリューだと思います。
バカンを最も象徴しているバリューじゃないでしょうか。
ー最後に、開発本部長としての今後のビジョンを教えてください。
「AIファースト」という言葉に象徴されるように、AIの成長に会社としてただついていくだけでなく、追い抜いて新たな価値を提供できるようにしていきたいと思っています。
バカンが全社的にAIカンパニーへと転換するためのサポートと推進を、開発本部長として担っていきたいと考えています。そのためにも、まず自分自身の身の回りの業務をすべてAIで自動化する検証を続けていて、「こういう使い方ができる」「ここはまだ人がやるべき」といった知見を蓄積しています。
バカンは「現場」のサポートまで行っている会社です。ソフトウェアを作るだけでなく、設置から運用、データ活用までをパッケージ化しているからこそ、他社が取れない「生きたデータ」が自然と蓄積される。この強みとAIを掛け合わせることで、これまでにない価値を届けていけると確信しています。
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