前編では、地球惑星科学の研究者からデータアナリストへと歩んできたキャリアと、「社割を使わない」というお客様目線へのこだわりを語ってくれた髙橋大登さん(通称・のぼるん)。後編では、育休取得から子育てとの両立、AIが加速するなかでアナリストとして何を大切にしているか、そして5年後に描く自分の姿を聞いた。
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アナリストと子育ての両立
採用担当(以下、――): 髙橋さんは直近育休を取得されたと思いますが。いつごろ会社へ報告されたんですか?
髙橋さん: 実は入社の時点で、子供が生まれることが分かっていたんです。最終面接が終わってしばらくして妊娠が発覚して。入社してすぐに上長に共有させてもらいました。
――: それは勇気が要りましたね。どんな反応でしたか?
髙橋さん: 報告したら上長二人も同じ状況で、「俺たちも実はそうなんだよ」って言ってくれて。しかもお二人ともそれぞれ1ヶ月・2ヶ月の育休を取ることがもう決まっていたんです。それを聞いて、「あ、自分も取ろう」と自然に思えました。上の立場の人が取っているかどうかって、本当に大きいですよね。
――: 同じ状況の先輩がいるのは心強いですね。取得の時期はどう決めたんですか?
髙橋さん:入社1年未満の社員からの申し出は「会社側が拒むことができる」という規則はあるのですが、上長からは「希望のタイミングで取ってもいいよ」と言われていました。
ただ、当時は入社からそれほど期間が経っていなかったこともあって、業務のキャッチアップも大事にしたかったんですよね。なので、子供は10月に生まれたんですが、入社1年を過ぎた3月に取得することにしました。
――: 生まれてから育休まで5ヶ月ほどあったんですね。その間の生活はどうでしたか?
髙橋さん: 結構きつかったですね(笑)。夜は夜泣きで必ず1〜2回起きるので、まとまった睡眠が取れなくて。2〜3時間ずつしか眠れない日が続きました。しかも奥さんだと泣き止むのに、僕だと全然泣き止まなくて。体の硬さなのか匂いなのか……よく分からないんですけど(笑)。
――: 仕事への影響はありましたか?
髙橋さん: 影響はありましたけど、早起きのルーティンは崩さないようにしていました。子供が生まれてから仕事の終わりを6時台と決めたので、出社時間も早めて。朝ランをして、朝ごはんを食べてから7時台に業務スタートするのが基本になりました。
子育てが教えてくれた、仕事の「切り上げ力」
――: 仕事と子育てを両立するうえで、意識して変えたことはありますか?
髙橋さん: 一番変わったのは、「時間がない前提で仕事する」ようになったことですかね。以前は「これが終わるまでやろう」とズルズル夜まで延ばしてしまうこともあったんですが、今は6時半より後にはなるべく仕事しないと決めています。タスクが終わっていなくても、切り上げるようにしています。
――: 締め切りを決めることで、何かが変わりましたか?
髙橋さん: 集中力が全然変わります。「あと何時間しかない」って思うと、無駄なことをしなくなりますね。あと気づいたのは、「考える系のタスク」ってパソコンの前にいなくてもできるんですよ。どうデータを整理しようか、集計どう設計しようかって、子供を抱っこしながらでも考えられるし、朝走っているときも頭がさえているんで意外とアイデアが浮かんで。
――: 走りながら考えるんですね(笑)。
髙橋さん: 前日の夜に悩んでいた問題が、翌朝走りながらぼんやり考えていたら「あ、これでいいじゃん」ってなることが結構あるんですよ。
――: 子育てが仕事の効率を上げてくれた側面もあるんですね。
髙橋さん: あると思います。昼間は奥さんが子供を見てくれているので集中できる環境があって、でも終わりの時間は決まっている。その制約があるからこそ、頭を使うべき時間に本当に頭を使えるようになった気がします。
「分析屋さんだけじゃない」、UTアナリストの面白さ
――: そうやって時間を工夫しながら向き合っているアナリスト業務について聞かせてください。2年目に入って、UTのアナリストとしての面白さはどんなところに感じていますか?
髙橋さん: 一般的にアナリストって、すでにあるデータを分析して示唆を出す、というイメージだと思うんですが、UTのアナリストはそれだけじゃなくて。CDPの構築という観点で、「そもそもどういうデータの持ち方をするか」という設計段階から関わることもあるんです。
――: データを使う側だけでなく、作る側にも関わるということですか?
髙橋さん: そうですね。データエンジニアチームやクライアントのシステム部門と連携しながら、「このデータをCDPに持ってきて、こういう分析をしたい」という設計をアナリスト側が考える。データエンジニアが構築はできても、分析を想定したデータ設計まで考えるのは役割的に少し負担が大きい。逆もしかりで、その両方の視点を持てることがUTのアナリストの面白さだと思います。
――: チームメンバーもそれぞれ得意な領域があるんですか?
髙橋さん: バラバラですね(笑)。SQLを書いてTableauで可視化するまでのスピードがとにかく速い人、顧客マネジメントがPM並みにうまい人、何でも高水準にこなせる人……みんな違う「芯」を持っているんですよ。僕はどちらかというと分析のアウトプットのイメージが早くつく方で、「こういう切り口で見たら、こういうことが言えそう」というのが比較的早く浮かぶというか。構築系はまだまだこれから鍛えていきたいところです。
AIをパートナーに。人間のアナリストが問われること
――: 構築も分析も、どちらも進化し続けなければいけない環境ですよね。そこにAIも入ってくる。AIが進化する中で、アナリストとしての価値はどこにあると思いますか?
