こんにちは、トラストハブ代表の大懸です。僕は今、コレクターズECプラットフォーム「Clove」を運営しています。今回はCloveを始めたきっかけ・事業にかける想いについて書きたいと思います。
こんな人に読んでほしい
下記のトピックに興味のある方に、ぜひ読んでいただけるとうれしいです。
・C2B2C
・二次流通業界
・コレクターグッズ、トレーディングカード
・マーケットプレイス、取引プラットフォーム
コレクターグッズ事業をはじめた理由
僕は前職のヘッジファンドFarallon Capitalを2019年2月に退職して起業しました。起業当初は金融系のサービスを作ろうとしていましたが、ワクワクするビジョンが描けず、別の事業を探すことにしました。本気で課題意識に共感できて、その課題を解決したいと思える事業を探した結果、今の事業をはじめることにしました。
僕は子どものころ、古銭などを収集していたコレクターだったのですが、お店に買い物に行っても、どれが本物でどれがレプリカなのかわからないこともありました。また、地元のショップでは品揃えが少なく、ほしいものが手に入らないこともありました。
コレクターグッズは、どれが本物かわからない、価値がわからないという点で「安心して売買できること」が強く求められています。また、ほしいものを探すためには、「全国の人たちと取引できる」ことが求められています。
ぼくは、子どものころの原体験を通じて、「コレクターグッズを全国・世界中の人が安心して売買できるようにしたい」という思いを持つようになりました。
そして、幅広いコレクターグッズ領域のなかで最初に取り組むべき領域はなにか、もっとも安心して売買できることが求められている領域はなにかと考えた結果、僕はそれが「トレーディングカード」であるとの考えになりました。
トレーディングカード市場は、偽物が存在していたり、傷があるカードが美品カードとして販売される例があったりと、安心して取引するのが非常に難しい市場です。最近でも、オークションサイトで偽造トレーディングカードを販売していた人が逮捕されるなどの事件が発生しています。トレーディングカードを安心して売買できる世界を作っていきたいとの思いから、事業を運営しています。
コレクターズEC市場の構造的な課題
コレクターグッズを安心して売買するのが難しいという問題は、①コレクターグッズ固有の事情と②ECがかかえる構造的な問題によって、レモン市場になってしまっていることが原因であると考えています。スタートアップとしてテクノロジーを使って本気で解決に取り組む価値のある、複雑性の高く深い問題です。
レモン市場とは
レモン市場とは、「財やサービスの品質が買い手にとって未知であるために、不良品ばかりが出回ってしまう市場」(wikipediaより引用)です。「レモン」は質の悪いものの代名詞として使われていて、質の悪いものばかりが出回っている市場のことをいいます。
レモン市場は、売り手は買い手の情報レベル・知識レベルに差があり、売り手が買い手の無知に漬け込んで低品質なものを売りやすい状況下で発生します。コレクターグッズEC市場は下記のように構造的にレモン市場になりやすい問題をかかえています。
①コレクターグッズ固有の事情
コレクターグッズ市場には、偽物かどうかの判断がむずかしいという問題があります。遊戯王カードの例でいうと、オークションサイトなどでは、偽物のカードが本物だと偽って販売されていることは数多くありますし、実店舗の大手カードショップで偽物が本物として高額で販売されてしまった例もありました。実店舗のカードショップですら本物と偽物の区別が難しいことがあるなか、必ずしもコレクターグッズの真贋鑑定のプロではないコレクターグッズの買い手が真贋を正確に判断することは難しいため、構造的に生じてしまっている問題です。
②ECがかかえる構造的な問題
その中でも、ECは、オンライン上で取引がおこなわれるため、買い手が実物をみて評価することができず、買い手による評価が難しいという問題があります。また、偽物ではなくても、出品写真は綺麗だったのに実際に届いてみると「傷あり品」だったという事例もあります。貴重なコレクターグッズを売買するには全国の人たちとオンラインで取引できたほうが好ましいのにもかかわらず、オンラインで取引するには不安があるというジレンマが存在しています。
コレクターグッズ市場に対するCloveのチャレンジ
このようなコレクターズECの構造的な問題に取り組むべく、現在CloveというコレクターグッズECを運営していています。現在は遊戯王カードに特化して運営中です。
Cloveは一流のカード鑑定・状態判定メンバーを採用・育成しており、本物だけをしっかりと状態評価をした上で販売するということを徹底しています。また、膨大な真贋鑑定に関するノウハウをデータの蓄積により仕組み化して行えるためのAIテクノロジーを開発・運用しています。
また、Cloveでは同一種類のカードでも、入荷するごとに1枚ずつ写真を複数枚撮影しています。ユーザーは、同じ種類のカードであっても傷状態を見比べたりすることができ、実際に撮影されたカードを購入することができるので、オンラインであっても、実物を店舗で「状態確認」した上で購入するかのようなリアルな購買体験をすることができます。ユーザーは、たくさんのカードの中から自分の満足する状態の1枚を探すというワクワクする体験をすることができます。
・鑑定ノウハウとテクノロジーを使った真贋鑑定
・状態評価と精細な写真撮影
によって、安心してオンラインでも高額カードを購入できるサービスをつくっています。この取組みによって、Cloveの公式twitterでも日々たくさんの反響をいただいています。
下記がCloveのサイトになります。遊戯王カードに詳しくなくても、美しいカード写真を眺めるだけでも楽しいので、是非ながめてみてください。
事業の面白さ
僕自身、Cloveを運営する中で日々、刺激的な日々を過ごせています。それはユーザーの方々に毎週めちゃくちゃ喜んでいただけるということも大きいですが、実はこの事業自体が日本でも新しい試みでチャレンジ要素が多く存在するからです。
遊戯王カードの例でいうと、レアリティごとの光り方・素材といった一般的な特徴のほかに、種類や年代ごとに本物特有の特徴があります。例えば、「青眼の白龍」初期シークレットレア( 通称:シクブル)は、裏面の印刷が左側にずれていることが多いという特徴があります。
このような、カード種類ごとの膨大な鑑定ノウハウ・知識がいままでは、それぞれのカードショップ店員の経験に基づいていました。かなり属人的に作業が行われているため、鑑定士の腕前によっては、カードショップでも誤判定が生じたりしてしまっています。テクノロジーの力を使って、正確な鑑定を行えるようにする取り組みをしています。
仲間を募集しています
最後になりますが、コレクターグッズの取引プラットフォームを更に拡大していくため、仲間を募集しています!
2020年3月にサービスのβ版をオープンしてから、素敵な仲間が集まり現在15名程度の組織になっています。一流のメンバーがそれぞれの専門知識を活かしながら、チームで事業を作り上げていっています。
現在、組織としてもサービスとしても急成長中ですが、コレクターグッズの安心取引プラットフォームという壮大なビジョンに向かっていくために、まだまだメンバーを増やしていきたいです。コレクターグッズ領域で世界一のコレクターズECプラットフォームを一緒につくっていきましょう!
Bizdev、エンジニア、デザイナー、マーケター、インサイドセールス・カスタマーサクセスなど全職種募集中です。副業もOKです。