こんにちは。
ウンログのCBO/うん広報の長瀬です。
ウンログアプリのダウンロードが90万を突破しました。日頃からご愛顧いただいているみなさま本当にありがとうございます。
ウンログは今年で10周年、企業としても7月に10期目を迎えます。
どのような角度からどれだけ贔屓めに評価しても”ニッチ”以外の何者でもないウンログですが、実は10年間で1円も広告宣伝費をかけたことがありません。かけられない、というのも正しいです(笑)。ウンログにおける広報の役割は、ウンログアプリのユーザー数を増やし、コラボレーションしてくださる企業さまを増やすこと。1円も広宣費がかけられないのですから、広報予算もほぼありません。その中で、ひとり広報として行ってきたことをしゃべって欲しい、というご依頼をいただき、改めて自分がやってきたことを整理しました。
「ない」から始まるウンログのPR戦略
ウンログ株式会社は、現在8名で運営している企業です(※2022年4月時点)。特に広報PRでは十分なリソースを割くことが難しく、何をするにも「ない」がついてまわります。今でこそ学生インターンを1名チームに迎えていますが、フルで使えるのは自分の頭と自分の体だけ……。
「ない」状況の中で、ウンログが行っているPRの柱は2つです。
①専門家PR
②ご近所さんへのリレーション構築
これらを重点的に行うことで、2C・2Bどちらに対してもウンログのプレゼンスアップに繋げることができています。
専門家PR
企業としての露出を獲得することは確かに大切ですが、ネタ作りや仕込みに対してリソースを割き続けることが難しいのがウンログの現実。そこで、行っているのが、社員が専門家として露出する「専門家PR」です。
オウンドメディアとして、公式YouTubeチャンネル「ウンTube」(チャンネル登録数7.3万人)、Instagram、Twitterの運用を行っています。どのメディアでも意識していることは、「自分自身の体験と自分自身の言葉を伝えること」。専門家としてエビデンスに基づいた確かな知識を発信することは大前提として、実際にウンログをご利用いただいている方と同じ目線で語ることができるのが大きな強みだと感じています。
その結果、外部メディアへの出演、寄稿の依頼、書籍出版など幅広い媒体とのご縁をいただくことができました。
社内の専門家をメディア露出させることは、露出の回数は増えてもサービス認知に繋がらないことも多いのが実情です。しかし、ウンログの場合は、ありがたいことにヘルスケアテック市場の中でほぼ独占的に腸活ユーザーを抱え込んでいます。10年間、広宣費をかけずにユーザー拡大ができた背景は、このポジショニングも大きいです。つまり、腸活にさえ興味を抱いてもらえれば社名やサービス名の露出がなくても、ある程度アプリへの流入が見込めます。
また、腸活の方法やメリットに関する発信には、ウンログのコアバリューである「うんちで健康状態を可視化する」が内包されています。いくら腸に良い食べ物やストレッチを紹介しても、その効果を確かめる方法がなければ説得力がないからです。
外部メディアへの露出の結果、直接的にアプリダウンロードへ直結しなかったとしても、個人SNSのアカウントが興味関心を抱いた生活者の窓口にもなっています。このように、専門家としての社員の露出で終わりではなく、アプリダウンロード、SNSフォローなど広く受け皿を設けることが、専門家PRの成功のポイントになっていると思います。
ご近所さんへのリレーション構築
広報のリレーション構築というと、メディアを真っ先に思い浮かべますが、私たちのリレーション構築は主に「ご近所さん」をターゲットにしています。ご近所さんとは、家が近いという意味ではなく、業界が近い、という意味です。
ウンログの場合は、ヘルスケア業界はもちろん、食育、発酵、マインドフルネス、ヴィーガン、エシカル、フェムテック、広報、などもご近所さんと考えています。すぐに大きな成果が上がるものではありませんが、とにかく多くの方との繋がりを作ることを大切にしています。そして、機会があれば積極的にその人たちの土俵にのせてもらう。
広報担当者の仕事は、料理人に似ています。さまざまな素材を、美味しく、見栄え良く調理して、自社を知ってもらったり、興味を持ってもらったりする。一方でウンログは、積極的に板の上の魚になりにいきます。「私たちの素材を提供するので、好きに調理してくださいね」、というのが私たちのリレーションの使い方、否、使われ方です。その中で、1番良い調理方法を一流の料理人たちと決めていけばいいのです。
例えば、私が認定講師として活動している一般社団法人 日本発酵文化協会では、「体内の発酵」というテーマで4半期に1度のペースで腸活セミナーを行っています。広報むけのTipsを紹介するメディア「PR TIMES MAGAZINE」のライターとしての活動の繋がりから、長野県千曲市のワーケーションプログラムの腸活監修をする機会もいただきました。
もちろん、調査リリースを作成したり、新規サービスがあればメディアアプローチをしたりと、いわゆる広報活動と呼ばれることもやっていなくはありません。しかし、本当に効果が出ていると思える活動は上記の2つです。広報PRの領域においても、やはり始点は自分であることが大切なのかもしれないな、と近年思っています。
これからもうまい素材であり続けたい。和歌山県のクエ、福井県の香箱ガニ、愛媛県のマダイ、そしてウンログのナガセ……。
お寿司が食べたくなってきました。