髙橋さん: AIって、ありきたりな一般的な答えは返してくれるんですよ。データから見えることを語ってくれるし、ネットで調べれば分かるようなことは割とうまく答えてくれる。でも「データの裏にいるお客さんがなぜそういう行動をとったのか」という人間的な解釈は、人がやらないといけないと思っていて。
――: AIの答えをそのまま出すだけでは、アナリストとしての価値がないということですね。
髙橋さん: そうですね。AIが出してくれた答えを、お客さん目線の言葉に置き換えて変換できるかどうか。それがアナリストの役割だと思っています。前編で話した「自分でクライアントのサービスを使ってみる」というこだわりも、突き詰めればそこにつながっていて。体験していないと、お客さんの言葉に変換できないんですよね。
――: では逆に、AIを積極的に使っていきたい部分はありますか?
髙橋さん: 今やっている分析が、時間の制約もあってシンプルな2軸のクロス集計が中心なんです。でもAIが使えるようになると、10個の変数からインサイトを瞬時に出すようなことができてくる。同じ時間でもっとクオリティの高い分析が出せるようになれば、アナリストとしての仕事がもっと面白くなると思っています。構築周りの地味な定義書作成みたいな作業はAIに任せて、頭を使うべきところに時間を使えるようにしていきたいですね。
――: AIに任せる部分と、人間がやるべき部分の使い分けですね。
髙橋さん: そうですね。AIは与えられた情報をもとに答えを出してくれるけど、何をインプットするかは人間が決めないといけない。クライアントとのコミュニケーションの中で「何を引き出さなきゃいけないか」を考えながらヒアリングできるか。そこはどんなにAIが進化しても、アナリストが磨き続けるべきところだと思っています。
5年後も、アナリストとして。仕事も家族もどちらも大切
――: そういう姿勢で仕事に向き合っている髙橋さんが、3〜5年後にどんなアナリストでありたいかも聞かせてもらえますか?
髙橋さん: アナリストを続けたいと思っています。案件ごとに初めて出会う分析の概念があったりして、やることが尽きないんですよ。だから飽きることはないだろうなと思っていて。ただ、役割としては「チームを底上げする側」になっていきたいですね。今はアナリストって、それぞれが自力でスキルを掴み取っていく環境で。自分が積み重ねたものを、後から入ってくる人たちが早くキャッチアップできるような仕組みを作れたらと思っています。
――: 仕事以外に、大切にしていきたいことはありますか?
髙橋さん: 仕事ももちろん大事にしたいんですが、仕事と同じくらい家庭が大事だと思っていて。そして家庭を大事にするためには、自分が健康じゃないといけないと思っています。仕事に飲み込まれすぎずに、プライベートも充実している社会人でいたいと思っています。
――: 5年後、トレランのパフォーマンスも上がっていそうですね!
髙橋さん: そうですね(笑)。トレランって40〜50代の方が技術で若い世代を超えていくこともあって、経験を積むほど伸びしろがある世界なので。5年後はちょうど30代後半に入るんですが、20代より動ける30代後半でいたいですね。仕事も体も、まだまだこれからだと思っています。
UTのアナリストに向いている人
――: 最後に、UTのアナリストはどんな人に向いていると思いますか?
髙橋さん: 一つのことにとことん興味を持って追求できる人は、すごく向いていると思います。何かにどっぷりはまった経験がある人というか。数字が得意かどうかよりも、「人に興味があるかどうか」の方が大事だと個人的には思っていて。
――: 「人に興味がある」、というのはどういうことですか?
髙橋さん: たとえば道を歩いている人がスマホで動画を見ていたとして、「なんでこの人はこの動画を見てるんだろう」とか「この人の趣味嗜好ってどんなだろう」って自然に考えられる人。データの奥にいるお客さんの気持ちを想像するのって、そういう感覚の延長線上にあると思うんですよ。UTのアナリストって、クライアントの顧客データを分析してアクションを提案する仕事なので、その人のことを想像できるかどうかが、とても大事だと思っています。
――: なるほど。それは前編で語っていたお客さん目線へのこだわりとも重なりますね。
髙橋さん: そうですね。「なぜ?」を考え続けられる人も向いていると思います。たとえばネットで何かを買う時に、「なんでこの人はこれを選んだんだろう」って、選んだ人の心情まで想像が広がっていく人。そういう好奇心の向け方が、仕事の中でじわじわ生きてくると思っています。
応募者の方へ
――: 最後に、UTのアナリストに興味を持っている方へメッセージをお願いします。
髙橋さん: アナリストって、黙々と数字を扱っている硬い人のイメージがあるかもしれないんですが、UTのアナリストチームは意外と砕けた雰囲気で(笑)。毎朝15分間、業務の前に雑談をするというルールがあるくらいでして。仕事の内容も、案件ごとに全然違うことをやるので、本当に飽きないです。
データに関することを幅広く、しかもクライアントのビジネスに直結する形で携われる環境は、なかなかないと思っていて。「人の行動の裏側が気になる」「データを使って誰かの役に立ちたい」という気持ちがある方は、ぜひ一度話を聞きに来てください。